人間革命
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人間革命(にんげんかくめい)とは、創価学会第2代会長戸田城聖によって唱えられた、同会における中心的な教義のひとつ。およびこの教義をテーマとして、創価学会の歴史と戸田の生涯を描いた長編小説の題名。
目次 |
[編集] 小説
戸田および第3代会長池田大作による同名の小説『人間革命』(英語題:"The Human Revolution")がある。創価学会草創期からのエピソードなどを[1]小説化したものである[2]。
戸田の手による人間革命は1951年[3]から、池田の手によるものは1965年の新年号から1993年まで、それぞれ聖教新聞に連載された。池田の手によるものは全12巻の単行本として刊行。さらに池田による続編『新・人間革命』(英語題:"The New Human Revolution")の執筆が1993年11月18日から現在も続けられ、同新聞に連載中[4]。
池田の小説『新・人間革命』の首題は「一人の人間における偉大なる人間革命はやがて一国の宿命転換をも成し遂げ、さらに全人類の宿命の転換をも可能にする」とある。 世界各国の言語にも翻訳された。創価学会の発表によると2004年12月現在、『人間革命』『新・人間革命』の単行本の総発行部数は全世界で4000万部に達する。創価学会の会員による購入が少なからず含まれていることは言うまでもない[5]。
井上ひさしは、『ベストセラーの戦後史』で本書を取り上げ、作者が本当に自分で書いた物[6]なら作者自身を美化しすぎていてこの点に関して作者は異常な程だと指摘している[7]。
[編集] 映画
人間革命 | |
監督 | 舛田利雄 |
---|---|
製作 | 田中友幸 |
脚本 | 橋本忍 |
出演者 | 丹波哲郎ほか |
音楽 | 伊福部昭 |
撮影 | (特撮監督)中野昭慶 |
配給 | 東宝 |
公開 | 1973年 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
1973年、『人間革命』のタイトルで東宝と創価学会系のシナノ企画の共同製作で映画化された。1976年にほぼ同じスタッフ・出演者で『続・人間革命』が公開されている。
映画は全国の学会員の動員もあり、大ヒットを記録。しかし、創価学会の布教につながるためテレビ放映は一度もされていない。その後創価学会系列のシナノ企画からビデオが発売されたが、廃盤となって以降は全く公開されず、学会員でも鑑賞手段がない幻の映画となっていた[8]。2006年にこの映画を観たいという多くの声に押される格好でシナノ企画からDVD発売され、ようやく一般の日の目を見ることになる。
[編集] 人間革命(1973年)
スタッフ
キャスト
- 戸田城聖:丹波哲郎
- 牧口常三郎:芦田伸介
- 戸田幾枝:新珠三千代
- 山平忠平:森次晃嗣
- 栗川:名古屋章
- 奥村:桑山正一
- 三島由造:稲葉義男
- 北川直作:田島義文
- 日蓮大聖人:仲代達矢
- 内田稔、加藤和夫、雪村いづみ、黒沢年男、渡哲也、佐原健二、佐藤允、平田昭彦、ほか
[編集] 続・人間革命(1976年)
スタッフ
- 製作:田中友幸
- 監督:舛田利雄
- 脚本:橋本忍
- 特撮監督:中野昭慶
- 音楽:伊部晴美
キャスト
- 戸田城聖:丹波哲郎
- 牧口常三郎:芦田伸介
- 戸田幾枝:新珠三千代
- 山本伸一:あおい輝彦
- 山平忠平:森次晃嗣
- 島谷:渡哲也
- 栗川:名古屋章
- 三島由造:稲葉義男
- 日蓮大聖人:仲代達矢
- 新克利、大竹しのぶ、中谷一郎、春川ますみ、尾藤イサオ、岸田森、小泉博、志村喬、他
劇画・人間革命 | |
---|---|
ジャンル | 劇画 |
漫画 | |
作者 | 石井いさみ(原作・池田大作) |
出版社 | 聖教新聞社 |
掲載誌 | 聖教新聞 |
発表期間 | 1988年 - 2002年 |
巻数 | 56冊 |
OVA: アニメ人間革命 | |
監督 | 勝間田具治 |
アニメーション制作 | シナノ企画 |
発表期間 | 1995年 – 2004年 |
その他 | 全20巻 |
■テンプレート使用方法 ■ノート |
[編集] 劇画
聖教新聞に1988年から2002年まで、毎週日曜日に『劇画・人間革命』が連載された。作者は「750ライダー」などの作品で知られる人気漫画家・石井いさみ[9]。上記の池田の小説『人間革命』全12巻をほぼ原作通りに劇画化したものである。単行本にすると20ページ分の内容を、聖教新聞の1ページ全面に縮刷して掲載していた。聖教新聞社より単行本が刊行(全56巻)されている。
[編集] アニメ
『アニメ人間革命』は、1995年から2004年にかけてOVAとして発表された。全20巻。キャラクターデザインなどは、石井いさみの劇画に基づいている。
[編集] 註
- ^ 学会関連の登場人物は殆ど全て仮名になっている。戸田が著したものでは牧口常三郎(創価学会初代会長)や戸田と思しき人物まで仮名であり、池田が著したものでは牧口・戸田など若干の関係者が実名となっているものの、池田本人と思しき人物(=「山本伸一」・ちなみに池田が詩や随筆を書く際に使うペンネームでもある)を含めて多くの関係者が仮名で登場する
- ^ この小説を執筆する際はペンネームを使い、戸田は「妙悟空」(みょうごくう)、池田は「法悟空」(ほうごくう)となっている
- ^ すなわち聖教新聞の創刊号
- ^ 池田による『人間革命』『新・人間革命』は2006年11月18日現在で4955回(『人間革命』1509回、『新・人間革命』3446回)の連載記録を達成している。この記録は、新聞小説としては山岡荘八の『徳川家康』の4725回を上回っている
- ^ 創価学会の各種資格試験の題材としてよく取り上げることがある
- ^ ゴーストライターの存在が噂されていた
- ^ 余りの異常さに「恥ずかしい」という感想を抱き、本書を読んで創価学会への興味も尽きたと井上は書いている
- ^ 学会と日蓮正宗宗門との対立が表面化し、映画では比較的宗門を好意的に描いていたことがなどが影響していたらしい
- ^ 石井は学会員でないが『走れ!!美穂』などを連載していた聖教新聞の記者から贈られた『人間革命』を読んで魅了され、この作品の完全劇画化が夢であったという