表計算ソフト
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表計算ソフト(ひょうけいさんソフト)は、数値データの集計・分析に用いられるアプリケーションソフトウェアである。
集計用紙のように並んだ格子状のセルに数値や数式を入力していくと、ソフトウェアによって自動的に計算される。この表形式のデータはスプレッドシート (英: spreadsheet) と呼ばれる。
表計算ソフトにより、事務等で行なわれる集計計算作業が大幅に省力化されるようになった。 現在では単に集計だけではなく、可視化(グラフ化)、統計分析機能、予測機能、複利計算等の応用的な計算機能、データベース機能等が装備されている。そのほか、一定の作業を行なうためのプログラム(マクロ)の埋め込み、印刷レイアウト機能などの数多くの機能を持っており、オフィス・オートメーションに欠かせない存在になっている。
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[編集] 歴史
表計算ソフトとして初めて登場したのはヴィジコープのVisiCalc(ビジカルク)で、アップルコンピュータやタンディなどが販売した8ビットパーソナルコンピュータで、非専門家でも業務に使えるソフトとして話題になった。しかし、大量にメモリを使用するソフトであるため、大規模な集計作業に使えるようになったのは16ビットパソコンの時代を待つことになる。
MS-DOS時代には、Lotus 1-2-3、アシストカルクなどが日本国内ではよく用いられていた。特にアシストカルクは当時9,700円(税別)という破格の安さで提供され、表計算ソフトの普及に貢献した。 Windowsの時代になると、Microsoft Excelがシェアを大幅に伸張し、現在はこの分野のデファクトスタンダードとなっている。
[編集] マクロ
表計算ソフトでは、マクロ言語によって作業の自動化やユーザー定義関数の作成、他のソフトウェアと連携した特定の業務用ソリューション構築が可能である。初期のマクロは、単純にキー入力をトレースするといった簡単な仕様のものであったが、やがて表計算ソフトが多機能となるにつれてマクロもまた進化してきた。特に、マイクロソフト社のオフィススイートに添付されている Visual Basic for Applications (VBA) によって記述されるマクロは、それ自身が完全なプログラムである。
[編集] マクロウイルス
マクロを悪用したマクロウイルスによる被害も発生している。マクロウイルスは感染したファイルを開くことで自動的に実行され、利用者の意志に関係なくコンピュータ上のデータの削除を行ったり、自身を添付したメールを送信するなど、他のコンピュータウイルスと同様の活動をする。
対策として、出所の不明なファイルを安易に開かないようにすることや、表計算ソフトのセキュリティ機能によってマクロの自動実行機能を無効化することなどが有効である。
[編集] 代表的な表計算ソフト
- Calc
- OpenOffice.org
- StarOffice (StarSuite) - サン・マイクロシステムズ
- Gnumeric - GNOME Project
- KSpread - KOffice
- Lanplan - 日本電気
- Lotus 1-2-3 - ロータス
- Microsoft Excel - マイクロソフト
- Multiplan - マイクロソフト
- Microsoft Excelの前身
- SuperCalc - Sorcim
- VisiCalc - ヴィジコープ
- 米国の代表的な初期のパソコン用ソフト
- アシストカルク - アシスト
- 三四郎 - ジャストシステム