大阪電気軌道デボ61形電車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
大阪電気軌道デボ61形電車(おおさかでんききどうデボ61がたでんしゃ)は、近畿日本鉄道(近鉄)の前身にあたる大阪電気軌道(大軌)が1922年から1923年に製造した車両である。61~102の全42両が製造された。
木造車でデボ1形より車体長は長く、主電動機も105馬力の物を4機搭載。製造は川崎造船所、日本車輌製造、藤永田造船所。88~102は通風器が側面3個から5個に増え、換気能力の向上が図られた。
1929年に73~77が電装解除され、制御車クボ30形30~34となった。1933年に78~81・88・89が鋼体化改造され、デボ307~312となった。また1935年には90~96が同じく鋼体化改造され、デボ103~109となっている。いずれも製造後わずか十数年程度での鋼体化であるが、78・79の車体は電動貨車デワボ1800・1801に、80・81・88・89の車体は新形式デボ150形に、91・92の車体は同じくデボ400形に再利用されている。90・93~96の車体は博多湾鉄道汽船(現・西鉄貝塚線)に譲渡された。1936年に63・67が事故により廃車。1937年には61・62・64・65が番号はそのままで手荷物合造車(デボニ61形)に改造される。1942年の称号改正で番号はそのまま、記号をデボ→モ、デボニ→モニ、クボ→クに変更。戦後の1949年、87・97~102が鋼体化され、600系となった。
残った車両は1950年の称号形式整理の時に改番され、モ61形・モニ61形はモ260形・モニ260形(モニ261~264・モ265~275)に、ク30形はク100形(ク101~105)になった。しかし、1955年から1956年にかけてすべて鋼体化改造を施され、460系(モ460形・サ300形)となる。それらも、1969年9月21日の架線電圧の昇圧時にすべて廃車された。
カテゴリ: 鉄道車両 | 近畿日本鉄道 | 鉄道関連のスタブ項目