悲劇的序曲
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悲劇的序曲（ひげきてきじょきょく - 独：Tragische Ouvertüre）は演奏会用序曲として1880年にヨハネス・ブラームスによって作曲された管弦楽のための楽曲である。
[編集] 構成
Allegro ma non troppo - Molto più moderato - Tempo primo ma tranquillo
ニ短調。2/2拍子のソナタ形式。劇的な第1主題部分と優しい第2主題、そして両主題を繋ぐ祈るような推移主題（1回目の提示はブラームスがこの手の主題を好んで割り当てたトロンボーンが奏する）と、第1主題と同様に激しい結尾主題と、4つの主要な主題がある。展開部の処理はやや自由で、第1主題の再現→展開部→推移主題の変形→第2主題再現と言う形式をとっている。
なおその楽想や動機・構成に、3年後に発表される交響曲第3番との共通性が指摘されることもある。
[編集] 作曲の背景
1879年にブラームスはブレスラウ大学の哲学科から名誉博士号を与えられ、翌1880年の夏、感謝の印にと『大学祝典序曲』を保養地バート・イシュルで書き進めていた。この際、彼はこの陽気な「笑う序曲」（ブラームス談）と対になる「泣く序曲」を書こうと考え、同時にこの『悲劇的序曲』も作曲した。同年の9月にクララ・シューマンとの連弾で両曲を披露しているため、8月中にはどちらも作曲を終えていたものと推測されている。
その題名及び劇的な構成から、交響詩のように何らかの題材となったものがあるのかとも感じさせるが、ブラームス自身は「何らかの悲劇を題材として想定したものではない」とそれを否定している。なおブラームスが遺したスケッチや草稿の研究では、作曲の10年以上前になる1860年代の末には、既にこの曲のスケッチが出現していることがわかっている。
[編集] 楽器編成
ピッコロ1、フルート2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン4、トランペット2、トロンボーン3、チューバ1、ティンパニ1対、弦五部（第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス）
