坂崎幸之助
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坂崎幸之助(さかざき こうのすけ、1954年4月15日 - )とは、バンド『THE ALFEE』のメンバーである。本名:坂崎幸二(さかざき こうじ)。血液型O型。日本屈指のアコースティックギタリストと言えるだろう。東京都墨田区出身。東京都立墨田川高等学校卒業、明治学院大学中退。
アルフィーの初期のリーダーであり、今でもトークは坂崎が中心である。ヴォーカリストでもあり、ブルースハープ・パーカッション等も担当する。
実家は墨田区の酒屋・武蔵屋坂崎商店。尚、エッセイストであり造園家・編集者でもあり日本路地・横丁学会の会長でもある坂崎重盛は叔父。ビジュアル系インディーズバンド「AILE」の元ベーシストである彩は甥。
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[編集] 経歴
THE BEATLES・吉田拓郎等をルーツとする。しかしながら国内外でコピーしたアーティストは数多く、多方面から影響を受けている。
中学一年生の時にヤマハのFG110を購入する。アコースティックギターを購入したのは家が下町の酒屋であるという体裁からであり、その当時本人はエレキギターが欲しかったようである。
中学高校時には毎日学校にギターを持って行き、休み時間になるとギターを弾いていた。都立墨田川高校ではフォークソング同好会を設立し、初代会長となる。
高校3年の4月にフォークコンテストに一人で参加。そこで後にメンバーとなる明治学院高等学校の3人グループ「コンフィデンス」と出会う。そのグループは桜井賢が所属しており後にアルフィーの母体となったグループである。坂崎はそのとき「へそ下3寸」というグループに在籍していたが、その年の夏にコンフィデンスに飛び入り参加し、そのまま一員となる。コンフィデンスとしてはシングルとLPを一枚ずつ出している。(その後、坂崎の抜けた「へそ下3寸」はTVKの「ヤングインパルス」に出演した。)
「桜井たちが進学する」という理由で明治学院大学に入学する。そこでは高見沢俊彦に出会い、フォーク嫌いだった彼をコンフィデンスに引き込む。コンフィデンスはデビューにあたってアルフィー(ALFIE)と改名し、1974年8月25日にシングルデビューする。
デビューから再デビュー後の1980年代前半まで、一部の曲目は坂崎が作詞・作曲を行っている。1979年頃~1980年代前半、まだ無名だったアルフィーの知名度を上げるために、林家三平に師事し話術を磨き、積極的にラジオ番組に出演した。当時からのTHE ALFEEのファンの中には、彼のラジオ番組が入り口となった人が多数いるようである。
1982年以降にアルフィーがロックへと傾斜するにあたってもアコースティックギターを離すことはなく、彼らバンドの独自のサウンドを作るうえで重要な要素をつくりあげた。しかし、ライブでは高見沢がアンプを何台も積み上げて爆音で演奏し、「坂崎さんはハードロックの曲のときは何をしているんですか」と言われたこともあったようだ。 ハードなハンドマイクの持ち曲も何曲かあり、いつもと違った一面を見せることもある。
アルフィーが売れない頃から所ジョージと親交が厚く、所のアルバムでのアレンジ・ギター演奏の他、映画『下落合焼とりムービー』での共演等もした。所ジョージのオールナイトニッポンのレギュラーゲストになり、後に番組パーソナリティの座を譲られた。
ラジオ専門誌のDJ人気投票では何度も一位に輝き、「KING OF DJ」を経て現在では「GOD OF DJ」と称されている。
現在もラジオのFM放送で自分の番組を持っており、NACK5のK's TRANSMISSIONとJFN系列の坂崎さんの番組という番組の2番組でアルフィーの情報や自身のライブ、自らのリスペクトするアーティストの特集など自身の関心にそった特徴ある番組づくりをしている。
K's TRANSMISSIONで放送されたイムジン河の特集をきっかけに映画監督の井筒和幸氏がこの番組を取材しパッチギ!の原案に重要な影響を与えている。作品に出てくる「坂崎」は坂崎本人と坂崎兄をモデルとした役柄になっている。
2004年に開通した九州新幹線のイメージソングを即興で作曲したりもした。2004年徳島県の吉野川遊園地に「坂崎さんのおさかなランド」がオープン、館長を務めているので、開館以来徳島を訪れることが増えている。
2007年3月23日のK's TRANSMISSIONの番組上で加藤和彦との新ユニット和幸(かずこう)の結成が発表された。2007年5月~7月にレコーディング、9月上旬にアルバムリリースが決定している。また、9月中旬には東名阪でのライブが予定されている。
[編集] 所有ギター
レコーディングにおいて使用するギターとライブにおいて使用するギターは分けられている。ピックアップのないヴィンテージギターはアルフィーのライブにおいて使用されることはなく、お台場フォーク村等のアコースティックライブとレコーディング用に限られている。音の好みはMartinが好きであると語っている。それはポール・サイモン、スティーブン・スティルス、ガロ、加藤和彦等の影響による。
エレキギターもいくつか所有しているがアルフィーの活動において弾くことは一切なく、年一回のイベント「Dear BEATLES」において新作エレキギターを披露している。 以下はレコーディング・ライブにおいて中心となってきたものである。
- Martin Dー18(1961年製)ー 1973年に購入したマーティン。初期のレコーディングではメインで使用された。
- Martin 000ー28(1951年製)ー 現在のレコーディングにおけるメインギター。オールラウンドに幅広く使われる。1954年製も所有する。
- Martin Dー45 CUSTOM ー 須貝重太から譲り受けたもの。サイズが9/10となっておりレアなギターである。
- Gibson Jー185 ー フォーク・クルセダーズのアルバム「戦争と平和」において多用。アルフィーのシングル「タンポポの詩」のEDにおいても聴くことができる。
- T’sT NO.8 ー ライブにおけるメインギター。テリー中本による制作で、最も信頼を置いて使用される。
- T’sT TJー80 - ライブ等において使用されるが、現在は女性ソロアーティストの植村花菜に貸し出されている。
- T’sT 12strings ー レコーディング・ライブ両方において使用される彼のメイン12弦ギター。
- TSKシリーズ ー テリー中本とのコラボによるブランド。Ts'T系のサウンドを踏襲している。
- VGシリーズ ー 6弦ギターからダブルネックまで幅広く揃える。生音にこだわったシンプルな音色。
[編集] 趣味
趣味の多さでも知られており、たびたび早朝に起きては朝市や露店に買出しに行くなど、自分の本業以外でもアクティブに行動している。
クラシックカメラでは田中長徳と偽ライカ同盟を結成。多数のカメラコレクションを所持する。他にも和ガラスやその他の骨董品も収集する。和ガラスのコレクションは著書にまとめられている。
ペットにも関心が深く、両生類、爬虫類、熱帯魚を多数飼っている。現在、家で飼われていた魚類・両生類は徳島のおさかなランドに移されている。 過去に売買禁止の熱帯魚を譲渡したとして書類送検されたことがあったが、これは坂崎が購入した時点では禁止種ではなく、数年後に本人も知らずに売買したという経緯のため、社会的制裁や芸能活動に支障をきたすことはなかった。 猫は家に多数飼っているが、マンションでの飼育のためか何匹飼っているのかは公言されてない。また、不幸な野良猫をなくすための運動に協力しており、里親が見つかるまで自宅で預かる事も多いようである。
[編集] フォークの伝道
日本のフォークソング(1960年代~70年代)に関する知識は随一であり、フォークソングの特集番組の司会を務めるなど、当時から活動しているフォークミュージシャンと共演し、若い層にフォークソングを広めることに一役買っている。たびたび歌っていた本人よりも曲を知っていることがある。
バラエティー番組に出演の際は必ずと言っていいほどギターを抱え、話題に登った曲をすかさず弾き、ギター界の横森良造の異名を取る。またこの際には南こうせつや吉田拓郎の物まねをする事もある。2002年にはザ・フォーク・クルセダーズ新結成時のメンバーにもなり、オリジナルメンバーの加藤和彦らから「僕らよりもフォークルをよく知っている」と驚かれたほどである。 ちなみに初めてラジオにリクエストハガキを読んでもらったのがフォークルの「花のかおりに」であり、2002年のフォークルの新結成時の1回きりのコンサートのソロコーナーでカップリングの「何のために」とともに披露している。
2002年に「朝まで生つるべ」にゲスト出演したのがきっかけで不定期で「朝まで歌つるべ」が放送されることなりこの二つの番組でレギュラー出演している。 2003年夏からは「坂崎幸之助のお台場フォーク村」が始まり、ベテラン・若手を含めて多数のミュージシャンとのステージを行っている。
小室等からは「フォーク界の介護士」と呼ばれる。なぎら健壱との「フォークジャンボリーズ」、谷村新司との「アリーズ」、南こうせつとの「クローンズ」など、セッションによってできた非公式なグループは数知れない。
[編集] 出演
[編集] テレビ番組
- フォークゲリラ坂崎幸之助商店(不定期放送中・BS-FUJI)
- フォーク・デイズ(不定期放送中・SKY PerfecTV!・フジテレビ721ch)
- 朝まで生つるべ(毎年12月30日深夜放送中・テレビ朝日)
- 朝まで歌つるべ(不定期深夜放送中・テレビ朝日)
- Music Museum(2000年4月~2001年3月・フジテレビ)
- MUSIC HAMMER(1998年4月~2000年3月・フジテレビ)
- LOVE LOVEあいしてる(1996年10月5日~2001年3月31日・フジテレビ)
- フォーク大集合(2002年・NHK-BS)
- フォークソング大全集(1994年~・NHK-BS)
[編集] ラジオ番組
- K's TRANSMISSION(1998年4月~放送中・NACK5)
- 坂崎さんの番組という番組(1996年4月~放送中・JFN系列)
- 坂崎幸之助のオールナイトニッポン(1980年4月~1981年9月、1982年4月~1983年3月、2004年3月31日~9月22日・ニッポン放送)
- Midnight Rock City -Friday Special-(1996年4月~1998年3月・NACK5)
- UPTOWN SQUARE(1996年1月~1996年3月・NACK5)
- スーパーフライデーナイト・オープンG(1994年4月~1995年3月・TOKYO FM)
- スーパーFMマガジンNORU SORU(1989年4月~1994年3月・TOKYO FM)
[編集] イベント
- 坂崎幸之助のお台場フォーク村(2003年~・studio DREAM MAKER)
- ともえちゃんフォークジャンボリー 坂崎幸之助商店(2002年~・お台場フジテレビ周辺)
- Dear BEATLES(府中の森芸術劇場)
[編集] 著書
[編集] 単行本
- 『ネコロジー』音楽専科社 ISBN 4872790812
- 『和ガラスに抱かれて—坂崎幸之助のガラス・コレクション 』平凡社 ISBN 4582633919
- 『坂崎幸之助のJ—POPスクール』岩波アクティブ新書 ISBN 4007000603
[編集] 写真集
- 『フォクトレンダー・ストリートスナップ2000』(田中長徳と共著)アルファベータ ISBN 4871984788
- 『ニューヨークスナップ』アルファベータ ISBN 4871984710
[編集] 雑誌連載
- 「THE ALFEE 坂崎幸之助のアコースティックギターカフェ」『Go!Go! GUITAR』ヤマハミュージックメディア
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- THE ALFEEオフィシャルサイト
- OFFICIAL FANCLUB "ALFEE MANIA"
- THE ALFEE - TOSHIBA EMI
- 実家:武蔵屋坂崎商店
- 坂崎さんのおさかなランド
- 坂崎さんのおさかなランドのおさかなブログ
- 坂崎幸之助のお台場フォーク村
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