弘兼憲史
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弘兼 憲史(ひろかね けんし、1947年(昭和22年)9月9日 - )は。山口県岩国市出身の漫画家。早稲田大学法学部卒業で専攻は青年漫画。妻は、元アシスタントで漫画家の柴門ふみ。口髭を生やした風貌が特徴的。随想も数多く書いている。
現代社会に生きる様々な大人達の生活や葛藤をテーマとしたマンガを描く。代表作の『島耕作』シリーズは団塊の世代への熱烈な応援歌とのスタンスで描いているとされている。作品では頻繁にベッドシーンが描かれる。コンセプトは「美しく、色っぽく、尚且つ汚くならずに上品に描く」。
選考委員を務めた2001年の第25回講談社漫画賞では、少年部門受賞作『ラブひな』を「実に面白く、素晴らしい。非常に優れた漫画である」と激賞した。この他にも選考委員長として、1989年に青木雄二の『50億円の契約手形』をアフタヌーン四季賞に選考するなどした。後述でもあるが、松下に就職していたというサラリーマンとしての経歴があり、課長島耕作を描く際のベースになっている。社会経験がある漫画家は当時はまだ少なく、その先駆けとなった人物でもあった。弘兼が社会経験を重ね、苦節の末に中年で漫画家としてデビューした青木雄二を選考したのは、決して偶然ではないであろう。
『島』の主人公・島や、『ハロー張りネズミ』の主人公・七瀬五郎を筆頭として、作品では山口県出身者が多く登場する。地元の岩国市では、「島耕作バス」が走っている。
広島カープファン。
目次 |
[編集] 来歴
小学生の時に手塚治虫のファンになり、漫画家を志す。大学では漫画研究会に所属した。他の大学の漫研との連合では、かわぐちかいじや西岸良平らと知り合った。
1970年に大阪府門真市の松下電器産業に入社し、広告宣伝部に勤務。1973年に退職する。1974年に『ビッグコミック』に『風薫る』を発表してデビュー。
1980年に開始した矢島正雄原作の『人間交差点』(ヒューマン・スクランブル)で、その存在を認められる。様々な人間達のドラマを描いたこの短編集は、高く評価された。
1983年に『課長島耕作』の連載を開始する。サラリーマン・島の活躍と色恋を描いた怒涛の大河ロマン『島耕作』シリーズのエピソード1である。これ以降、同シリーズは延々と続き、弘兼の代表作となる。
1991年に『加治隆介の議』を連載開始した。サラリーマンの加治隆介が国会議員になり、遂に内閣総理大臣になると言う政治漫画である。2000年4月に、同作を支持する前原誠司、石原伸晃、石破茂、山本一太、渡辺喜美等によって、テレビドラマ化させるための超党派の議員連盟(「カジ派」)が結成された。しかし、この計画は頓挫した。
1995年に連載を開始した『黄昏流星群』は、人生に疲れた様々な中年、高年の男女を描いた連作短編の恋愛漫画である。「従来の恋愛漫画は若い男女の話しか描かなかった。中高年の恋愛を決して蔑ろにしてはいけない」と言う強い意識の元で描かれた。中高年のセックスと言う、それまでほぼ無視されて来た重いテーマに取り組んだ。
松下政経塾講師団に名を連ねる。政治的発言も多く、スタンスは反共、親米保守。改憲も「やむなし」としている。就職・労働問題についても「学生や従業員は贅沢で甘ったれている」と手厳しく非難。ベトナム戦争などにも「アメリカがベトナムに自由をもたらすために行なった」と参位を示している。「島耕作」「加治隆介の議」などの作品にもその論調が垣間見える。一方革マル派での活動歴もあり、左翼の中でも新左翼や全共闘に関してだけは好意的。政治家を養成する組織・団体として、松下政経塾と青年会議所を強く推している。
2006年から対談本『本日の雑談』シリーズの西部邁(反米保守)の話し相手を務める(初代は小林よしのり)。
2007年4月、内閣官房「美しい国づくり」プロジェクト・企画会議委員に選ばれる。
[編集] 学歴
[編集] 受賞歴
- 1985年 - 『人間交差点』で第30回小学館漫画賞一般向け部門。
- 1991年 - 『課長島耕作』で第15回講談社漫画賞一般部門。
- 2000年 - 『黄昏流星群』で第4回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞。
- 2003年 - 『黄昏流星群』で第32回日本漫画家協会賞大賞。
[編集] 主要作品
[編集] 漫画作品以外の著書
- 『島耕作に学ぶ大人の「男」になる85ヵ条』
- 『島耕作に問う好かれる「男」になる80ヵ条』
- 『島耕作に聞くタフな「男」になる80ヵ条』
- 『島耕作に読む「底力」を発揮する男の人生哲学』
- 『島耕作に知る「いい人」をやめる男の成功哲学』
[編集] アシスタント
[編集] 関連項目
- 漫画原稿を守る会 - 2002年に破産宣告を受けたさくら出版に保管されていた初期作品の漫画原稿2000枚余の原稿を無断で漫画古書店に売却され、2003年に漫画家有志と漫画原稿を守る会を設立、代表となる。自らの原稿の無償返還を求めていた訴訟は同年12月19日、古書店側が無償返還に応じることで和解した。
[編集] メディア出演
[編集] テレビ
[編集] ラジオ
- くにまるワイド ごぜんさま~(文化放送)※火曜日コメンテーター
- Docomo 団塊倶楽部(文化放送)※月1回放送