風雨来記
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風雨来記 | |
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プラットフォーム | プレイステーション プレイステーション2 |
発売元 | FOG |
発売日 | [PS] 2001年1月18日 [PS2] 2006年9月28日 |
ジャンル | アドベンチャーゲーム |
レイティング | [PS] 未審査 [PS2]CERO: C(15歳以上) |
キャラクター名設定 | プレイヤー名設定可 |
エンディング数 | 7 |
セーブファイル数 | [PS] 14 [PS2] 30 |
キャラクターボイス | 主要登場人物のみ |
CGモード | あり |
音楽モード | あり |
回想モード | 一部(ゲーム中で作成した記事の鑑賞) |
メッセージスキップ | なし |
オートモード | あり |
風雨来記(ふうらいき)は、フォグが2001年1月18日に発売したプレイステーション用の恋愛アドベンチャーゲームである。
2006年9月28日に、CGの高解像度化・ボイスの一新・おまけシナリオの追加が行われたリニューアル版がプレイステーション2にて発売された。
目次 |
[編集] 概要
旅をテーマに作成されたゲームで、北海道が舞台となっている。 北海道の題材にした恋愛ゲームと言うことで『北へ。』(ハドソン)と比較されることも多いが『北へ。』の場合はJTBなどの大手旅行代理店で販売されている旅行ツアー風の味をかもし出しているのに対し、風雨来記の場合は製作者が北海道の旅行経験が豊富な上に、現地で取材を重ねたので北海道をバイクで回っているような感覚がある。 「主人公が20代で(一応は)社会人」「ヒロインの年齢が若干高め」「ツーリング風の移動モードがある」「ネット上に記事を掲載し、その記事に対してリアクションが返される」など、従来の恋愛ゲームとは異なる特徴付けが為されている。
※2005年11月10日に発売された沖縄が舞台の続編『風雨来記2』に関しては当該項目を参照。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] システム
基本的に北海道の各所を移動モードで周り、各ポイントについたらアドベンチャーモードで探索してそのエリアを取材、その日の移動が終わったら取材の内容を元に記事を作成するモードから成り立っている。
移動モードは道路をバイクから真正面で見た視点になっていて一定時間が経過するごとに強制的に次の画面に切り替わる。交差点では上部に進行方向先の画面が複数用意されてカーソルで選択するようになっている。つまり強制スクロールの3Dダンジョンと捕らえればいい。この時の画面は実写で北海道の雰囲気を醸し出しているが、一部に使い回しも見られる。
摩周湖や釧路といった名所のポイントに付くと、アドベンチャーモードに切り替わる。実写背景のマップ内を歩き回ることができる。このとき記事のネタを獲得したり、写真を撮影できるほか、旅行者との出会いやヒロインと歩き回るなどのイベントが発生することもある。なお、ポイントはカムイワッカの滝とか摩周湖第一展望台といったメジャーな場所から、神の子池やセセキ温泉といったマイナーな場所まで各種取り揃えられている。
移動や写真撮影をすると体力が消耗していくので、適当なタイミングでキャンプモードへ移行する必要がある。体力がゼロになった場合は、強制的にキャンプを張ることになる。このとき、キャンプが不可能な場所でキャンプモードへ移行したり、体力を失った場合(たとえば釧路駅前)は指定されたキャンプ地(釧路駅前の場合は塘路)へと強制移動される。
取材を終えたらキャンプモードに入る。キャンプモードでは、各ポイントで得られた記事のネタから一つを選び、適切なセンテンスや写真を選んでゲーム上のインターネット(飽くまでゲーム上であり、実際にインターネットへ接続する訳ではない)に転送する。またゲーム上のインターネットへ接続し、自分のサイトや、掲載記事に対する読者の反応、ランキング順位を確認することもできる。「心光展」ではランキング形式で他のサイトと競い合い、一位を獲得することが目的とされているが、ランキングの結果でゲームの展開が左右されることはない。
就寝コマンドを選ぶと一日が終了するが、このときイベントが発生する場合もある。
このように北海道を旅していることを意識したシステム作りがされており、自由度が高く何もしないですごしたり(その場合は強制的にバッドエンドとなるが)ヒロインとは係わり合いを持たずに一人で北海道を回っても満足できるエンディングが用意されている。
また、この世界では様々な個性を持った旅人がいて、彼等と触れ合えるイベントの数々もゲームを印象深いものにしている。
[編集] キャラクター
※声優は左から「PS版 / PS2版」の順。
- 相馬 轍(そうま てつ)
- 主人公。駆け出しのルポライターで旅行関連書がメインの中小出版社に勤めている。
- 以前に出した東北を野宿で回るルポが評判となり、出版界のオリンピックといわれる「心光展」のインターネット部門参加資格を得てランキング一位を目標に一ヶ月間の北海道野宿レポートに旅立った。
- 幼い頃の冒険心を持ったまま成長した青年で、ずば抜けたアウトドアテクニックを持っている。
- 父親は心光展の写真部門でグランプリを獲得しているが、幼少期に死別。「いつか免許を取って、一緒に旅をしよう」と硬く心に誓い合っていた親友の「アイツ」の事故死に激しくショックを受け、現在も後遺症を引きずっている。
- 時坂 樹(ときさか いつき)
- 身長:159cm 体重:48kg B 83 / W 57 / H 86 (声:中矢由紀 / 佐藤利奈)
- 摩周湖の展望台で出会う少女。ロングヘアに白と黄色を基調としたドレスを着ているお嬢様然とした外見の持ち主で、ひたむきではあるがちょっぴりとろいなど服装から受ける印象と同様に浮世離れしたタイプ。公共交通機関のない摩周湖にどうやって来たのかは謎。
- 明るくはあるが、ときおり寂しい表情を見せる。
- 滝沢 玉恵(たきざわ たまえ)
- 身長:155cm 体重:47kg B 86 / W 61 / H 90 (声:妹尾真理 / 平松晶子)
- 北海道に向かうフェリーの中で出会った女性。ライダー風のジャケットとスボン、腰まで伸ばした三つ編みが特徴。免許取り立てで北海道にやってきたキャンプ初心者。そのため最初のうちは轍の世話になる。飄々とした捕らえどころのない性格で、なおかつ天然っぽい。
- 斉藤 夏(さいとう なつ)
- 身長:155cm 体重:43kg B 79 / W 56 / H 84 (声:多田智美 / 中原麻衣)
- フェリーの中で出会う双子の妹。高校生。肩までのボブと外見はほとんど同じで夏はオレンジ色のスカートに水色のフードつきジャケット、冬は白のワンピースにピンクのカーディガンと服装だけが異なる。
- 気が強くて意地っ張りだが、根は優しくていい奴。大切な約束を果たすために北海道にやって来て岬めぐりしているのだけれど大切な何かを思い出せなかった。
- 斉藤 冬(さいとう ふゆ)
- 身長:155cm 体重:43kg B 79 / W 56 / H 84 (声:多田智美 / 中原麻衣)※二役
- 冬は夏と対象的にとろくておとなしくてぼんやりとした少女で、身体が弱く病床で旅行雑誌を読みふけっていた。轍の記事のファンで、旅行中はマメにメールを送って来る。
- 食に対して異様なまでのこだわりを見せる。趣味はクッキー作りだが、そのクッキーは食べた者を悶絶させる。
- 森岡 由美(もりおか ゆみ)
- 島田 光(しまだ ひかり)
- (stub)
- (声:未定)
- 主人公の幼馴染。ショートヘアでバンダナを巻いている。PS版では氏名不詳だったが続編・風雨来記2で名前が判明し、PS2版では追加シナリオが用意される。
- 幼い頃、喧嘩に巻き込まれて助けてもらったのが縁で知り合い、それからはいつも行動を共にする仲になる。両親が不仲で、それゆえに主人公とは足りない部分を補い合う存在だった。恋人を通り越して自分の一部というべき存在で主人公はその関係をバイクの前輪と後輪に例えていた。バイクはそれぞれの車輪が無ければ走らないのだから。
- いつか一緒にバイクで旅することを誓い合っていたが交通事故で早世。ただ、主人公のためにバイクを残しており、主人公はそのバイクで北海道の大地を駆っている。
- 彼女の死は徹にとって自分の半身をごっそりともっていかれたようなものであり、徹は失われたもの補うために旅を続けているといっても過言ではなかった。
[編集] ストーリーの特徴
この作品の最大の特徴は結ばれたヒロインとは必ず別れるということである。 しかも、永遠の別れになってしまうキツい展開が待っているのだが、ヒロインに恋して別れることによって失われた半身を求めて放浪するだけだった主人公が成長するという展開になっている。 別れが決定づけられたストーリーに対してはハッピーエンドを望むユーザーからは不満を持たれる反面、この作品を他の多くの恋愛ゲームと一線を画す存在にしていることも事実である。
なお、本作の発売はコンピュータエンターテインメントレーティング機構(CERO)による審査開始前であるが、性行為を暗示する描写が随所に見られるためPS2版は「C」(15歳以上)に分類されている。
[編集] スタッフ
- 企画:浅野公一
- スーパーバイザー:加藤直樹
- シナリオ:浅野公一・小林且典(視影堂本舗)・卑影ムラサキ(Heliogabale)・戸田雅人
- 音楽:風水嵯峨(Human Product Studio)
- キャラクターデザイン:岸上大策・小林雅也(サブキャラクター)
- 作画監督:宮永幸一郎
[編集] 同社作品
[編集] 関連書籍・外部リンク
- 関連書籍
- 風雨来記 オフィシャルコンプリートワークス(高橋書店)
- 2001年2月10日初版 ISBN 4471360655
- ゲームコミック・風雨来記(ラポート)
- 2001年3月23日初版 ISBN 4897994020
- 2001年5月7日初版 ISBN 4897994071
- 外部リンク