日曜喫茶室
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日曜喫茶室(にちようきっさしつ)は、NHKFMラジオ放送のトーク番組で、毎週日曜日12:15~14:00に放送されている。(2006年3月まではラジオ第2放送NHKラジオライブラリー=金曜日でも過去に放送された番組を再構成して放送されていた。)放送開始は1977年4月3日で、30年以上続く長寿番組。
[編集] 番組概要
番組はNHKラジオスタジオに設えた喫茶店を舞台に、マスター(総合司会)のはかま満緒(放送作家)と各界を代表する著名人が毎回ゲストとして来店する。2~3名程度(うち1名は「ご常連」)が、毎回季節の話題や最近の流行などのトークをコーヒーを飲み交わしながら展開する。番組テーマ曲は「Save your kisses for me」
2006年9月現在の常連客は、画家の安野光雅、元・朝日新聞編集長の轡田隆史、元・東大教授、ドイツ文学者の池内紀、慶応大学教授の荻野アンナの4名。(荻野アンナが常連客としては最も新しく、2004年6月6日より参加。)これら常連客の誰か1名、それにウェイトレス役の小泉裕美子がゲストとの会話に参加する。
[編集] 番組構成
番組の構成自体は至ってシンプルで、まずマスターはかま満緒と、常連客との会話から始まり(その日のテーマについてのざっくばらんな雑談が多い)、それが5分間ほど続いた後、本日の常連客のお薦めの1曲が流れる。次いで、最初のゲストが登場。ゲスト、マスター、常連客、ウェイトレスの会話が約30分ほど続いた後、最初のゲストのお薦めの1曲が流れる。それが終わると、次のゲスト登場。2番目のゲストとの会話が30分ほど続いた後、2番目のゲストのお薦め曲が流れる。それが終わると、1番目、2番目のゲストを含めて全員でのトークが始まり、やはり30分ほど続く。その後、また1曲音楽が流れ、残り15分ほどでマスターが本日のテーマについてのまとめに入る。この構成は、放送開始以来30年、殆ど変わっていない。
このようなシンプルな作りの番組であるのに、多くの聴取者を引きつけるのは、ひとえにマスターはかま満緒の人柄、人間に対する興味、旺盛な好奇心によるもので、またそれを助ける常連客の発言が、マスターとの間でうまく噛み合って番組が進行してゆくことにある。例えば、常連客の安野光雅は、ちょうど漫才のボケ、ツッコミのボケの役割を果たし(マスターはかま満緒がツッコミの役目を果たす)、横町の御隠居的な一言居士の轡田隆史、物静かな知識人の池内紀、ダジャレでその場を盛り上げたり、しらけさせるのが名人の荻野アンナと、それぞれが個性を発揮している。
[編集] 番組のファン
文化人、政治家、経済人、大学教授など所謂知識人にファンが多く、他の番組には出演しないのに、この番組には出演したという著名人も多い。
この数年間に出演した有名人としては、黒柳徹子、日野原重明、三浦敬三、美輪明宏、宮川泰、堀江謙一、斉藤茂太、松本零士、宍戸錠、野口健、国松孝次、永六輔、小沢昭一、桂米朝、藤本義一、弘兼憲史、冨田勲、姫神、中島誠之助、吉村作治、山下洋輔、谷川俊太郎、大山のぶ代、きたやまおさむ(北山修)、島田洋七、宮城まり子、北方謙三、井沢元彦、萩本欽一、市川森一、柳家小三治、桂文珍、江川紹子、上野千鶴子、横尾忠則などがいる。過去には、北野武、金田一春彦、北杜夫、松本清張なども出演した。 しかし、このような有名人の他に、無名ながら一芸に秀でた人、長年一つの道に打ち込んできた市井の人(池内紀によると、「二番手を走り、トップになる実力があり周囲もやきもきしているのに、好きな事に打ち込むことに一生懸命で、二番手であることを気にしない人」)にスポットライトをあてるのも、この番組の特徴である。
初回から欠かさず全ての放送を30年間録音し続けている熱烈なファンも、全国に数名いるとのことである。