増沢由貴子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
増沢 由貴子(ますざわ ゆきこ、旧姓 牧原(まきはら)、1978年2月3日 - )は日本中央競馬会(JRA)の騎手。東京都生まれ。美浦・増沢末夫厩舎所属。競馬ファンの愛称は「まっきぃ」。
[編集] 略歴
1996年、細江純子・田村真来とともにJRA初の女性騎手としてデビューした。いわゆる「競馬学校花の12期生」の一人で、競馬学校の同期にはGI勝利騎手の福永祐一や和田竜二などがいる。競馬学校卒業時には最も優秀な卒業生としてアイルランド大使特別賞を獲得するなど、騎乗技術は高かった。女性らしく馬へのあたりがいいとも言われている。
初騎乗は1996年3月2日、中山競馬第1競走のダイワアサヒで、16頭立ての4着だった。初勝利は同年3月17日、中山競馬第5競走で、アラビアンナイトに騎乗してのものであった。デビューした年は9勝。そして1997年も騎乗馬は少ないながら11勝と勝ち鞍は稼ぎ、JRAのCMで本木雅弘、鶴田真由と共演するなど、実績、人気ともに存在感を見せた。しかし1998年に落馬で負傷。そして1年半近く休養に入り、2000年に復帰する。だが、若手騎手としての減量特典が無くなって以降騎乗回数は大幅に減少、騎乗機会も所属する増沢厩舎所属馬を中心に騎乗することが多くなり、現役の騎手ではあるものの、どちらかと言うと、追い切りや馬の世話など調教助手的な役割りが多くなった。
2006年2月14日に増沢末夫の長男で調教助手の増沢真樹と結婚。この年は年始から1回も騎乗していないことから、結婚を機に一線を退くものと思われたが、しばらくは現役を続行すると宣言。同年3月1日から登録名が増沢由貴子に変更となった。
一時は最大で5人いたJRA所属の女性騎手は、現在増沢と2000年にデビューした西原玲奈の2人のみである。2005年終了時で、通算勝利数は34勝。
[編集] 競馬ファンの評判
競馬ファンの間ではアイドル的人気を誇るが、騎乗数が相当少ないため、競馬ファンとの交流イベント以外の場で公に姿を見せることはあまり多くない。今となってはレースで騎乗している姿も貴重である(増沢厩舎所属馬の追い切りに騎乗している映像はしばしば見られる)。また、雑誌の取材などもあまり無く、トークも得意ではないためイベント等に出演してもほとんどしゃべらない事が多い。そのため、明確な素顔が分からなかったり、声を聞いたことがないというファンもいる。しかしながら増沢は競馬ファンを大切にしている一面があるので、男性・女性を問わず、若年層の競馬ファンからの評判は相当に高い。
2002年に東京競馬場で行われたダイワテキサスの引退式では、53戦中4戦の騎乗にもかかわらず同馬に騎乗しラストランを披露した。この引退式は通常GI級の競走の勝利がない馬であること、主戦騎手不在で調教をこなした騎手が主戦騎手として登場したことなど異例づくしの引退式であった。