二枚貝
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二枚貝(にまいがい)は、軟体動物門 二枚貝綱に属する動物の総称。二枚貝綱は、斧足綱(Pelecypoda)ともいい、体の左右に二枚の貝殻をもつ。敵が来ると軟体部分を殻にひっこめ、閉殻筋(貝柱)で殻を閉じて身を守る。
目次 |
[編集] 形態
[編集] 殻
2枚の貝殻は、体の左右につく。殻同士は蝶番で接触し、互いに靱帯で結びついている。砂に潜るものでは、二枚の殻は左右相称になっているが、ホタテ貝のように片方の殻を下にして定位するものでは、不対称となって、一見腹背に殻があるように見える。
二枚の殻は、閉じると完全に密閉するのが普通だが、一部には完全に閉じない形のものがある。また、フナクイムシのように、殻は小さくなって、石灰質の棲管を発達させたものもある。
ニオガイ類では、殻の表面にヤスリ様の構造があり、殻を動かすことで岩を削って穴を掘るのに使用する。
[編集] 体の構造
体の大部分は殻に包まれ、足と水管のみを外に出す。
全身は外套膜に包まれる。外套膜の一部は管状になり、出水管と入水管として働く。外套膜の内側、体の左右に二対の鰓を持つ。頭部は退化的で、口の周りには感覚器官等は見あたらない。体の下面には大きな単一の足があり、内臓器官はその上部に収まる。
体の前後に殻を閉じるための筋肉、閉殻筋がある。いわゆる貝柱である。
足は左右から扁平、斧状である。この類の別名、斧足類の名はこれに由来する。この足を砂泥に突っ込み、先端を膨らませて長さを縮めることで体を砂の中に引き込み、砂に潜ることができる。また、足の基部に足糸腺を持つものでは、足糸を分泌して体を固定する。
[編集] 生活
いずれも全身を殻に包まれ、そのすき間から足を出すだけの生活であり、活発に運動するものはない。ホタテガイのように、一時的に遊泳するものもあるが、普段はあまり動くものではない。多くのものが砂泥中に体を埋め、水管を泥の上に出して生活している。岩の上やその他異物の上で固着生活するものも多い。
餌は水管から吸い込んだ微生物や有機物の微粒子(デトリタス)を、鰓でこし取って食べるものが多いが、原始的な体制のものは鰓にろ過機能がなく、殻の外に唇弁を伸ばし、堆積物中のデトリタスを直接摂取する。水管によって餌を摂取するものは水中に漂うセストン態の粒子(プランクトンやデトリタス)を餌とするものが多いが、サクラガイなどニッコウガイ超科に属する二枚貝には、入水管を掃除機のように使って砂泥底表面に沈降・堆積したデトリタスを直接吸い込むものが多い。
[編集] 分類
二枚貝綱の分類は確定したものがない。英語版Bivalviaから引用した。
[編集] 異靱帯亜綱 Anomalosdesmata
- ウミタケガイモドキ目 Pholadomyoida
[編集] 異歯亜綱 Heterodonta
[編集] 古異歯亜綱 Paleoheterodonta
- サンカクガイ目 Trigoinoida
- イシガイ目 Unionoida - カラスガイ、ドブガイ、マツカサガイなど
[編集] 原鰓亜綱 Protobranchia
- クルミガイ目 Nuculoida
- キヌタレガイ目 Solemyoida
[編集] 翼形亜綱 Pteriomorphia
[編集] 別の分類
原鰓亜綱 Protobranchia
- 古多歯目 Palaeotaxodonta
- 隠歯目 Cryptodonta
糸鰓亜綱 Filibranchia 足糸(そくし)を出して砂泥や岩などに自分の体を固定する。アカガイも稚貝期には足糸を出す。
- 真多歯目 Eutaxodonta
- 翼形目 Pteromorphia(貧歯目 Dysodonta)
真弁鰓亜綱 Eulamellibranchia 足糸を出さない。体の後ろに水管をもち、ここから外套腔へ水を取り入れる。
- 古異歯目 Paleoheterodonta
- 異歯目 Heterodonta
- 異靭帯目 Anomalodesmata
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