石狩市
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石狩市(いしかりし)は、北海道中央西部、石狩支庁管内にある市。札幌市の北に隣接している。
市名の由来は、アイヌ語の「イシカリペツ」(非常に曲がりくねった川)より。
2003年1月から旧厚田村・旧浜益村と合併協議会を設置して協議を重ね、2005年10月1日に両村を編入合併した。
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[編集] 地理
石狩支庁北部に南北に長い市域を持つ。西は石狩湾に面し、石狩川河口を有する。南は発寒川、茨戸川を隔てて札幌市と、東は同じく南北に長い当別町と、北部は暑寒別天売焼尻国定公園の山地で新十津川町や増毛町と接している。南部は標高10m以下の砂丘と低地、石狩川河口より北部には石狩丘陵をはじめとする丘陵地帯が広がっている。
海洋性気候で寒暖差は小さい。対馬海流の影響もあり、冬は比較的温暖ではあるが、北東からの季節風が日本海を越えて吹きつけるため積雪が多い。また「石狩湾小低気圧」が発生すると猛烈な吹雪となる。一年を通して風が強いため、市内には多くの防風林が設けられている。
- 山: 郡別岳(1376.27 m)、浜益岳(1257.70 m)、雄冬山(1197.60 m)、浜益御殿(1038.64 m)、知来岳(988.04 m)、黄金山(739.11 m)、別狩岳(726.14 m)、円錐峰(690.17 m)、別狩岳(二番川)(666.24 m)、安瀬山(654.05 m)、濃昼岳(621 m)、丸山(467.65 m)、阿蘇岩山(418.07 m)、摺鉢山(169 m)、紅葉山(17.80 m)
- 河川: 石狩川、茨戸川、発寒川、厚田川、望来川、浜益川
- 湖沼: 望来ダム
- 島:トド島
[編集] 隣接している自治体
[編集] 歴史
慶長年間に松前藩により「石狩場所」が設けられて以来、石狩は漁業やアイヌとの交易の中心地として栄えた。また内陸部で切り出した木材を内地へ運ぶための木場も設けられるなど、江戸時代の石狩は石狩川流域地域との中継点として重要な役割を果たした。
- 1869年 北海道に11国86郡が置かれ、石狩郡、厚田郡、浜益郡が置かれた。
- 1871年 花畔(ばんなぐろ)村、生振(おやふる)村が開村。
- 1882年 樽川村が開村。
- 1902年 下記それぞれ合併により二級町村制施行
- 1907年 下記それぞれ合併により一級町村制施行
- 石狩郡石狩町が石狩郡花川村を編入
- 厚田郡厚田村が厚田郡望来村(もうらい)を編入
- 浜益郡浜益村が浜益郡黄金村(こがね)を編入
- 1975年 石狩町の一部を小樽市へ割譲。
- 1995年 未定となっていた石狩町北東部の当別町との境界線を確定。
- 1996年 石狩町が市制施行、石狩市に。
- 2005年 石狩市が厚田郡厚田村、浜益郡浜益村を編入、両郡消滅。
[編集] 厚田村・浜益村との合併協議
厚田村、浜益村との合併について2002年1月に研究会、2003年1月に法定合併協議会を設置。2004年9月の住民アンケート(回収率29.9%)では合併賛成35.5%、反対56.1%。2005年1月16日に住民の直接請求による住民投票が行われたが、投票率43.34%で開票条件の60%に達せず不成立のため合併推進が確定。1月27日3市村による合併協定書調印、2月8日3市村にて合併議案可決、2月23日北海道へ合併申請書を提出。その後、官報に掲載され、2005年10月1日付で2村を編入合併することが確定した。
[編集] 姉妹都市・提携都市
キャンベルリバー市 (カナダ・ブリティッシュコロンビア州) (Campbell River, British Columbia)
- 1983年10月24日提携。共にサケ漁で知られることから。
ワニノ市(ロシア) (Ванино)
- 1993年6月3日提携。共に日本海に面した港町であることから。
彭州市(中国) (彭州市)
- 2000年10月24日提携。彭州から農業研修生を受け入れてきた縁から。
[編集] 行政
- 市長 : 田岡克介(たおか・かつすけ、任期満了日:2007年6月26日)
- 合併後予算規模(2004年度)
- 一般会計:302.2億円
- 特別会計・企業会計:197.5億円
- 合併後、旧厚田村、旧浜益村区域には地域自治区が設置されている。
- 厚田区(旧厚田村)
- 浜益区(旧浜益村)
[編集] 経済
かつてはサケなどの漁業が盛んだったが、戦後札幌市のベッドタウンとして発達。 また石狩湾新港、工業団地を有する。
[編集] 立地企業
- YKK株式会社北海道工場
- 大日本インキ化学工業株式会社石狩工場
[編集] 教育
- 大学
- 藤女子大学花川キャンパス(人間生活学部)
- 高等学校
- 北海道石狩翔陽高等学校(道立)
- 北海道石狩南高等学校(道立)
- 北海道浜益高等学校(道立)
- 中学校
- 9校(石狩、樽川、花川、花川南、花川北、厚田、望来、聚富、浜益)
- 小学校
- 14校(石狩、生振、紅南、花川、花川南、南線、紅葉山、八幡、緑苑台、若葉、厚田、望来、聚富、浜益)
※若葉小は2005年の30人31脚全国大会を優勝した。
[編集] 交通
石狩市の交通における積年の課題は鉄道が通っていないことである。札幌へ通勤・通学するにはバスや自家用車を利用しなければいけないが、積雪時に起こる渋滞が問題となっている。石狩市(町)内の鉄道計画は大正期より幾度も持ち上がっていた。鉄道省発足直後の1922年の改正鉄道敷設法では「石狩国札幌ヨリ石狩ヲ経テ天塩国増毛ニ至ル鉄道」が予定路線として盛り込まれたが、1988年の同法廃止により消滅した。1956年には石狩町などが出資して「石狩鉄道株式会社」(1963年に「札幌臨港鉄道株式会社」に社名変更)を設立し、桑園-石狩間の事業免許を取得。1959年に一部区間で着工したが、資金不足により間もなく頓挫した。事実上倒産状態にあった同社はその後も事業免許を保持し続けたが、後述の軌道系交通機関整備構想と競合するため、1998年に免許を返上し、正式に解散した。
1995年に石狩町によって調査が行われた建設案には、札幌市営地下鉄南北線麻生駅、または東豊線栄町駅からのモノレール案、そしてJR函館本線発寒駅からの鉄道案の3つがあり、いずれも建設費約800億円、開業から17年での赤字解消という試算が出されているが、具体化のめどは立っていない。
[編集] バス
[編集] 道路
- 高速道路
- なし
- 一般国道
- 道道
- 北海道道11号月形厚田線
- 北海道道28号当別浜益港線
- 北海道道44号石狩手稲線
- 北海道道81号岩見沢石狩線
- 北海道道225号小樽石狩線
- 北海道道273号花畔札幌線
- 北海道道508号矢臼場札幌線
- 北海道道527号望来当別線
- 北海道道865号樽川篠路線
- 北海道道1066号石狩湾新港線
[編集] 港湾
- 石狩港
- 石狩川の河口付近に位置し、古くは海運と石狩川の水運の連携拠点として重要な役割を果たした。1953年に地方港湾、1973年石狩湾新港と共に重要港湾に指定されるが、2000年地方港湾に指定が戻された。
- 厚田漁港
- 浜益漁港
[編集] 名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
- 暑寒別天売焼尻国定公園
- 番屋の湯
- 石狩展望台
- マクンベツ湿原
- 川の博物館
- 石狩紅葉山49号遺跡(縄文遺跡)
- 厚田公園
- 義経の涙岩
- ルーラン海岸
- 岡島洞窟遺跡
- 雄冬岬
- 千本ナラ
- 白銀の滝
- 石狩さけまつり(9月下旬)
[編集] 出身の有名人
- 石狩太一 - プロレスラー
- 附田雄剛 - スキー選手
- 泉健太 - 衆議院議員(京都3区)
- 子母沢寛 - 小説家
- 戸田城聖 - 宗教家
- 吉葉山潤之輔 - 第43代横綱
- 中井祐樹 - ブラジリアン柔術家
- 錦風 - 力士
- 国母和宏 - スノーボード選手
- 舞 - 歌手(Ruppinaの元ボーカル)
[編集] マスコミ
- 石狩民友新聞
[編集] 関連項目
[編集] その他
- 映画『喜びも悲しみも幾歳月』ロケ地(1957年)
- 映画『ホームシック』ロケ地 (2000年)
- 映画『man-hole』ロケ地(2001年)