番狂わせ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
番狂わせ(ばんくるわせ)とは、勝負や試合などにおいてほぼ勝つと思われていたチームもしくは人が負け、ほぼ負けると思われていた(ノーマークだったもしくは捨石だった)チーム、人が勝つことである。また、このような定義に当てはまらず、接戦だった勝負や、試合などにも使われることがある。
しばしば野球やボクシング、競馬、大相撲、サッカーなどにおいて見られる出来事である。一回このようなことが起こると、順位争いや予想に大きな狂いが生じたり、強いチーム(人)がつぶされるためにあとあと弱いチーム(人)で接戦が行われたり、行く末が分からなくなることがよくある。またこのようなことにおいて少なからず罵声合戦や、暴動じみたことによくつながる元ともなる。
起こりうる事象として
- 大相撲において番狂わせが起きると座布団がよく飛ぶ。
- 高校野球において、そのまま勢いで準々決勝、決勝などに進出する。
等が上げられよう。
番狂わせが起こる要因として
- チーム(人)が油断していた。
- もとから強かったにもかかわらずノーマークだった。
- 強いチームの主力欠員。
- 情報量不足(情報量収集量の多さ)
等が上げられる。
だが、番狂わせこそ真剣勝負の世界であり、醍醐味だとして楽しみ見る人もいる。
英語において「番狂わせ」を意味する「Upset」の語源は定かではないが、かつてはアメリカ競馬史上最強馬の一頭マンノウォー(21戦20勝)を唯一破ったUpset(1917年生まれ)に由来すると信じられていた(現在これは否定されている)。ただしこの事件がUpsetの用法を広めることになったのは事実である。現在でもしばしば大きなスポーツイベントにおける最初のUpsetの使用として紹介される。
目次 |
[編集] 過去に起きた番狂わせ一覧
[編集] サッカー
- ベルリンオリンピック スウェーデン対日本
- FIFAワールドカップブラジル大会 イングランド対アメリカ
- 1950年6月29日、ベロオリゾンテで行われた1次リーグ第2戦で、優勝候補のイングランドがアメリカに0-1で敗れた。この試合の結果が新聞に記載されると、印刷ミスであるとして新聞社に抗議の電話が殺到した。
- FIFAワールドカップイングランド大会 イタリア対北朝鮮
- 1966年7月19日、ミドルズブラで行われた1次リーグ第3戦で、イタリアが北朝鮮に0-1で敗れた。これによりイタリアは1次リーグ敗退が決まり、帰国後ローマの空港でファンから腐ったトマトの雨を浴びた。
- FIFAワールドカップアメリカ大会南米地区予選 アルゼンチン対コロンビア
- 1993年9月5日、ブエノスアイレスで行われたFIFAワールドカップアメリカ大会南米地区予選第6戦で、アルゼンチンが0-5という大差でコロンビアに敗れた。アルゼンチンは本予選を楽に通過するものと思われていたが、この大敗により大陸間プレーオフにまで追い込まれた。
[編集] 大相撲
- 1939年1月15日、安藝ノ海が双葉山を左外掛けによる奇襲でやぶる。この取り組みまで双葉山は無敵の69連勝を記録、誰もが70連勝達成を疑わなかった。安藝ノ海は双葉山攻略法をよく研究しており、その研究が実った形となった。その模様のラジオ中継では「70古来やはり稀なり」の名言が生まれた。
[編集] ボクシング
- WBA世界ジュニアフライ級タイトルマッチ 王者ファン・グスマン(ドミニカ共和国)対挑戦者具志堅用高
- 1976年10月10日、具志堅にとってわずか9戦目での世界初挑戦。前評判では王者グスマンの圧倒的有利。だが、いざ試合が始まってみると、具志堅が2回、4回にダウンを奪い、7回、この試合3度目のダウンを奪ったところで10カウント。初の沖縄出身王者の誕生となった。
[編集] 競馬
[編集] NFL
- 2001年2月にニューオリーンズで行われた、第36回スーバーボウルで99.9%勝つと言われたラムズがペイトリオッツに僅差で敗退を喫した。ラムズが勝つと多く予想された事、そして戦力的にラムズが上だった事もあり、この試合はスーパーボウルの歴代で有数の番狂わせと言われている。