コンピュータエンターテインメントレーティング機構
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特定非営利活動法人 コンピュータエンターテインメントレーティング機構(Computer Entertainment Rating Organization、略称:CERO=セロ)は、日本国内で発売される家庭用ゲームソフトの表現内容を審査し、それぞれの表示年齢対象の内容が含まれているという情報を提供する民間の機関。2003年11月25日にNPO法人の認定を受けた。
社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)の関連団体として2002年7月に設立された。設立に当たっては、アメリカにある同種の団体・ESRB(Entertainment Software Rating Board)を参考にした。
日本市場での家庭用ゲームソフト発売メーカーのほとんどが会員として加盟しており、これまでプラットフォームホルダー会社各社が独自に行ってきた倫理審査とは別に審査を行う。審査は有料で、1プラットフォーム1タイトルにつき会員7万円、非会員は10万円となる。また、廉価版発売や他機種への移植などによる再審査料は2万円となっている。
現在のところ、ほとんどのメーカーが積極的に審査を依頼しているとはいえ、CEROへの加盟や審査は義務化されていない等日本版ESRBのような機能を完全に果たしていない。また、性的描写あるいは過激な暴力・犯罪描写のあるPCゲームについては、今までのようにコンピュータソフトウェア倫理機構(ソフ倫)やコンテンツ・ソフト協同組合(CSA、旧・メディア倫理協会)の規制を継続して行っているのが現状である。
『ものづくり国家』のコンセプト等から、2006年4月より経済産業省の指導で、日本版ESRBを目指した、CESA,ソフ倫,日本アミューズメントマシン工業協会,映画倫理管理委員会及び日本ビデオ倫理協会で映像コンテンツ倫理連絡会議(仮称)において審査基準・表示の一本化を協議することが決定している。
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[編集] 審査
[編集] 手順
審査はCEROが独自に募集した、20才以上の審査員によって行われる。公平を期すため、原則としてゲーム業界(ゲームメーカー、ゲーム誌の編集者など)からの選出は行わない。問診表とビデオテープを用いた簡単な方法で、所要時間は普通1~2時間である。
審査の判断材料となる表現内容とは、わいせつな表現の有無及び程度、暴力や薬物などの反社会的表現の有無及び程度、差別的表現などの有無及び程度、飲酒や喫煙などの行為の表現の有無及び程度、その他多岐に渡り、それぞれについて判断基準となる表現の程度がCERO内部で定められ、ゲーム本編だけでなく、いわゆる裏技や隠し要素などのおまけ的な内容も含めた全ての表現が対象となっている。
[編集] 区分
審査されたゲームソフトは、表現内容によって以下の5段階及び「教育・データベース」に区分される。2006年3月より。以前の区分についてはこの後記述する。
- A:全年齢対象
- B:12才以上対象
- C:15才以上対象
- D:17才以上対象
- Z:18才以上のみ対象
審査そのものは審査料の対価を支払うことでいつでも受けることができ、ゲーム内容(主にテキスト、ビジュアル)に変更が無ければ、その後も審査結果が維持される。早ければ発売日(予定日)の2ヶ月前に、遅くても1ヶ月程前までに審査を終了し、対象年齢が決定する。また、区分に値しないか、「Z 18才以上のみ対象」を通り越して一定の基準を逸脱したものには「発売禁止」を勧告される。この場合、再審査の上で発売を決定する。また、発売禁止を勧告されなくても、メーカーの方針で再審査を行う場合がある。この場合発売を延期することがある。
このほかに、体験版ソフト向けの「規定適合」マーク(2003年7月追加)、広報資料(ウェブサイトや雑誌広告)向けに公開し、今後審査を依頼する予定(又は審査中)のソフトへ表示する「審査予定」マーク(2003年12月追加)がある。
審査終了後はパッケージ表面のハードメーカーより設定された基準位置に、上記の年齢基準を示すマーク(年齢区分マーク)が表示される。会員メーカーにとってはこの表示は義務とされている。また、新基準以降は背表紙への年齢区分マークの表示、帯色の追加を必須としており、店舗で棚に並んだ状態でも年齢区分の確認が可能なように修正されている。
帯色は
A : 全年齢対象 = 黒 | B : 12才以上対象 = 緑 | C : 15才以上対象 = 青 | D : 17才以上対象 = 橙 | Z : 18才以上のみ対象 = 赤 |
となっている。
これらの区分は、あくまで保護者や購買者側の判断基準となる情報を提供することを目的としているものであり、「B:12才以上対象」「C:15才以上対象」「D:17才以上対象」までのレーティングおよび「教育・データベース」は購入の規制を行っていないとされているが、
- 全面的な規制案:対象年齢に達していない者が「B」「C」「D」区分のソフトまで購入を禁止するよう規制する(ドイツのUSKによる年齢区分はこの方式であり、法的にも禁止されている)
- 部分的な規制案:購入時に保護者の立ち会いを要し、同意が得られなければ購入できないようにする(ESRBでは「T」(13才以上対象)および「M」(17才以上対象)に区分されるソフトを購入する際、保護者の同意を必要としており、条例もこの方式を模倣するとみられる)
などの規制を敷くよう、条例の改正案を導入しようと検討する地方自治体も出ている。
(法的な規制によるものではなく、業界側の自主的な規制であるが)「Z:18才以上のみ対象」のソフトは18才未満の人への販売が禁止されるとともに、東京都・神奈川県・大阪府を始めとした都市部の条例で「Z:18才以上のみ対象」のソフトを全て有害図書へ指定したのを機に、販売の規制を厳に強化する動きが全国的に広がるようになり、販売した者には罰金刑なども科せられることもある
(法的な効力はないため、条例で販売の規制を敷くとともに、「Z:18才以上のみ対象」のソフトの取り扱いは、現状では店舗側の判断に委ねられ、一部の量販店・コンビニなどでは販売しない方針を決めているところもある)。
また、以前の区分(以下を参照)で「18才以上対象」とされた製品については、新基準で「Z:18才以上のみ対象」または「D:17才以上対象」に再審査、再区分される。
なお、新しい区分は数値表示による以前の区分に比べてわかりにくくなったと言う意見が出ている。恐らく「18禁=Z」とする区分を先に考案し、それを基に「A」「B」「C」「D」区分が決定されたと思われる。何故「18才未満禁止=Z」なのか公表されていないが、一説には映倫を始めとする映画・ビデオやソフ倫の規定で使用され、一時期セガサターン用ソフトでも使用されていた「R」(R指定=15才未満禁止)や「X」(X指定=18才未満禁止)の使用を避ける為であると考えられている。また、前出のESRBにおける表記との混同を避けるためとの意見もある。なお、ESRBが18禁を「AO」(Adults Only)にしているのもMPAAの規定で使用されている「X」を避けるためであるとされる。
[編集] 2006年2月以前の区分
2006年2月以前に審査された製品の区分は以下の通りである。
- 全年齢対象
- 12才以上対象
- 15才以上対象
- 18才以上対象
これらの区分も、あくまで保護者や購買者側の判断基準となる情報を提供することを目的としているもので、「18才以上対象」においても厳密な形で購入の規制は行っておらず規制の基準もあやふやであったが、販売店側による自主規制などで「18禁」と同等の扱いとされていたことで中高生も対象としている作品(後述)も「18禁」と同等の扱いにされてしまったり、神奈川県知事・松沢成文が『Grand Theft Auto 3』を有害図書へ指定する事件(後述)を機に、急遽「18才以上対象」のソフトを「Z:18才以上のみ対象」「D:17才以上対象」の2段階に区分する制度へ改めるようになった。
2002年10月からの2年間で審査された作品(ハードは不問)のうち、全年齢対象が66.9%、12才以上対象が12.3%、15才以上対象が13.4%、18才以上対象が7.4%の比率となっている。
[編集] コンテンツディスクリプターアイコン
2004年4月より、今までの対象年齢だけでは説明が不十分であったため、どういう表現が含まれるために対象年齢が設定されているか、その根拠を示す以下のアイコン(コンテンツディスクリプターアイコン)を併記しており、これらのアイコンは年齢区分マークと隔離される形で裏面に表示される(「(A)全年齢対象」のソフトでは記載していない)。
- 恋愛: 異性愛、同性愛、近親愛、デート、抱擁、キスなど。
- セクシャル: 半裸、下着、水着、その他肌の露出度が高いコスチュームの着用、能動的に肌を露出させたり体(胸、脚、尻など)をさわるなどの表現(特に女性キャラの表現に多い)。また一部のゲームでは性行為や性器をほのめかす言葉や会話による表現が含まれているため設定されているのもある(※なお、CEROの倫理規定ではストレートな性行為や排泄、および性器の描写は完全に禁止されている)。
- 暴力: 喧嘩、虐待、拷問など。特に格闘ゲームやアクションゲームで設定されていることが多く、ボクシング、プロレスのような格闘技をはじめとしたスポーツを含むこともある。
- 恐怖(ホラー): 死体、過度な出血、身体の損壊(手足が切断されたり、頭部が吹き飛ぶなど)またはゾンビ、幽霊のようなホラーの表現、その他過度な恐怖感を与える表現など。
- ギャンブル: 違法な賭博など。特に金品を賭ける賭博(麻雀、カジノ)など(麻雀、パチンコ・パチスロシミュレータ、テーブルゲーム等で過度な射幸心を煽る賭博や脱衣などの要素が含まれない場合、全年齢対象とされている作品も多い)。
- 犯罪: 殺人・強盗・窃盗・レースゲームやカーアクションにおける車両の暴走行為(道路交通法違反や器物損壊罪などに相当する行為)、犯罪(者)を肯定したり賛美する表現など。銃火器や刀剣類が出てくるゲーム(アクションゲームなど)に設定されていることも多い。
- 飲酒・喫煙: 未成年者の飲酒・喫煙、または必然性もないのに飲酒・喫煙をむやみに奨励したり賛美する表現などを含むこともある。
- 麻薬・薬物: 麻薬・覚せい剤その他非合法の(実在または空想上の)薬物の使用や、取引、肯定する表現など。ゲームによっては医療を目的とした薬物(モルヒネ、コデインを主とした鎮痛剤など)を使用する表現が含まれているため設定されているのもある。
- 言葉・その他: 放送禁止用語、差別用語、不快用語の使用による会話の表現、第三者(特定の国・人種・宗教・企業など)に対する差別や中傷の表現、その他の反社会的な思想や言動による表現など。
年齢区分マークはパッケージの表面に、コンテンツディスクリプターアイコンはパッケージの裏面に表示されることによって2種類のマークが隔離されるため、パッケージの表面や背表紙に表示されている対象年齢だけでは内容を十分に確認できないという問題があり、改善の余地を残している。
各メーカーのHPや広告、ゲーム誌などのメディアにおいては対象年齢(年齢区分マーク)しか記載していないケースが多く、コンテンツディスクリプターアイコンまで併記しているメーカーは数社しかない。実際に併記するかどうかはメーカー側の判断に委ねられているようであり、完全に義務づけられていないため、この点についても改善の余地が残されている。
ゲーム誌では唯一ファミ通PS2(PS3)の記事のみで発売中のソフト、または審査の終了した発売予定のソフト(PS2・PS3・PSP用)を対象に、対象年齢とコンテンツディスクリプターアイコンが併記されている。
- メーカーのHPにある製品情報で、対象年齢とコンテンツディスクリプターアイコンを併記している例
[編集] 問題点
- CEROのレーティングは購買者側の判断基準となる情報を提供するのが目的であり、「Z:18才以上のみ対象」区分以外の対象年齢表示は購買を規制するものではない。
- しかし、対象年齢を表示することでその対象年齢外の者は、例えそのゲームソフトが欲しくても、対象年齢表示の為に購買をためらうといった間接的規制が生じる(18才以上の者であっても、対象年齢表示と内容次第で購買を躊躇することも考えられる)。ゲーム業界の知識が浅く、あるいはゲームそのものに否定的な姿勢を示す保護者や教育関係者が見ると「B:12才以上対象」・「C:15才以上対象」・「D:17才以上対象」のソフトもまた、対象年齢に満たないという理由で購入するのを拒否し、または条例によって購入の規制を強化するよう呼びかける可能性もあり得る。
- その為、対象年齢を表示することにより、ゲームソフトの売上が減少するといったことが考えられる。その例として、CEROのレーティング導入前のニンテンドーゲームキューブ用ソフト、バイオハザード0の売上は約45万本であるが、同じくニンテンドーゲームキューブ用ソフトである、バイオハザード4はCEROのレーティング導入後のソフトであり、18才以上対象に区分され(後にD:17才以上対象に再区分)、販売本数は約22万本と、前作のバイオハザード0に比べて売り上げは半減している。後にバイオハザード4はニンテンドーゲームキューブの5倍程度普及しているプレイステーション2に新たな要素を追加し移植されたが、その売上は通常版と廉価版を合計しても約49万本にとどまっている。バイオハザードシリーズは100万本以上のミリオンセラータイトルを複数もつ人気シリーズであり、普及台数が多いプレイステーション2においてもバイオハザード4の売上はそれまでのバイオハザードシリーズの作品に比べて芳しくなく、対象年齢表示の影響が考えられる。
- 規則を時代遅れにしないためとはいえ、(大まかな規定はCEROのホームページで公開されているが)より詳細な基準が一般に公開されていないため、メーカーにとってもどこまでがOKかがわかりにくいという問題点がある。
- 2004年4月にチュンソフトより発売が予定されていた「3年B組金八先生 伝説の教壇に立て!」にいじめ問題を扱ったシナリオがあり、CEROにより15才以上対象に該当すると審査された。(購入を規制されるわけではないが)中学を題材にした内容であるのに中学生が対象年齢に入らないことを避けるため、発売を延期し問題となった話を削除した上で全年齢対象として発売するという事態が起こる等、製作者側が表現したい内容を必要以上に規制しているのではないかという批判がある。
- 事実CERO基準において、公道レースゲームや飛行機シミュレータやパチスロのシミュレータなど、犯罪や非行の引き金にもなる可能性のあるゲームについて何も規制されないことも問題と、コメントをしている団体もある。
- コンピュータソフトウェア倫理機構(ソフ倫)の規制と違い、今のところはまだ審査自体を義務化していないため、将来的に義務化に対応できるかが不透明なところもある。
- (実態として、ほとんどのメーカーが積極的に審査を依頼するようになっていることと、一部の販売店において「Z 18才以上のみ対象」のソフトを販売しないと決めているところ(トイザらスなど)もあるため、事実上CEROの審査は必須といえる状態であり、義務化が浸透しているとみることもできる)。
- さらには、規制自体を時代の風潮にどこまで合わせるかが問題となる(規制や報道に過剰になると、自治体や行政、条例による規制を助長することになりかねない)。また、ソフ倫等の規制団体が残っているため、倫理基準や行政による法的規制の濫立に危機の声もあり、前述のESRB同様、業界統一基準の作成を求める声もある。
- 近年の「(少年)犯罪の凶悪化・組織化」がマスメディアで喧伝されている状況や、ひいては「ゲーム脳」の論文で「ゲーム=悪」と強く支持されている時勢から、神奈川県や大阪府でも『グランド・セフト・オート(GTA)3』を有害図書に指定し、後に「Z 18才以上のみ対象」のソフトを全て有害図書へ指定するよう条例改正に着手し始め、それを模範として条例により規制する動きが全国的に広まるようになった。それに伴い、CERO等では販売店における年齢チェック等の自主規制を本格的に始めると発表があった。
- これらの規制は全て年齢の下限を基準としたものだけでしかなく、年齢の上限による規制(18才以上禁止のような規制)が一切敷かれないため、「18才になるまで生きれば、それでいい」という、一種の逃げ得があり、実に都合のよい一方的な規制だという批判もある。成年層を束縛しないことによる増長や、「どんなゲームも買うことができる」という自由に気を取られ、それに付随すべき責任感や規範意識の欠如につながる、と問題視する意見もある。そのため、年齢の上限による何らかの規制も設ける必要がある、と求める意見もみられる。しかし、年齢の下限は青少年を刺激の強い作品から守るという明確な目的があるのに対し、年齢の上限はその様な目的はなんら持たないと考えられるため、年齢の上限を基準とした規制が敷かれる可能性は低い(18才以上だから、という年齢の下限のみでしかなく、他の条件は一切設定されていないことも問題視されている)。
- (条例が無い限り)法的な効力がほとんどないこの規制に対し、意識が薄い販売店もあれば、逆に積極的な姿勢を見せるか、あるいは過剰になっている販売店など、ばらつきを問題視する意見もある。また、これに関する報道について、「偏向報道」だという意見も多い。
[編集] 雑記
- 旧レーティングにおける「18才以上対象」では、購入に関してCEROからは直接的な拘束力を行使できず、規制の基準があやふやなままであった(条例による規制と、販売店側の自主規制が混在しており、基準が統一されていなかった)。
- 現行の新レーティングは「Z 18才以上のみ対象」のソフトについて、18歳未満への販売を禁止するよう購入に対するCEROの拘束力を行使できるようになっている。これはGrand Theft Auto Ⅲおよび同シリーズが有害図書へ指定され、さらに「Z」区分のソフトまで全て有害図書へ指定された事件がマスコミなどで取り上げられたことへの配慮もあるとみられるが、将来的には条例によって「B 12才以上対象」「C 15才以上対象」「D 17才以上対象」のソフトに対しても全面的(または部分的)な規制が加えられることもあるとみられる。
- 18才以上対象(2006年2月以前の旧区分)のソフトの第1号は、ナムコ(現バンダイナムコゲームス)から発売の『デッド・トゥ・ライツ』(Xbox用:2002年11月28日発売)。(2006年3月以降のレーティングで「D 17才以上対象」へ変更)。
- 「教育・データベース」のレーティングで発売されたソフトの第1号は、ゼンリンから発売の『みんなの地図』(PSP用:2006年4月20日発売)であるが、CEROの設立以前にも「教育・データベース」に位置づけられると思われるソフトがいくつか発売されたことがあった。
- 2006年3月以降のレーティングにより、新規で「Z 18才以上のみ対象」へ指定されたソフトの第1号は、カプコンから発売のDEAD RISING(デッドライジング)(Xbox360用:2006年9月28日発売)。
- 大手メーカーの内、最も対象年齢表記の導入が遅かったのはスクウェア・エニックスで、導入した最初の作品は旧・エニックスが発売した『ドラゴンクエストモンスターズ キャラバンハート』(全年齢対象)である。
- 補足:合併前の旧・スクウェアはCEROへの審査に消極的であった。両社が合併した後はしばらくの間非導入であったが、『ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君』(全年齢)から再導入した。それ以降全てのソフトで、特に廉価版に該当するアルティメットヒッツでも積極的に審査を依頼するようになり、合併前の旧・スクウェア、旧・エニックス両社の名義で発売されたソフトについても審査されるようになった。
- 美少女ゲームの移植作品はドリームキャスト(DC)・プレイステーション2(PS2)で同時発売する場合があるが、規制等で微妙な違いが存在した。DCは早い時点で倫理チェックをCERO規制に一本化しているのに対し、SCEIでは通称「ソニーチェック」と呼ばれる独自の倫理チェックがあったため、DCのみCEROレーティング付きというタイトルも多数あった。PS2版におけるソニーチェックではCEROよりも厳しい基準が設定されており、該当する箇所は修正された。その後、SCEIの規制もCERO規制に一本化された。ただ、SCEI内部基準による独自のチェックは継続して行われており、所々でCEROの基準との食い違いが発生している。ちなみに、ESRBでは、家庭用ゲーム機ソフトに美少女ゲームの流れを汲む作品は存在しない。
- CERO発足以降においては美少女ゲーム移植が無い任天堂にも独自の倫理チェックは存在する。また、任天堂の多くのソフトが「全年齢対象」の扱いとなっているが、自社の名義で発売されたソフトにおいてCEROレーティングによる対象年齢が設定されている例を以下に示す。※ゲームソフトパッケージの対象年齢マークについて(任天堂のHPより)
- ファミコンミニ ディスクシステムセレクションの『ファミコン探偵倶楽部PartII うしろに立つ少女』(15才以上対象:「未成年喫煙を咎めるシーン」が含まれる)
- 『メトロイドプライム2 ダークエコーズ』(12才以上対象:「身体の欠損、殺傷」が含まれる)
- 『突撃!!ファミコンウォーズ』(12才以上対象:「殺傷」が含まれる)
- 『バテン・カイトスII 始まりの翼と神々の嗣子』(12才以上対象:「出血、虐待表現」が含まれる)
- 『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』(12才以上対象:「窃盗、暴力表現」が含まれる)
- 任天堂製ハード(GBA、NDS、GC、Wii)専用のゲームソフトで(旧)18才以上対象とされたのは、ニンテンドーゲームキューブの『バイオハザード CODE:Veronica 完全版』が初めてであるが、Killer7(GC版)が「Z:18才以上のみ対象」へ指定(旧・18才以上対象から変更)されたのを機に、それ以降「Z」区分のソフトは発売されていない。しかし、残虐な描写を含むステルスアクション『MANHUNT』の続編である、『MANHUNT 2』が他機種に加えてWiiでも欧米で2007年夏に発売予定である。この『MANHUNT 2』はCEROのレーティングの「Z」区分にあたる内容を含むとみられ、日本でのこのタイトルの発売は未定ではあるものの、任天堂製ハードで今後「Z」区分のタイトルが再び発売される可能性を示唆している。また、二ンテンドーDSの『バイオハザード Deadly Silence』、Wii・バーチャルコンソールで2007年にリリースされた『かまいたちの夜』(オリジナルは1994年発売)がD:17才以上対象に区分されており、「D」区分のタイトルに関しては既に受け入れる態度をとっている。
- 2006年5月31日、殺人シーンなど過度な暴力表現を含む家庭用ゲームソフトに「18才未満禁止」のシールを貼り、子どもへの販売を規制する取り組みが全国のゲーム販売店で一斉に始まり、18才未満禁止ソフトとして14作品を選別し、また全国の条例でも「Z 18才以上のみ対象」のソフトを全て有害図書へ指定し、規制を強化するようになった。
- CEROが設立される前に発売され、審査されなかったタイトルを廉価版として再発売する際、審査し直してCEROマークを付加して発売する場合が多い。また美少女ゲームのPS2移植作品も廉価版のみCEROレーティング付きというケースが多い(背景については先述)。
- パーソナルコンピュータ(主にWindows・Macintosh)用の非アダルトゲームソフトはCERO審査を受けていないものがほとんど(CERO公式サイト内のタイトル検索において2006年8月現在、PCゲームは54件が登録されている)で、一種の「空白地帯」となっている。『Grand Theft Auto』シリーズ他の海外ゲームでは、メーカーが独自に「R指定」のような表示を行っている場合がある。
- アーケードゲームはCERO審査の対象になっておらず、日本アミューズメントマシン工業協会(JAMMA)の自主基準に任されている。現状、脱衣麻雀などの性表現を含むタイトルについては注意喚起が為されているが、暴力表現に関しては注意喚起は行われていない。また日本物産など一部JAMMA非加入メーカーの脱衣麻雀では「18才未満はプレイお断り」とゲーム画面上で明記し、自主規制を行っている。
- この他の規制として(このゲームには暴力シーンやグロテスクな表現が含まれている)と示すシール(またはパッケージへの印刷による表示)が存在する。主に能動的な暴力や、大量の出血による表現を含むゲーム、詳細な殺害の表現が行われているゲームに貼られており、ゲームの内容を明確にする表記のためCEROによる審査結果であるように思われがちだが、このシールは生産メーカー(多くの場合、ハードウェアメーカー)による自主規制のシールであり、貼付自体にCEROとは直接の関係がない。このため、コンテンツディスクリプターアイコンの「暴力」「犯罪」「恐怖」アイコンの有無と直結していないという問題が発生している。
[編集] 関連項目
- CEROレーティング12才以上対象ソフトの一覧
- CEROレーティング15才以上対象ソフトの一覧
- CEROレーティング17才以上対象ソフトの一覧
- CEROレーティング18才以上対象ソフトの一覧
- CEROレーティング18才以上のみ対象ソフトの一覧
- CEROレーティング教育・データベースソフトの一覧
- 表現が修正されたゲームソフトの一覧
- Entertainment Software Rating Board - アメリカのゲーム審査団体
- Pan European Game Information - ヨーロッパのゲーム審査団体
- Office of Film and Literature Classification - オーストラリア・ニュージーランド政府がそれぞれ設置している公的審査団体
[編集] 脚注
- ^ アクアプラスのブランドにLeafもあるが、Leafはアダルトゲームのみで用いられる名義であり、家庭用ゲーム機やPCゲーム(ソフ倫の一般作品)では原則的に用いられず、そのままアクアプラス(AQUAPLUS)の名義のみが用いられる。
[編集] 外部リンク
- 公式サイト
- CERO倫理規定(Adobe Acrobatファイル)