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サッカーの世界大会である第4回FIFAワールドカップは、1950年にブラジルで開催された。この大会は、唯一、決勝ラウンドもリーグ戦で開催された。
第4回大会以後、FIFAが初代会長ジュール・リメの会長就任25周年を讃えて、優勝杯がジュール・リメ杯と公式に呼ばれることになった。
第二次世界大戦により、ワールドカップは1938年から中断されており、またヨーロッパの大部分が未だに復興途上であった。このため、唯一の立候補であったブラジルが大会の開催権を得た。辞退国が多発したため、グループ配分が崩れ、グループDのように2カ国で争ったところから、グループAやBのように4カ国が争ったところまで様々であった。また、インドが裸足での参加をFIFAに拒否されたため、参加を辞退した。
連合王国を構成するイギリスの各サッカー協会が、17年間の孤立からFIFAに大会の4年前に復帰し、特例として1949年から1950年にかけて行われたイギリスの国内大会の1位と2位のチームが参加することとなった。1位がイングランド、2位がスコットランドであったが、スコットランドが優勝チームで無いことを理由に参加を辞退した。トルコも参加を辞退した。占領下にあったドイツと日本は参加を拒否された。
各協会の主力チームをそろえたイギリス代表がヨーロッパ代表を親善試合で6対1で破っており、イングランドは優勝候補の1つに数えられた。しかし、大会の2戦目でアメリカに1対0で敗れると、続くスペイン戦にも1対0で敗れ、第1ラウンドで姿を消した。アメリカへの敗北は当時のイギリスでは考えられないことであり、新聞に結果が記載されると、印刷ミスであるとして新聞社に抗議の電話が殺到した。
最終ラウンドは再び総当たり戦で行われ、ブラジル、スペイン、スウェーデン、ウルグアイが参加した。結果ウルグアイが第1回以来、イタリアと並ぶ2度目の優勝を果たした。一方最終戦、引き分け以上で優勝が決まるブラジルは、ウルグアイに逆転負けで優勝を逃し、敗戦の瞬間にはスタジアム内でショック死と自殺で命を落とす人も出、マラカナンの悲劇と呼ばれた。ブラジル代表はその後、この敗戦のショックを払拭するため、それまでの白いユニフォームをカナリア色に変えることとなった。
[編集] 出場国
南米
ヨーロッパ
北中米カリブ海
[編集] 第1ラウンド
[編集] グループ A
チーム |
勝ち点 |
試合数 |
勝 |
引 |
負 |
得点 |
失点 |
ブラジル |
5 |
3 |
2 |
1 |
0 |
8 |
2 |
ユーゴスラビア |
4 |
3 |
2 |
0 |
1 |
7 |
3 |
スイス |
3 |
3 |
1 |
1 |
1 |
4 |
6 |
メキシコ |
0 |
3 |
0 |
0 |
3 |
2 |
10 |
|
|
[編集] グループ B
チーム |
勝ち点 |
試合数 |
勝 |
引 |
負 |
得点 |
失点 |
スペイン |
6 |
3 |
3 |
0 |
0 |
6 |
1 |
イングランド |
2 |
3 |
1 |
0 |
2 |
2 |
2 |
チリ |
2 |
3 |
1 |
0 |
2 |
5 |
6 |
アメリカ合衆国 |
2 |
3 |
1 |
0 |
2 |
4 |
8 |
|
|
[編集] グループ C
チーム |
勝ち点 |
試合数 |
勝 |
引 |
負 |
得点 |
失点 |
スウェーデン |
3 |
2 |
1 |
1 |
0 |
5 |
4 |
イタリア |
2 |
2 |
1 |
0 |
1 |
4 |
3 |
パラグアイ |
1 |
2 |
0 |
1 |
1 |
2 |
4 |
|
|
[編集] グループ D
チーム |
勝ち点 |
試合数 |
勝 |
引 |
負 |
得点 |
失点 |
ウルグアイ |
2 |
1 |
1 |
0 |
0 |
8 |
0 |
ボリビア |
0 |
1 |
0 |
0 |
1 |
0 |
8 |
|
|
[編集] 決勝ラウンド
チーム |
勝ち点 |
試合数 |
勝 |
引 |
負 |
得点 |
失点 |
ウルグアイ |
5 |
3 |
2 |
1 |
0 |
7 |
5 |
ブラジル |
4 |
3 |
2 |
0 |
1 |
14 |
4 |
スウェーデン |
2 |
3 |
1 |
0 |
2 |
6 |
11 |
スペイン |
1 |
3 |
0 |
1 |
2 |
4 |
11 |
|
|
1950ワールドカップ
優勝国: |
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ウルグアイ
2回目 |