連節バス
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連節バス(れんせつバス、連接バスとも書く)とは、大量輸送のために車体が2連につながっているバスである。
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[編集] 日本における導入事例
[編集] いすゞ・ツイン・バス
1950年2月、いすゞ自動車は川崎産業と協同し、両社の提携第一号製品として、当時のベストセラーバスであったいすゞ・BX91をベースにした連節バス1両を試作製造した。定員は75名(BX91は定員52名)で、当時は「連節バス」ではなく「双子バス」と呼ばれた。製作はそれ1両のみで、同車は八戸市交通局に納入され使用された。
[編集] 科学万博スーパーシャトルバス
1985年に開催されたつくば科学万博会場への交通アクセス手段として、スウェーデン・ボルボ製(ボディは富士重工業製)の連節バスが1984年~1985年にかけて100両導入された。運行区間は、万博会場と常磐線上の臨時駅である万博中央駅(現在のひたち野うしく駅の場所に会期中のみ開設されていた)との間のみであった。これは、車両自体が大型であることから道路交通法の特例措置を受ける形で運行された事による。
閉幕後、80両はオーストラリアへ輸出された。19両は東京空港交通が都心(東京シティエアターミナル)と成田空港を結ぶ連絡路線バスとして使われていたが、運行路線を限定する形で道路交通法の特例措置を受けて運行されたことから、渋滞等により迂回路を使用するフレキシブルな運用ができないことが災いし、後に運行を廃止。そのうちの3両が成田空港内ランプバスとして活躍した後、1999年旭川電気軌道に移籍し、2004年まで冬期にスクール路線バスとして使われていた。残りの1両は富士重工業伊勢崎製作所(現在のスバルカスタマイズ工房)で保存された。
[編集] 1998年以降
その後、ボルボは1998年に連節バス(ボディは富士重工業製)を正式発売したが、導入したのは京成電鉄(現在は京成バス)の10両だけで、2000年に発売が中止された。
2005年3月に神奈川中央交通(神奈中バス)がドイツ・ネオプラン製セントロライナー(エンジンはMAN)2両を導入し「ツインライナー」として運行開始、同年9月には4両に増備された。
[編集] 導入地域
路線バスとしては2005年12月現在、以下の地域で走っている。
- 千葉県千葉市内の京成バス(幕張本郷駅 - 幕張メッセ・千葉マリンスタジアム間を運行)
- 東京都あきる野市・日の出町間の西東京バス(武蔵五日市駅 - つるつる温泉 間を運行する「青春号」。元々は日の出町の所有車両だった)
- 神奈川県藤沢市内の神奈中バス(湘南台駅 - 慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス間を運行。普通のバスと違い急行運転しているので、止まる停留所は湘南台駅西口、南大山、慶應義塾大学、慶應義塾大学本館前、慶應中高等部前である。湘南台23系統と同じ道を走る。)
[編集] 運転について
車体の大きさ(長さ)が大型バス車両の制限である12mを越えるものについては、運行するために国土交通省への経路届け出が必要。2両で18メートル程度に達するため、特例措置を受ける形で使用路線を限定して運行される。
運転手は2連の車体に乗客を乗せるので、第二種大型免許と第二種けん引免許の両方が必要。なお科学万博のバス・京成バス・神奈中バスについては「常時切り離す構造ではないので1つの車体と見なす」という特例解釈により、走行レーンおよび経路を厳守するという条件で第二種大型免許だけでの運転が可能。なお、ネオプラン車ではシャーシの都合上走行用エンジンは後車体への搭載であり、牽引ではない。
[編集] 海外における導入事例
- ヨーロッパ - 特に北欧や東欧を中心に、数多くの2連接のバスが走る。
- ブラジル - パラナ州クリチバ市では3両連接のバス(Bi-Articulado)が走っている。
- ソウル特別市 - 幹線バス(ブルーバス)の一部で、2連接バスが走っている。
[編集] 関連項目
- 牽引自動車
- ボルボ・アステローペ - 連節バスと同じシャーシを使用した観光バス
- メガライナー - 大量輸送を目的とした超大型二階建てバス
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