競艇選手
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競艇選手(きょうていせんしゅ)とは、公営競技の競艇において、賞金を獲得するプロの選手である。
日本のプロスポーツとしては1450名程度の選手が存在し、スペシャルグレード (SG)、GI (G1)、GII (G2)、GIII (G3)、一般戦と呼ばれるレースで活躍している。トップレベルの選手になると年間に1億円以上の賞金を稼いでいる。
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[編集] 競艇選手になるには
競艇選手になるには福岡県柳川市にある「やまと競艇学校」に入校し、1年間の訓練を行わなくてはならない。
- 競艇選手の条件としては次に挙げる条件を満たすことが必要である。
- 年2回入学式(4月入学コースと10月入学コース)がある。
[編集] 競艇選手の生活
詳細については漫画『モンキーターン』に詳しい。
[編集] 開催期間中
レース前日から終了に至るまでの流れは競輪選手の場合と概ね共通している。ただし競艇の場合は1日に2回競走に出走する場合がある。またレースでフライングスタートに失敗して返還欠場となった場合(フライングもしくは出遅れによるスタート事故)、競輪で失格した場合とは異なり、1回目は賞典除外となるのみでそのまま開催最終日まで競走に参加できる(2回目で強制帰郷となる)。ただしほとんどの選手は、賞典除外となった時点で自主的に帰郷する。
開催期間中は、多くの選手がレースで使用するモーター(エンジン)の整備に時間を費やす。モーターは各競艇場に備え付けのものから抽選で割り当てられたものを使用するが、性能には個体差があるため、ピストンリングやクランクシャフトなどの部品を交換したり、ギヤの噛み合わせの調整(ギヤケース整備)、キャブレターの調整などを行ったりする。整備後はレースの合間などに試運転を行い、性能が向上しているかどうかを確認する。当然のことながら、整備により逆に性能が悪化することもあるので、その場合は状態を元に戻すことになる。また選手の持ち物となっているプロペラとモーターのマッチングのために、プロペラを微妙に加工することも多い。
このほか、絶食やサウナでの汗取りなどにより減量を試みる選手もいる(減量によりパワーウェイトレシオが改善し、ボートの性能が向上するため)。競艇選手の大半は普段から体重に気をつけているが、減量によるボートの性能向上と、それにより体力が低下することとのバランスを考え、重要なレースの前に限り特別に減量を行う場合が多いようである。また一時期、減量により体調を崩す選手が増え、開催中の番組編成に支障をきたすほどの事態となったことから、1988年11月に選手の最低体重規定が設けられ、それ以下の体重の場合には重りを身に着けて競走に出走することとなった。なお最低体重は当初は「男子50kg・女子45kg」だったが、2003年5月より女子の最低体重が47kgに引き上げられている。
また、レースの公正さを守る為(インサイダー・ノミ行為等の不正行為を防ぐ為)、開催期間中の出場選手は、緊急時以外は、開催競艇場から外出はおろか電話も禁止されるなど、刑務所並みのスケジュールとなっている。
[編集] 開催期間外
競走のない日は、プロペラの研究に多くの選手が時間を費やしている。プロペラの加工には高度な技術が必要なほか、加工の際に発生する騒音対策として専用の作業場を確保する必要があることなどから、通常は仲の良い選手同士で「ペラグループ」と呼ばれるグループを作り、共同で研究や作業場の運営等を行っている。また競走の斡旋を受けていない場合でも、前検日及び開催中の競艇場において予備のボートを利用して練習を行うことができるため、まだ実戦経験の少ない若手選手が練習のために競艇場に赴くことも多い。
[編集] 斡旋停止
なおスタート事故を起こした場合、前記の賞典除外・強制帰郷以外にも、級別決定期間(5~10月、11~4月)内に起こした事故回数に応じ、1回で30日間・2回で60日間・3回で90日間の斡旋停止となる。このほか1回目のフライング事故から100走以内に2回目のフライング事故を起こした場合には、愛知県碧南市の「日本モーターボート選手会常設訓練所」で再訓練を行う必要がある。このほかSG・GI競走の場合は特別な出場停止規定が課せられる(詳細は競艇#スタートを参照)。
スタート事故による斡旋停止の間は当然のことながら無収入状態となるため、一般の選手にとってはかなりの痛手となるが、スター選手の中には「フライングによる斡旋停止は必要経費」「むしろ海外旅行などに行くのにちょうどいい休暇になる」と語る者もおり、あまりスタート事故の抑止力とはなっていない。
[編集] 競艇選手の収入
収入のほとんどはレースから得る賞金となるが、賞金は選手によってバラバラである。トップクラスともなると1億円以上稼ぐ選手が珍しくなく、2006年の賞金王決定戦競走覇者・松井繁の年間獲得賞金額は約2億2800万円にも上る。また、最高年収は、2002年の植木通彦の年間獲得賞金・2億8393万円である。
また選手の収入には、賞金以外にもレースに参加することで得られる日当などがある。ちなみに日当は競艇場で選手に対し現金で支払われるが、賞金は原則として銀行振込である。
[編集] 選手のクラス分け
- 競艇においてのクラスは、上からA1、A2、B1、B2で、毎年2回(4月末と10月末)資格審査が行われて昇降格が行われる。また、重い怪我をしたり、産休をした場合は一旦B2に降格する。
[編集] 仕組み
[編集] 選手寿命
定年制は導入していないので、生涯選手としていることも出来る。
[編集] 選手会
社団法人日本モーターボート選手会は、競艇選手で構成する団体である。選手の福利厚生の充実、相互扶助、資質向上のための自主訓練など、活動は多岐にわたる。選手会長は、事実上現役引退したB2の選手が大半である。現在の選手会長は野中和夫。
[編集] 関連文献
[編集] 選手が執筆した書籍など
- 石原加絵(3098)
- 石原加絵・著 『青春の水しぶき -- モーターボートに賭けた私』 山手書房(東京) 1984年11月
- 土屋勇(2112)
- 土屋勇・著 『競艇!走れわが戦友(とも)よ -- 激走のはざまに見る人間模様』 泰光堂(東京) 1993年5月 ISBN 4-8027-0115-2
- 松村武明(413)
[編集] 選手に取材した書籍など
- 木村幸治・著 『水上の格闘者たち』 講談社 1992年2月 ISBN 4-06-204715-2
- 今村豊、西田靖、上滝和則(上瀧和則)、中道善博、安岐真人、黒明良光、片山幸子(佐藤幸子)、鵜飼菜穂子、荘林幸輝、池上裕次、桑原淳一、長岡茂一、高山秀則、新美恵一、江口晃生、山崎毅、服部幸男、応治千代美、松井繁、長嶺豊、野中和夫、の21選手に取材。
[編集] 関連項目
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