張碓駅
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張碓駅(はりうすえき)は北海道小樽市張碓町にあった北海道旅客鉄道(JR北海道)函館本線の廃駅である。駅舎の位置は北緯43度9分44秒、東経141度6分31秒であった。
臨時駅となっていたが1998年(平成10年)から通年休止となり、駅としては全く機能していなかった。それからしばらくは撤去費用の問題等により停車する列車のないまま駅は残されていたが、「秘境駅」ブームで駅舎を訪問する者が無断で私有地に侵入したり、禁止されている線路侵入を引き起こすなど保安上の問題が生じたこともあり、2006年(平成18年)3月18日に正式に廃駅となった。
全国でも有数の「秘境駅」であったため、廃止を惜しむ声も多くなっている。
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[編集] 廃止時の駅構造
相対式ホーム2面2線を持つ地上駅であった。跨線橋は設置されておらず、臨時駅となった当時には既に駅舎・便所・油燈室小屋・物品庫は、閉鎖されていた。国鉄時代は中線があったが、国鉄末期の合理化で撤去されていた。
ホームはかさ上げされておらず、幅が2メートルもないため通過列車に注意する必要があった。駅構内だった敷地には「義経隧道碑」と「第一号機関車義経号の鈴」が残されている。
[編集] 駅周辺
北北東方向に石狩湾を臨む位置にあった。
周辺の海岸はかつて海水浴場(とはいえ砂浜ではなく、石ころが転がるだけの浜である)となっていて、古くは札幌~張碓間を往復する海水浴客向けの臨時列車も運転されていた。しかし海水浴場が遊泳禁止となってからは停車する列車もなくなり、廃止当時利用可能な施設は一切なくなっていた。
駅に通じる道は朝里方の私有地しかなく、夏季でもかろうじて乗用車1台が通行可の砂利道(通常はゲート前で、封鎖)があるのみであった。また冬季は完全に雪に埋もれてしまうことから、駅へ到達することは困難を極めた。
仮に駅までたどり着いたとしても、跨線橋がないため海岸側のホームに上るためには線路を横断しなければならなかったが、駅がトンネルのすぐそばにあるため特に下り(小樽→札幌方面)列車からの見通しが悪いこと、また道内有数の幹線区間であり快速列車や普通列車が頻繁に運転されていること、これらの列車は全て高速で駅を通過していくことなどから極めて危険であった。過去には張碓市街下の海岸にある恵比須岩前の線路を渡ろうとした人が、列車に轢かれて死亡するという事故が発生していた。
駅のあった場所から南200mの高台を国道5号が、さらに50m南を札樽自動車道が走っている。張碓の集落は銭函駅方向に2kmほど進んだ位置にある。
[編集] 歴史
- 1905年(明治38年)10月8日 - 北海道炭礦鉄道銭函~朝里間の駅として新設開業。
- 1906年(明治39年)10月1日 - 北海道炭礦鉄道の国有化により官設鉄道の駅となる。
- 1969年(昭和44年)10月1日 - 貨物扱い廃止。
- 1978年(昭和53年)10月2日 - 無人駅となる。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化によりJR北海道の駅となる。
- 1990年(平成2年)9月1日 - 臨時駅となる。(営業期間 7月1日~8月31日)
- 1998年(平成10年)7月1日 - 通年休止となる。
- 2006年(平成18年)3月18日 - 廃止。
- 2006年(平成18年)7月下旬 - 朝里方の私有地から重機を投入し、設備撤去工事が開始された。
[編集] 隣の駅
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 平成18年3月のダイヤ改正について(PDF、JR北海道)