光田康典
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光田 康典(みつだ やすのり、1972年1月21日 - )は、山口県徳山市(現・周南市)出身の作曲家。1992年株式会社スクウェア(現スクウェア・エニックス)入社。『ファイナルファンタジーV』『聖剣伝説2』『ロマンシングサガ2』等、様々な作品のサウンドエンジニア、効果音等を担当した後、1995年にRPGの超大作『クロノ・トリガー』(SFC)で、作曲家デビュー。同サントラCDは発売時にいきなり10万枚以上の売上を記録し、10年経った今も変わらず根強い人気を誇る。その後も『ゼノギアス』(PlayStation)等の作品の作曲において、当時のゲーム音楽としては特異なブルガリアン・ヴォイスや、アイリッシュ・トラッドをふんだんに採り入れた楽曲を現地レコーディングするなど、ゲーム業界でも注目の作曲家となる。また、スクウェアで歌ものを初めて取り入れたのは彼である。1998年6月スクウェア(現スクウェア・エニックス)を退社、同年7月よりフリーとなり、『マリオパーティ』(NINTENDO64)、『クロノ・クロス』(PlayStation)等のゲーム音楽を担当する一方、原史奈のシングルや工藤順子のアルバムのサウンド・プロデュース等も手掛けたり、オムニバス・アルバムやゲームのアレンジ・アルバムにも積極的に参加。2001年11月「プロキオン・スタジオ」を設立(2005年11月より同社の取締役に就任している)。同時にインディーズレーベル“スレイベルズ”を立ち上げ、自身の手掛けたレアなゲー厶サントラなどを積極的に発売。その一方で、2002年、株式会社ナムコより発売の『ゼノサーガ エピソードI[力への意志]』(PlayStation2)においては、ロンドン・フィルハーモニー交響楽団を起用し、現地でのフルオーケストラ・レコーディングを敢行するなど、ゲーム業界でも多岐に渡って活動を展開。同マキシシングルCD『"Kokoro" Theme from Xenosaga Episode I』ではゲーム業界初となる洋楽オリコンチャート第1位に輝く。また海外でも、台湾から世界各国に向けて発売された超大作PCゲーム『THE SEVENTH SEAL〜第七封印〜』で作曲を担当し、台湾の光田ファンから熱い歓迎を受ける。それらの楽曲は、スレイベルズ・レーベルより『Sailing to the World』としても発売中。自身のオフィシャルサイト上での通販のみの販売であったスレイベルズ・レーベルの商品は、そこでの約2年間の売上実績を買われ、2004年4月より、ソニー・ミュージックディストリビューションのメジャー流通により一般のCD店頭および各種インターネット通販にての販売が可能となる。これまでに発売した作品は6タイトル。2005年5月には初のオリジナルアルバムとなる「KiRite」(Rとeは反転文字)が、同レーベルより発売された。また『キリテ』を題材とし、2006年3月には今演劇界でもっとも注目を浴びている『劇団アンドエンドレス』の手によって舞台化された。近年、日本国内だけでなく、海外でも仕事やコンサートなど積極的に活動をしている。
加藤正人や高橋哲哉がシナリオを手がけた作品の音楽を担当することが多い。
[編集] 代表作
ゲーム作品。タイトル後の括弧内は、対応ハード、同作のサントラCDでアルバムタイトルにゲーム名を含まないもの(いずれもスレイベルズ作品)の順。また、近年では数曲のみ参加というケースも少なくない。
- クロノ・トリガー(SFC・PS)…植松伸夫(ピンチヒッター)
- ちなみに、PS版では通常エンディングの中でクレジットされていない。
- ラジカル・ドリーマーズ(SFCサテラビュー)
- FRONT MISSION SERIES GUN HAZARD(SFC)…植松伸夫・濱渦正志・仲野順也と共作
- トバルNo.1(PS)…一部作曲と、プロデュース担当
- ゼノギアス(PS)…初の全曲担当
- シャドウハーツシリーズ(PS2)…弘田佳孝らと共作
- マリオパーティ(N64)
- 爆ボンバーマン2(N64)
- クロノ・クロス(PS)
- tsugunai ~つぐない~ (PS2/an cinniuint)
- ゼノサーガ エピソードI[力への意志](PS2)
- 探偵・癸生川凌介事件譚 仮面幻影殺人事件(NDS)
- レガイア デュエルサーガ(PS2)…崎元仁と共作
- ラクガキ王国2 魔王城の戦い (PS2/箱の庭)
- ツキヨニサラバ (PS2/MOONLIT SHADOW)…東野美紀と共作。
- THE SEVENTH SEAL~ 第七封印 ~(PC/Sailing to the World)
- ぷぎゅる(アニメ)
- モンスターキングダム・ジュエルサモナー(PSP)…細江慎治・崎元仁・伊藤賢治・下村陽子・岩田匡治・増子司らと共作。
- ディープラビリンス(携帯アプリ、NDS)…加藤正人がシナリオを担当。
- ルミナスアーク(NDS)…サウンドプロデュース
- アーモダイン(PS2)
ちなみにスクウェア在籍時、クロノ・トリガーで作曲を担当する以前はFFV(飛竜の泣き声を作ったのは彼である)やロマンシング サ・ガ2や半熟英雄~あぁ、世界よ半熟なれ…!~などでサウンドプログラムや効果音を担当していたという事もあり、サウンドの分業化を一早く提案した。また、変わったものではライブ・ア・ライブで「VOICE」(声)にクレジットされている。その他、ゲームの作曲家でファンクラブを発足したのは彼が始めてで、常に新しい試みをすることでも有名。
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[編集] 関連項目
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