東京総合車両センター
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東京総合車両センター(とうきょうそうごうしゃりょうセンター)は、東京都品川区にある東日本旅客鉄道(JR東日本)の車両基地・車両工場である。同社東京支社の管轄。
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[編集] 概要
[編集] 旧大井工場
[編集] 概要
国鉄時代から、東京地区の電車の検修・改造などを行っている。
構内には御料車庫があり、歴代の御料車が保管(名目上の配置は尾久車両センター)されている。また、国鉄電車のエポックとなった101系の試作車(クモハ101-902)や、初期の木造省電ナデ6141が保存されているなど、歴史的な記念物も多い。
[編集] 沿革
- 1871年 - 「新橋工場」として新橋に開設。
- 1914年 - 電車の新造・修繕を開始。
- 1915年 - 新橋から現在地に移転、大井工場と名称を変更。
- 2004年6月1日 - 山手電車区と合併し「東京総合車両センター」に改称、旧大井工場側は「西エリア」と呼ばれている。
[編集] 旧山手電車区
[編集] 概要
(運転系統としての)山手線で使用されるすべての電車及び試験車・事業用車が配置され、日夜定期検査や臨時修繕などが行われている。
地理的には旧大井工場の東側に位置し、東側は東海道本線に、南側は東急大井町線に隣接している。大崎駅から大井町駅付近までの引き込み線により連絡されている。
[編集] 沿革
- 1909年 - 「新宿電車庫品川派出所」として品川駅構内に開設
- 1910年 - 品川電車庫が開設
- 1936年 - 品川電車庫、品川電車区(しながわでんしゃく)と名称変更。
- 1964年 - 大崎電車区として現在地にて着工。
- 1967年4月3日 - 現在地に移転。「東洋随一」と謳われた二階建て電車基地が完成する。一部で使用開始。
- 1968年10月 - 全面使用開始。
- 1985年11月1日 - 運転士などの運転部門を品川運転区へ分離し、山手電車区と名称変更。
- 1986年3月3日 - 池袋電車区より車両が転入。
- 2004年6月1日 - 大井工場と合併し「東京総合車両センター」に改称、旧山手電車区側は「東エリア」と呼ばれている。
[編集] 所属車両の車体に記される略号
「東トウ」・・・東京支社を意味する「東」と、東京を意味する「トウ」から構成される。
[編集] 所属表示の変遷
南シナ→南ヤテ→東ヤテ→東トウ(2004年5月まで「東ヤテ」)
[編集] 所属車両
以下は2006年4月1日現在の所属車両である。
- 電車
- E231系電車
- 500番台11両編成52本(トウ501~552編成)が所属している。
- 山手線で運用されている。定期運用数は50本(550両)である。205系に比べ6扉車が1編成あたり2両に増加した(10号車に加えて7号車にも連結)。また、各ドアの上部には、VIS(ヴィジュアル・インフォメーション・システム)と呼ばれる液晶モニター(LCD)が2台設置されており、右側には次駅案内や乗り換え案内、所要時間、JR東日本管内の運行情報などを、左側にはトレインチャンネルとしてJR東日本からのお知らせやCMなど様々な情報が放送されている(但し音声は流れない。)
- 205系電車
- 保留車2両(元ヤテ23編成のサハ205-45と元ヤテ30編成のサハ205-60)が所属しているが、共に転属先もなく、このまま廃車予定となっている。
- 193系電車
- 2両編成1本が所属しているが、保留車である。架線・電気検測車。
- クモル145形・クル144形電車
- 2両編成1本が所属している。配給車。
[編集] 派出所
[編集] 東京総合車両センター品川派出所
品川駅構内にある臨時検査の派出所である。本線営業列車で車両不具合があった場合に検修業務を行っている。
品川駅構内の留置線へは、品川駅からは内回りのみ入区する事ができる。出区の場合は田町へ一旦回送され、内回りはそのまま据え付け、外回りは一旦引き上げ線に入れた後外回りホームに据え付け、それぞれ田町始発となる。
ちなみに、品川派出から出区する山手線電車の列車番号は70番台が充てられる(例:1472G)。
[編集] 東京総合車両センター赤羽派出所
2007年4月1日に設置された赤羽駅構内にある臨時検査の派出所である。東京支社管内での派出所設置は、品川、新宿、池袋、お茶の水、東京、上野6駅に続いて7箇所目。赤羽駅発着列車で車両不具合があった場合に検修業務を行う。業務内容は、車両故障発生時の現場出動と復旧・処置作業、湘南新宿ライン、宇都宮、高崎線、京浜東北線などの新系列車両添乗による列車状態の把握である。車両故障に起因すると可能性が高いと思われる事象を発見した場合は、ただちに東京支社運輸車両部、東京総合車両センターに情報提供し、事故の芽を摘み取るための事前対策を講じてゆく。新系列車両故障時の応急復旧内容活動に関する情報の共有化にも取り組み、社員一人ひとりの車両検修レベルを向上させてゆくという。 赤羽駅発着列車に東京総合車両センター所属車両は使われていないが、赤羽駅が東京支社管轄であることから、同支社管轄の東京総合車両センターの出先機関となっている。
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