民主労働党 (韓国)
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民主労働党 | |
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各種表記 | |
ハングル: | 민주노동당 |
漢字: | 民主勞動黨 |
平仮名: (日本語読み仮名): |
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片仮名: (現地語読み仮名): |
ミンジュノドンダン |
ラテン文字転写: | {{{latin}}} |
英語: | Democratic Labor Party |
民主労働党(ミンジュノドンダン)は、韓国の革新政党。戦闘的労働運動を標榜する民主労働組合総連盟(民主労総)が母体であり、ヒュンダイ(現代)の企業城下町・蔚山広域市では、現代労組が民主労総の中核であったことから、もともとハンナラ党現職を脅かす勢力があった。委員長は金惠敬。略称は民労党。
綱領ではイデオロギー政党と曖昧な表現にしたが、これは国家保安法に抵触することを防ぐためである。党の目標を「労働者と民衆主体の自主的民主政府建設」、「利潤を目的とする私的所有権を制限し、生産手段を社会化」としており、実質的には社会主義に近い。また、党の理想は「人類史に綿々と続く社会主義を継承した新しい解放共同体」と明示する。かつての日本社会党左派を想像すればいいかもしれない。綱領は、左派学者や80年代の理論派活動家が作成したため、主体思想派が優勢だった80年代の学生運動家が使った論理がそのまま反映された、との見方もある。米国については「朝鮮半島を分割し、同族が相争う悲劇をもたらし、南北に軍備競争の消耗戦を誘導、民衆の生を荒廃させた」と主張する。
政治面では「抑圧的国家機構」の国家保安法・国家情報院・国軍機務司令部を廃止し、軍・警察・行政官僚機構を民主的に改造するとしている。経済面では、富裕税の創設、財閥トップ一族の持ち株を強制的に有償還収するといった方法での財閥解体、一定規模以上の土地の国有・公有化など社会民主主義的政策を主張する。外交・軍事面では、在韓米軍撤体と戦時作戦統制権還収などを挙げる。
2004年の国会議員選挙で、議席獲得に成功し、一気に第3党に躍り出た。第一共和国の進歩党が弾圧され消滅して以来、韓国では派閥のような政党が人脈により離合集散を繰り返してきた。民主労働党は、政策を基にした政党であり、従来の韓国の派閥政党とは性格を異にする。また、ほぼ時期を一にして現大統領の盧武鉉の当選や現在の与党ウリ党の結成など韓国政界の左派色が強まった感がある。
議席獲得以前の民主労働党は、単なる反体制団体と見做され、街頭デモは厳しく規制されたが、議席を獲得した途端、それまで民主労働党規制の指揮を執っていた治安担当者が民主労働党本部を訪れ、予算成立に関して協力を依頼したという。
2005年の北朝鮮訪問の際、北朝鮮の国立墓地に当たる愛国烈士陵の芳名録に「あなた方の愛国心を末永く心に刻む」と記し国内で物議を醸した。また、北朝鮮の行事に出席して拍手するなどの行動が、北朝鮮の主張に同調していることになると批判を受けている。
2006年10月31日、文成賢(ムン・ソンヒョン)代表を始めとする北朝鮮訪問団が訪朝し、歓迎晩餐会に参加した他、金日成の生家である万景台の訪問を行った。民労党は「平和のメッセンジャー」の役割を果たしたと主張するが、国内では北朝鮮の「操り人形」になったとの批判もある。