秘境駅
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
![]() |
この項目または節は主として日本国内のものを扱った記述になっており、世界的な観点からの説明がされていません。この項目を日本中心にならないように加筆、訂正 するか、この項目のノートでこの問題について議論をしてください。 |
秘境駅(ひきょうえき)は、山奥や原野など、人里から離れた箇所に所在する過疎地の鉄道駅を指した鉄道ファンによる呼称。
目次 |
[編集] 概要
こうした駅は鉄道路線と集落までの間に距離がある、登山などの目的の人が利用するのみである、昔は集落があったが消滅したなどの理由によって、人家のほとんどない地帯に存在する。日常的に利用する人がほとんどおらず、また列車の停車本数が少ないケースも多いが、一部の鉄道ファンには人気がある。日常的に利用する人がいないことから、昨今では駅や場合によっては路線自体が廃止される事が多く、このような秘境駅は減少傾向にある。
鉄道ファンの牛山隆信が自身のサイトで紹介したものが、2001年に小学館文庫から出版されるにおよび、こうした秘境駅訪問が一般に知られるようになった。2004年には、それを元にした番組がスカイパーフェクTVの旅チャンネルで制作されている。また、その牛山隆信とも交流のある横見浩彦が登場する漫画の『鉄子の旅』でも、いくつか秘境駅といえる駅が紹介されることがある。
牛山のサイトや著書によって秘境駅訪問を行う者が増えたが、中には踏切以外での線路横断やトンネル内の通行などの危険行為や、私有地の無許可通行や駅舎への落書きなどマナー違反も少なくないようである。「秘境駅」を多く抱える北海道旅客鉄道が、通年休止中だった張碓駅を廃止した原因の一つに、秘境駅訪問により生じる保安上の問題があるともされる(走行中の列車との接触による死傷事故が数度発生している)。[要出典]
また、秘境駅とはいえ、僅かながら定期的に利用者がいる駅もある。その人たちにとっては、駅は生活に重要な「日常」の存在であり、「秘境」「何もない」と強調することで、不快に感じられることもある。
JR東日本では、特に秘境駅が多い山田線、岩泉線で「秘境駅号」が運行されている。岩泉行きは岩泉線各駅停車だが、盛岡行きは岩泉線の駅はすべて通過する。
[編集] 一般的な条件
秘境駅の条件として挙げられるのは以下の5つである(ただし、すべての秘境駅がすべての条件を満たしているわけではない)。
- 無人駅
- 利用客僅少:駅自体の利用客数が限りなく0に近いこと。一般的にほとんどの秘境駅はこの条件に当てはまる。
- 周辺人口僅少:上の「利用客僅少」と少々重複になるが、周辺の人口が過疎化などによりほとんどないこと。
- 列車による到達困難度が高い(または「内的利用難」):列車の停車本数がごくわずかで、列車での到達が難しいこと。この場合自力到達困難度も高い場合が一般的であるが、そうでない場合もある。
- 自力到達困難度が高い(または「外的利用難」):位置している場所があまりにもわかりにくいところ、近づくのが非常に危険なところ、車道から極端に離れているところ、または僻地・辺鄙なところであるため、列車以外の方法(自動車や徒歩など)でも到達が非常に難しいこと。
これ以外にも秘境駅の条件とされるものは存在するが、趣味者の主観で決められるので、必ずしも客観的な指針ではない。
[編集] 主な秘境駅
[編集] 北海道
- 小幌駅(室蘭本線)
- 北豊津駅(函館本線)
- 蕨岱駅(函館本線)
- 北剣淵駅(宗谷本線)
- 豊清水駅(宗谷本線)
- 糠南駅(宗谷本線)
- 上白滝駅(石北本線)
- 旧白滝駅(石北本線)
- 下白滝駅(石北本線)
- 生野駅(石北本線)
- 西女満別駅(石北本線)
- 大狩部駅(日高本線)
- 羽帯駅(根室本線)
- 稲士別駅(根室本線)
- 尺別駅(根室本線)
- 古瀬駅(根室本線)
- 初田牛駅(根室本線)
- 昆布盛駅(根室本線)
- 豊ヶ岡駅(札沼線)
- 神明駅(江差線)
[編集] 東北
[編集] 東北北部
[編集] 東北南部
- 女鹿駅(羽越本線)
- 田子倉駅(只見線)
- 早戸駅(只見線)
- 郷戸駅(只見線)
- あぶくま駅(阿武隈急行)
- 西仙台ハイランド駅(仙山線)
- 八ツ森駅(仙山線)
- 奥新川駅(仙山線)
- 面白山高原駅(仙山線)
- 赤岩駅(奥羽本線)
- 大滝駅(奥羽本線)
[編集] 関東
[編集] 中部
[編集] 東海地方
- 小和田駅(飯田線)
- 定光寺駅(中央本線)
- 古虎渓駅(中央本線)
- 池の浦シーサイド駅(参宮線)
- 尾盛駅(大井川鐵道井川線)
- 土本駅(大井川鐵道井川線)
- 奥大井湖上駅(大井川鐵道井川線)
- アプトいちしろ駅(大井川鐵道井川線)
- 閑蔵駅(大井川鐵道井川線)
- 波田須駅(紀勢本線)
- 西青山駅(近畿日本鉄道大阪線)
[編集] 甲信越地方
[編集] 北陸地方
- 南今庄駅(北陸本線)
[編集] 近畿
- 保津峡駅(山陰本線)
- 餘部駅(山陰本線)
- 居組駅(山陰本線)
- 武田尾駅(福知山線)
- 辛皮駅(北近畿タンゴ鉄道宮福線)
- 梅屋敷駅(生駒鋼索線[山上線])
- 霞ヶ丘駅(生駒鋼索線[山上線])
- 紀伊細川駅(南海高野線)
- 紀伊神谷駅(南海高野線)
- 極楽橋駅(南海高野線);高野線の終着駅で鋼索線との乗換駅でもある重要な駅だが、駅の外には何も無い。
[編集] 中国
[編集] 四国
[編集] 九州
- 大畑駅(肥薩線)
- 矢岳駅(肥薩線)
- 真幸駅(肥薩線)
- 嘉例川駅(肥薩線)
- 表木山駅(肥薩線)
- 海路駅(肥薩線)
- 那良口駅(肥薩線)
- 宗太郎駅(日豊本線)
- 東都農駅(日豊本線)
- 青井岳駅(日豊本線)
- 福島高松駅(日南線)
- 西大山駅(指宿枕崎線)
- 薩摩塩屋駅(指宿枕崎線)
- 影待駅(高千穂鉄道高千穂線)
- 深角駅(高千穂鉄道高千穂線)
[編集] 廃止された秘境駅
- 芦川駅 (北海道旅客鉄道宗谷本線)
- 南下沼駅(北海道旅客鉄道宗谷本線)
- 上雄信内駅 (北海道旅客鉄道宗谷本線)
- 下中川駅 (北海道旅客鉄道宗谷本線)
- 智東駅(北海道旅客鉄道宗谷本線)
- 上越駅(北海道旅客鉄道石北本線)→ 信号場へ格下
- 天幕駅(北海道旅客鉄道石北本線)
- 中越駅(北海道旅客鉄道石北本線)→ 信号場へ格下
- 奥白滝駅(北海道旅客鉄道石北本線)→ 信号場へ格下
- 新栄野駅(北海道旅客鉄道石北本線)
- 楓駅 (北海道旅客鉄道石勝線)→ 信号場へ格下
- 張碓駅(北海道旅客鉄道函館本線)
- 旭浜駅(北海道旅客鉄道室蘭本線)
- 東幌糠駅(北海道旅客鉄道留萌本線)
- 豊住駅(北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線)
- 川上駅(北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線)
- 分線駅(北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線)
- 薫別駅(北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線)
- 笹森駅(北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線)
- 塩幌駅(北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線)
- 西一線駅(北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線)
- 様舞駅(北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線)
- 樺山駅 (下北交通大畑線)
- 鹿波駅(のと鉄道能登線)
- 白丸駅(のと鉄道能登線)
- 菊水山駅(神戸電鉄有馬線)→ 営業休止(事実上廃止)
- 新有馬駅(神戸電鉄有馬線)→ 営業休止(事実上廃止)
- 上崎駅(高千穂鉄道高千穂線)
- 亀ヶ崎駅(高千穂鉄道高千穂線)
[編集] かつて秘境駅とされた駅
- 安中榛名駅(東日本旅客鉄道北陸新幹線【長野新幹線】)
- 現在では駅前の住宅開発が進んだが、駅ができてからしばらくは駅前に見える建造物がほとんど無かった。ただし、開業時にアクセス道路は整備されていた為、自動車によるアクセスはさほど困難ではなかった。
- 新疋田駅(西日本旅客鉄道北陸本線)
- 国道に近く、車での乗り入れも比較的容易。また、新快速乗り入れに伴い、駅舎を改築した(中には鉄道写真を飾るギャラリーや多目的トイレ、待合スペースを設置。同時にパークアンドライド用の駐車場も整備)。
- 七光台駅(東武鉄道野田線)
- 現在は駅周辺で大規模な宅地造成が行われているが、宅地造成が行われる前は雑木林や荒地が目立ち、駅前に見える建造物がほとんど無かった。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
[編集] 参考文献
- 秘境駅へ行こう!(牛山隆信 著、小学館文庫刊 ISBN 4094114114)
- もっと秘境駅へ行こう!(牛山隆信 著、小学館文庫刊 ISBN 4094114122)
カテゴリ: 日本中心の項目 | 出典を必要とする記事 | 鉄道関連のスタブ項目 | 鉄道駅 | 鉄道と文化