猛暑
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猛暑(もうしょ)とは、普段と比べて猛烈に暑いときのことである。酷暑(こくしょ)と類義であり、しばしば報道や日常会話で使われる。これまで気象用語としての定義はなかったが、2007年4月1日より、最高気温が摂氏35度以上の日を「猛暑日」と呼ぶこととなった。
一般に、夏季において、背の高い(空の高いところから低いところまで鉛直に長い構造の)高気圧に覆われて全層に渡って風が弱く、周囲の比較的冷たい空気や湿気の流入が弱く快晴状態の場合に起こりやすい。内陸の盆地状地形では、周囲の山岳により外部の大気との混合が妨げられ、昇温した空気が滞留しやすいため、他の地域よりも「猛暑」となりやすい。
またフェーン現象が発生すると、山塊の風下部では乾燥した高温の大気によって盛夏でなくても猛暑となりやすい。日本の気象官署での最高気温記録 40.8℃が山形市で記録されたときも、このフェーン現象が原因であった。
近年、首都圏を中心とする都市部ではヒートアイランド現象の影響が著しく、近年都市部で最高気温の記録更新が相次いでいるのは、これが原因のひとつと考えられる。 また日本では2000年~2002年に3年連続で猛暑となるなど1990年代以降、猛暑となる年が急増している。 さらに、2004年7月20日には東京都心で39.5℃、千葉県市原市牛久で40.2℃など観測史上最高の猛暑を記録したのは、ヒート・アイランド現象に加えて背の高い高気圧、フェーン現象が重なった最悪の例と言えよう。
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[編集] 影響
冷房などの空調設備の稼動増により電力需要が急増する他、ビールや清涼飲料水、冷菓、氷菓、殺虫剤及び虫刺され用薬などの販売が大きく伸び、外出先ではプール、海水浴場、また冷房の効いた屋内施設などの利用者が増えるなど、経済活動によい影響がある。また米が豊作になりやすいという長所もある。
しかし、熱中症など猛暑が原因となる病気で倒れる人も少なくないため、高齢者などは外出時に注意が必要である。
[編集] 過去の猛暑
- 日本:1978年、1984年、1985年、1990年、1994年、1995年*、2000年、2001年*、2002年*、2004年、2005年、2006年
- イギリス:1976年
- ヨーロッパ全域:2003年、2006年
- 米国東部:2001年、2006年
- 米国南部:2000年
- 米国全域:1936年、1980年
*マークが付いている年は北日本を除く。
- 1994年
- 記録的に早い梅雨明け後、全国的に猛暑となり、最高気温40度を越えた地域もあった。東京都心でも8月3日に東北地方に上陸した台風11号に南風が吹き込んだため最高気温39.1度を観測した。経済的にビール、清涼飲料水の需要は冷夏だった前年に比べ増加、米も豊作であった。しかし、空梅雨で降水量が少なかったことが災いし、全国的な水不足に見舞われたことは有名である。
[編集] 関連する表現
猛暑、酷暑などは夏の天候に対して使う言葉であり、類似の表現として気象庁が定義した「暑夏」がある。これは、ひと夏の天候について言う気象用語で、6~8月の平均気温が3階級表現で「高い」に該当した夏のこと。冷夏の対義語である。また、「熱波」というのは英語のHeat waveに対応する言葉で、気象庁ではとくに定義を設けていないが、一般には夏に著しい気温の上昇をもたらす暖気が到来すること。寒波の対義語である。