東宮御所
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東宮御所(とうぐうごしょ)とは、皇太子の居所を指す。単に東宮とも。
古くは内裏内の昭陽舎をあてていたが、鎌倉時代以後は小御所で儀式を行うのが慣例であった。
現在の東宮御所は、東京都港区元赤坂二丁目に所在する。今上天皇の皇太子時代の住居として、貞明皇后の大宮御所の跡地に建設され、1960年4月に落成した。谷口吉郎の設計による鉄筋コンクリート地上二階、地下一階建てで、御所と事務棟に分かれる。御所は更に表公室と奥私室に分かれる。今上天皇が皇位を継承し皇居内の御所に移るまでは、赤坂御所と呼称した。
東宮御所のある敷地一帯を赤坂御用地といい、江戸時代には紀州徳川家の下屋敷(紀州藩赤坂藩邸)が明治時代になって皇室に献上されたものである。御用地内には現在、東宮御所の他、秋篠宮邸、三笠宮邸、寬仁親王邸、高円宮邸、並びに赤坂東邸(旧東宮仮御所)がある。御用地の中央には池を中心とした回遊式庭園があり赤坂御苑と呼ばれ、昭和38年以来、園遊会会場としてテレビ・新聞などで国民にも馴染みが深い。また、赤坂御苑の北東には迎賓館(旧赤坂離宮)があり、外国賓客の接遇に用いられる。
正門は安鎮坂に面している。前庭や裏庭には、皇后美智子の印である、白樺が植えられている。
なお、一般市民は原則として立ち入り禁止となっているが、2006年7月2日、明治神宮野球場で行われていた日テレ「全国高等学校クイズ選手権」の関東予選において、オリエンタルラジオの中田敦彦とインストラクターがパラシュートで神宮へ着陸するつもりが強風であおられ、赤坂御用地に誤って不時着してしまうという事件が発生した。当然のことながらこのハプニング映像は放送されなかった。