交響曲第38番 (モーツァルト)
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交響曲第38番(こうきょうきょくだい38ばん)ニ長調K.504は、ウォルフガング・アマデウス・モーツアルトが作曲した交響曲。『プラハ』というニックネームを持つ。1787年1月19日にプラハにて初演された。
- 基本資料の所在:ベルリン国立図書館(自筆総譜)
- 出版:〔初版〕ロンドン、チャンケッティーニ&スペラーティ社、1800年頃(総譜)。〔全集〕新モーツァルト全集第4篇、第11作品群、第8巻。
[編集] 作曲の経緯
1786年12月、プラハでのオペラ『フィガロの結婚』の上演が大成功を収めたことにより、モーツァルトはプラハから招待を受けた。1787年1月22日、モーツァルトはプラハで自ら『フィガロの結婚』を指揮したが、この交響曲はそれに先立って初演されたものである。
モーツァルト自身の作品目録によれば、この交響曲の完成は1786年12月6日で、プラハ旅行のかなり前である。このため、作曲の目的はプラハでの演奏ではなく、1786年から1787年の冬のウィーンでの演奏会のためではないかと見られている。ただし、ウィーンでの演奏の記録は残されていない。
この交響曲は3楽章からなり、メヌエット楽章を欠いているが、その理由は不明である。アラン・タイソンによる自筆譜の研究では、第3楽章の執筆時期は1786年のはじめとされる。タイソンは、同じニ長調で3楽章構成の交響曲第31番『パリ』のフィナーレを差し替えるために第3楽章を作曲し、のちに第1、2楽章も新たに書いたのではないかと推測している。
[編集] 曲の構成と楽器編成
- アダージョによる導入部から始まる。
- 第1主題の旋律は『フィガロの結婚』第2幕のスザンナとケルビーノの二重唱「早く開けて」に似る。
楽器編成:フルート2、オーボエ2、ファゴット2、ホルン2、トランペット2、ティンパニ、ヴァイオリン2部、ヴィオラ、チェロ、コントラバス
[編集] 参考文献
- 海老澤敏ほか『モーツァルト事典』東京書籍、1991年
- 『作曲家別名曲解説ライブラリー14 モーツァルトI』音楽の友社、1993年
カテゴリ: モーツァルトの交響曲 | ニ長調