回帰線 (尾崎豊)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
回帰線 | ||
---|---|---|
尾崎豊 の アルバム | ||
リリース | 1985年3月21日 1991年5月15日(再発) 2001年4月25日(再々発) |
|
録音 | (Sony Music Shinanomachi Studio, Sony Music Roppongi Studio) | |
ジャンル | J-POP | |
時間 | 48分28秒 | |
レーベル | CBSソニー | |
プロデュース | 須藤晃 | |
チャート順位 | ||
|
||
売上枚数 | ||
|
||
尾崎豊 年表 | ||
十七歳の地図 (1983年) |
回帰線 (1985年) |
壊れた扉から (1985年) |
回帰線(かいきせん)は日本のミュージシャン、尾崎豊のセカンド・アルバムである。英題は『TROPIC OF GRADUATION』。
その後、1985年にスリムケースで初CD化され、1991年5月15日に通常ケースで再リリース、さらに2001年4月25日に2面紙ジャケット仕様で完全限定生産盤としてソニー・ミュージックレコーズより再発売された。
同年に発売され、ヒットしたシングル『卒業』を含む全10曲。前作に増してメッセージ性が濃くなり、ロック色も顕著になっている。また、バラードソングも充実している。
[編集] 解説
先行シングル『卒業』のヒットにより、一躍脚光を浴び始めた時期に発売され、オリコンチャートで1位を獲得し、尾崎豊の名前を全国区へと知らしめた。しかし、その反面シングル『卒業』の歌詞の一部の過激な表現により、影響を受けた若者が全国の中学校・高校などで急増し、校舎を破壊するなどの凶行に及んだため、一部の学校では尾崎豊の楽曲を全面放送禁止にするなど厳しい処置が取られた。その事により、多くの教師や親たちからは不良の象徴とされ、若者に対して悪い影響をもたらす存在として認知されてしまう。しかし、親や教師、そして社会に対して反抗心のある若者に多く支持され、また本人がテレビなどのマスコミに全く出演しなかった事が神秘性を持たせ、「10代の教祖」「若者のカリスマ」と呼ばれ、神格化されて祀り上げられていく。この事に対し、本人は戸惑いを覚えながらも過激なライブパフォーマンスで多くのファンに強い印象を残している。
また、収録されている楽曲も、「自由になりたくないかい」と強くアジテーションする1曲目『Scrambling Rock'n'Roll』や、「サラリーマンにはなりたかねえ」と歌う2曲目『BOW!』など、強く社会に反抗するメッセージ性の強い楽曲が目立つが、尾崎豊がミュージシャンとしてデビューするきっかけとなった名バラードの4曲目『ダンスホール』や、親元を離れ自立していく希望と不安を歌った7曲目『坂の下に見えたあの街に』、ミュージシャンとしての自分の存在意義を問う『シェリー』など、内省的な面にも目をむけて、等身大の自分を表現するような楽曲も印象的である。
[編集] 収録曲
- Scrambling Rock'n'Roll
(作詩・作曲:尾崎豊 / 編曲:西本明)- 渋谷のスクランブル交差点が舞台と言われている。
- Bow!
(作詩・作曲:尾崎豊 / 編曲:西本明)- 社会への懐疑心や、大人たちの堕落への反抗心を歌い上げた楽曲。作中に「午後4時の工場のサイレンが鳴る」とあるが、これは自身のアルバイト体験から描かれた部分であり、本来は勤務終了時間は一般的には午後5時になるのだが、語呂が悪くなるため午後4時とされている。
- Scrap Alley
(作詩・作曲:尾崎豊 / 編曲:町支寛二)- アマチュア時代、尾崎のバンド仲間だったレーシングドライバー、武井寛史に贈った曲である。
- ダンスホール(Dance Hall)
(作詩・作曲:尾崎豊 / 編曲:西本明)- 11thシングル『I LOVE YOU』のカップリング曲。尾崎豊がデビューするきっかけとなったソニーのオーディション時に演奏した曲である。この曲は、当時実際にあったディスコでの女子中学生殺人事件をテーマにしている。
- 卒業(Graduation)
(作詩・作曲:尾崎豊 / 編曲:西本明)- 4thシングル曲。尾崎豊の名を一躍有名にした楽曲である。
- 存在(Existence)
(作詩・作曲:尾崎豊 / 編曲:町支寛二) - 坂の下に見えたあの街に(Downslope)
(作詩・作曲:尾崎豊 / 編曲:町支寛二) - 群衆の中の猫(Cat In The Crowd)
(作詩・作曲:尾崎豊 / 編曲:町支寛二) - Teenage Blue
(作詩・作曲:尾崎豊 / 編曲:西本明) - シェリー(Shelly)
(作詩・作曲:尾崎豊 / 編曲:西本明)- 自らの脆弱な心情を吐露した楽曲であり、それが多くのファンの共感を呼び、未だに人気の高い曲である。シングル等は発売されていないものの、「ヒット曲」と括られることもしばしばである。
- ※(LP盤では6曲目の「存在」からB面)
[編集] 参加ミュージシャン
- 滝本季延(たきもと・としのぶ) - ドラム (#1~#10)
- 本田達也(ほんだ・たつや) - ベース (#1,#2,#4,#5,#9,#10)
- 江沢宏明(えざわ・ひろあき) - ベース (#3,#6~#8)
- 西本明(にしもと・あきら) - キーボード (#1,#2,#4,#5,#9,#10)
- 中西康晴(なかにし・やすはる) - ピアノ (#7,#8)
- 板倉雅一(いたくら・まさかず) - ピアノ (#3)
- 福田裕彦(ふくだ・やすひこ) - シンセサイザー (#3,#6~#8)
- 水谷公生(みずたに・きみお) - シンセサイザー (#3,#6~#8)
- 北島健二(きたじま・けんじ) - ギター (#1,#4,#5,#9)
- 町支寛二(ちょうし・かんじ) - ギター (#7,#8)、アコースティックギター (#7)
- 鳥山雄司(とりやま・ゆうじ) - ギター (#2,#10)
- 幾見雅博(いくみ・まさひろ) - ギター (#1)
- 鈴木賢司(すずき・けんじ) - ギター (#1)
- 土方隆行(ひじかた・たかゆき) - ギター (#1)
- 安田裕美(やすだ・ひろみ) - アコースティックギター (#4,#5)
- 笛吹利明(うすい・としあき) - アコースティックギター (#2,#8,#10)
- 友田ストリングス - ストリングス (#5,#10)
- 古村敏比古(ふるむら・としひこ) - サックス (#3,#6~#8)
- ダディ柴田(だでぃ・しばた) - サックス (#9)
- 齊藤ノブ(さいとう・のぶ) - パーカッション (#2,#4)
- 石井空太郎(いしい・こうたろう) - パーカッション (#3,#6~#8)
- 八木のぶお(やぎ・のぶお) - ハーモニカ (#4)
- 尾崎豊(おざき・ゆたか) - ハーモニカ (#2)
- 木戸泰弘(きど・やすひろ) - コーラス (#4,#5)
- 比山清(ひやま・きよし)- コーラス (#4,#5)
- 山川恵津子(やまかわ・えつこ) - コーラス (#4,#5)
- Rove Bard - コーラス (#3,#6)
オリコン週間LPチャート第1位 1985年4月1日付 |
||
前作: 松田聖子 『Seiko-Train』 |
尾崎豊 『回帰線』 |
次作: 吉川晃司 『INNOCENT SKY』 |
この「回帰線 (尾崎豊)」は、アルバムに関連した書きかけ項目です。加筆、訂正などして下さる協力者を求めています。(Portal:音楽 Wikipedia:ウィキプロジェクト アルバム) |