就職率
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就職率(しゅうしょくりつ)とは、就職に至った割合を表す数値である。
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[編集] 数字の意味
[編集] 就職(内定)率
- 計算式=就職決定者数÷就職希望者数
就職を希望している人の内、どれだけの人数が就職したか(又は、内定をもらえたか)という割合。大学や専門学校などがパンフレット等の対外資料に就職率を載せている場合、こちらの数字の場合がある。
就職を希望していたが、内定をもらえなかった学生を分母に含めるか、含めないかで大きく就職率は変わる。就職活動をしたが、内定をもらえず就職の意思を失うケースである。失業率の計算でも同じ事が言える。
一般企業と比べて、教員の採用内定時期が遅い事と、近年臨時採用を経た後、新規採用する都道府県が増えているため、 教育学部の就職(内定)率は低めである。
個人情報保護法の影響で、有名企業から内定をもらった場合でも大学に報告をしない学生も増え続けており(特に大学の助けを借りずに内定を取った意識の強い学生)、就職(内定)率がどこまで信用していい数字かどうかという問題がある。
あくまで就職を希望した人数に占める就職決定者の割合であり、例えば進学、留学、卒業後フリーター、ニートといった人の数が母数に反映されていないため、注意する必要がある。又、複数の就職先から内定をもらったケースをそのまま単純合算し、就職率が100%を越える、と喧伝する学校もある。
公的統計では、大学等卒業予定者の就職状況調査(文部科学省)がある。
[編集] 就職率
- 計算式=就職決定者数÷卒業者
学校の卒業者のうち、どれだけの人数が就職したかという割合。就職(内定)率よりも母数が多く、実態に即しているとは言えるが、分子はあくまで就職したかしないかであり、希望した職種に就けたかどうかではない。
保護者としては、大学に4年間通わせた後、自己収入を得られるようになるか、判断できる率である。国立大学の場合、私立大学より進学率が通常高いので、就職率は低くなる。
又、式の都合上、就職決定者数が同じであっても卒業者数が多ければ率は下がり、少なければ率は上がるため、率だけでなく卒業者数自体の増減についても留意する必要がある。
公的統計では、学校基本調査(文部科学省)がある。
[編集] 推移
[編集] 中学校、高校卒業後の就職率
かつては労働の担い手と期待され、集団就職といった現象も見られたが、進学率の上昇や、就職者の高学歴化による需要の減少などから値は低くなっている。
戦後のピークは、中学校は1952年47.5%、高校は1961年の64%。2004年は中学校0.7%(男1.0% 女0.4%)、高校16.9%(男19.1% 女14.7%)となっている。
職種は、以前は事務職や販売職といったホワイトカラーもあったが、今は技能工であるブルーカラーが大半となっている。又、中卒・高卒者は離職率が高い。
関東、近畿、四国は低く、東北、九州が高い傾向にある。2004年時点で一番高いのは宮崎(31.3%)。一番低いのは東京(6.8%)。
[編集] 短期大学卒業後の就職率
高校や大学と違い、男性よりも女性の方が就職率が高い。看護、保育などの専門性及び女性の就職率の高さからバブル経済時には90%近かったものの、バブル崩壊後は急速に低下した。
戦後のピークは、1990年、1991年の87%。2004年は61.6%(男47.7% 女63.2%)となっているが、学科によって大きく進学率は変わる。
[編集] 大学卒業後の就職率
バブル経済時には80%を越えたが、2004年は55.8%(男53.1%、女59.7%)。以前は男性の方が就職率は高かったが、2000年以降は女性の方が高くなっており、地域によっては10%以上の差がある。
又、卒業生の約2割は、就職も進学もしていない。その理由は、資格取得等の目的がある者の反面、ニートと化している者が増えているとされる。
以上、値は学校基本調査(文部科学省)より。