SNKプレイモア
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種類 | 株式会社 |
略称 | SNKプレイモア |
本社所在地 | 大阪府吹田市豊津町14番12号(江坂地区) |
設立 | 2001年8月1日 |
業種 | 情報、通信 |
資本金 | 16億9,700万円 |
売上高 | 117億5,200万円(2005年7月期) |
関係する人物 | 外山公一(代表取締役) |
外部リンク | www.snkplaymore.jp |
SNKプレイモア(えすえぬけいぷれいもあ)は大阪府に本社のあるゲーム会社である。倒産したSNKの知的財産権を取得した、いわばSNKの後継会社であり、SNKと同じく『ザ・キング・オブ・ファイターズシリーズ』などの対戦型格闘ゲームを中心に製作と販売している。
目次 |
[編集] 概要
[編集] 設立当初
設立は2001年8月1日。当時はプレイモアという社名であった。あまり知られてはいないが、実は、設立当時は倒産したSNKの系列会社だった。プレイモアがSNKとは全く関係の無い会社というのは法的な部分のみとのこと。
同年10月30日のSNK破産の折に行われた入札においてSNKの知的財産権を落札、SNKの後継会社となった(と言うよりは、当初は版権管理のみに携わる法務関係専門の会社だった)。
その後、ゲーム関連の開発・販売等は、他社のゲームメーカー(主に韓国のメーカー)からの支援を受けることとなる。設立してようやく単独での開発・販売に至るまでの約5年間は、ゲーム開発は外注(他社メーカーの製作)だった。同じグループ会社だったブレッツァソフト、後にブレッツァを吸収合併させたサン・アミューズメント(後のSNKネオジオ。後にさらにSNKプレイモアに吸収合併された)、ノイズファクトリー、この3社が主にゲーム開発を担っており、一部のゲームでは、『森田将棋』の開発で知られる悠紀エンタープライズが開発を担っていた。
なお、一時期開発に係わっていた韓国のゲームメーカーであるイオリスとメガ・エンタープライズは、開発に係わっていたというよりも、当時設立して間もなかったプレイモアの資金面でのスポンサーであったと思われる[1]。また、メガ・エンタープライズに関しては、現在もSNKプレイモアと提携しているらしく、韓国向けのSNKプレイモア製品は、メガ・エンタープライズが設立したSNKネオジオ韓国(英名表記:SNK NEOGEO KOREA)が販売とサポート共に担っていると思われる[2]。
ちなみに、SNKネオジオ韓国は現在、SNKプレイモアのグループ会社であるSNKプレイモア香港のソウル支店となっている。
[編集] ユーザーからの不満
プレイモアがゲーム開発と販売等に携わってから、2007年現在に至っても、SNKプレイモアに対するユーザーからの不満は多い。
SNKの知的財産権を取得した後の約5年間を通じて不満は挙がり続けたが、特に『ザ・キング・オブ・ファイターズ(以下KOF)2001』はゲーム内容に関して様々な不満の声が上がった。しかし実際に『KOF2001』の開発に関わったのはイオリスとブレッツァソフトであり(財産権を持つ)、プレイモアはあくまで法務関係担当専門の立場から許諾しただけである。だが、プレイモアに関してもユーザーへの対応があまり良いとは言えず、その結果、ますますユーザーの不満が広がってしまった。
また、この『KOF2001』に向けられた不満の内「グラフィックが悪い」という声が2004年まで続いていたという事実を見るからに、SNK倒産時の騒動を知る人間からは未だに「韓国企業に買収された」等と誤解されていることがある。
この『KOF2001』に対する評価の他に、ネオジオ版『SNK VS. CAPCOM SVC CHAOS』に対するKOFファンおよびカプコンファンからの評価、ネオジオMVS版最後の作品として有名な『サムライスピリッツ零SPECIAL』の家庭用への移植に対する古参ユーザーからの評価、『KOF MAXIMUM IMPACT』およびATOMISWAVE版『ネオジオバトルコロシアム』に対する『KOF』ファンからの評価は芳しくなく、それと併せて、『KOF2002』が出てからは『サムライスピリッツ 天下一剣客伝』までヒット作に恵まれなかったという事実を見るからに、『KOF2002』の売り上げを、自社だけではなく『アルゼ王国の闇』シリーズ(後述)の出版元である鹿砦社の給料など諸経費にも充てていたという事実を知らされた多くのSNKファンの非難やクレームはしばしばプレイモア自体への酷評ないしバッシングに繋がった。
さらにはほとんどの家庭用向け作品の発売延期の多さ、また過去にさかのぼれば、海賊版やコピー商品への対策やアルゼとの裁判における費用、そして会社が設立されて数年経っているとはいえ、旧SNKと比べればまだ実績すら乏しく、ゆえに体制が少数精鋭主義であるため、これらを考えれば、ユーザーに対する配慮の不安どころか、今でも会社の経営自体が半分「手探り」とも取れる不安定な状態なのではないか、とも見受けられる。
しかし、格闘ゲームの最大手カプコンの事実上の同ジャンル撤退により今や株式会社サミーと並ぶ数少ない貴重な格闘ゲーム製作メーカーとなった事や、旧SNK時代からの卓越したキャラクター製作センスや単純な対戦専用ツールとしての完成度に対する評価とは別の「ゲーム」としての全体的な演出・エンターテインメント性の高さを評価する者が未だ数多いという事実から、全体的なユーザー人気はまだかなり高いものであるといえる。ユーザーからしてみれば、まだまだ不満なところがあるとはいえ、少しずつではあるが、会社に対する今までの評価が少しずつではあるが変わりつつもある。
[編集] 現在
プラットフォームを「ネオジオ」からサミー(現:セガサミーホールディングス)の「アトミスウェイブ」に移した後、SNKネオジオを吸収合併させ、ようやく単独での販売・開発へとこぎつけた。しかし、「アトミスウェイブ」での開発は『メタルスラッグ6』を最後に撤退し、今後のゲームはタイトーの「タイトー タイプエックス2」をプラットフォームとして開発・販売することとなった。現在は、携帯電話向けのゲームアプリの開発・運営も行っている。
また、業務用以外の開発に関しては、旧SNK時代からの格闘ゲーム中心のスタンスは変わらないもののシミュレーションやRPGなど、さまざまなジャンルの多様化を目指している。近年では市場の流れにあわせてか、萌えを意識したゲームも開発されている。特に、携帯ゲームの『Days of Memoriesシリーズ』は有名で、これらを中心に携帯向けのコンテンツはかなりの出来が良い。ただ、各携帯電話会社による配信の制限に関する事情などが異なっているため、全ての機種の携帯電話で同じサービスを提供する事は困難となっている。現在はFOMA向けのコンテンツが一番豊富である。
[編集] 沿革
- 2001年8月 - 資本金1,000万円で株式会社プレイモア設立。当時の所在地は大阪府吹田市南金田1丁目14番7号。
- 2001年10月 - 株式会社SNKの知的財産所有権一括譲渡を大阪地方裁判所から許可され取得。
- 2001年11月 - 本社を大阪府吹田市豊津町15番11号に移転。
- 2002年2月 - ドリームキャスト用ソフトのライセンス開発、販売を開始。
- 2002年3月 - プレイステーション用ソフトのライセンス開発、販売を開始。
- 2002年4月 - 伊丹工場を兵庫県伊丹市森本5丁目70番地に開設。
- 2002年5月 - ゲームボーイアドバンス用ソフトのライセンス開発を開始。
- 2002年7月 - 社団法人日本遊技関連事業協会加盟。
- 2002年9月 - 東京支店を東京都千代田区外神田2丁目5番15号外神田Kビル6Fに開設。
- 2003年2月 - 本社を大阪府吹田市豊津町14番12号に移転。
- 2003年7月 - 社名を「株式会社プレイモア」から「株式会社SNKプレイモア」に変更
- 2004年11月 - 株式会社SNKネオジオを吸収合併。
- 2005年5月 - 株式会社ネオジオ(資本金1,000万円、出資比率100%)を設立。
- 2005年11月 - 株式会社エヌ・シー・ソフトと業務提携に向けた合意書を締結。
- 2006年9月 - アーケードゲーム、ニンテンドーDSへの参入を発表。
- 2007年2月 - 任天堂製家庭用ゲーム機「Wii」のゲームデータ通信販売サービス「バーチャルコンソール」に参入。同時に「ネオジオ」のデータ配信を2007年夏に開始予定であることが判明した。
[編集] アルゼとの軋轢
SNK破産の際に行われた入札では一時SNKを子会社化していたパチスロメーカーのアルゼも参加していたが、SNKの知的財産権を落札したのはプレイモアであった。
しかしこの入札以降もアルゼは『アルゼ王国シリーズ』等において断わり無くSNKのキャラクターを登場させたり、SNKの商標を用いたりなどの権利侵害行為を続けたことにより、SNKプレイモアは2002年2月28日から4月9日までに3回、更に8月と10月にも1件ずつ計5件の訴訟を起こす(SNK時代の2001年に『サムライスピリッツ』および『クレイジーレーサー』の著作権使用料を踏み倒されたということも含む)。
この5つの訴訟をまとめて、その請求額から「62+70億裁判」と呼ぶこともある。この裁判の影響は大きく、この訴訟などの経緯を双方の視点から述べた『アルゼ王国の闇 巨大アミューズメント業界の裏側』(ISBN 4-8463-0498-1)シリーズ(鹿砦社発行)に対する反響も大きい。尚、この5件の裁判は2004年1月15日の中間判決において、SNKプレイモア側の5件全ての主張を認める判決が出ている。
しかしそれ以降もアルゼからの嫌がらせともとれる行為は続いており、SNKのゲーム『メタルスラッグ』を原作とした、SNKプレイモアとしてのパチスロ第1号機『メタルスラッグ』の発売にタイミングを合わせた製造販売差し止め申し立て、並びにSNKプレイモアに対する知的財産権の偽計競争入札妨害訴訟など[3]、この2社の軋轢は現在もなお続いている。
[編集] ファンとの交流
ここ最近、ファンとの交流がたびたび行われることが多く、年末には代表作の『ザ・キング・オブ・ファイターズ』のファンを中心とした集い「KOF忘年会」というのが開かれる。
また、ファンの個人サイトなどとのコラボレーションも行われることがあり、もっとも有名なのは、「墓標」というサイトの人気コーナー「美形会議」が、『KOF完全読本』の付属CDに収録されていることである。その他にも、東京ゲームショウで、人気キャラクターのアテナをメインに取り扱う個人サイト「ATEHNA COSTUME CONTEST WEB」とのコラボレーションも行われている。
[編集] 譲渡などで引き継がれている他社の版権
ここでは、現在において、他社メーカーからSNKプレイモアに引き継がれている他社のゲーム版権等について説明する。
そのほとんどが、主にSNK時代に提携し、なおかつ、ネオジオによく関わっていたメーカーが挙げられる。
- ADK(旧社名:アルファ電子工業)
- 代表作は、『ワールドヒーローズシリーズ』、『ティンクルスタースプライツ』(引き継がれた後は、SNKプレイモアによって続編が製作されシリーズ化している)、『痛快GANGAN行進曲』など。
- 倒産により、ADKのネオジオ作品の販売を担っていたSNKに引き継がれ、さらに倒産したSNKからSNKプレイモアに引き継がれている。ネオジオの歴史上、両社(ADKとSNK)の関係が深かったためか、現在のSNKプレイモアのゲーム作品では、SNKプレイモアが引き継いだ他社のゲームのキャラの中で(一部作品においてではあるが)、ADKのゲームキャラが多く登場する。
- ナスカ(英名:NAZCA)
- 代表作は、『メタルスラッグ』、『ビッグトーナメントゴルフ』など。
- 元々は、SNKを退社した開発スタッフの一部により設立されたゲームメーカーだったが、その後SNKに吸収合併される。後に「2Dアクションシューティング」というジャンルとして名作ともなる『メタルスラッグ』が、ナスカがSNKに吸収合併された後にシリーズ化。SNK時代にナスカが吸収合併されていなければ、SNKプレイモア製作である『メタルスラッグ6』にて、SNKの純正作品である『怒シリーズ』のキャラクター「ラルフ」、「クラーク」と従来の『メタルスラッグ』キャラの競演も実現できなかったであろう。
- 夢工房(旧社名:アイコム(英名:AICOM))
- 代表作は、『パルスター』、『ザ・キング・オブ・ファイターズ京』、『ナコルル~あのひとからのおくりもの~』、『ブレイジングスター』など。
- 『パルスター』はアイコム時代、ネオジオ向けに製作されたシューティングゲームである。『ザ・キング・オブ・ファイターズ京』と『ナコルル~あのひとからのおくりもの~』は、夢工房に社名を変更してから、SNK許諾のもとで製作された。
[編集] 関連項目
- SNK
- ネオジオ
- 2004年度までのSNKプレイモアのメインプラットフォーム。
- アトミスウェイブ
- 開発はサミー。「ネオジオ」に代わるプラットフォームとして採用(参入)したが、『メタルスラッグ6』をもって、わずか2年ほどで、後述の「タイトー タイプエックス2」にプラットフォームが変更された。詳細は「アトミスウェイブ」の項目を参照されたし。
- セガサミーホールディングス
- タイトー タイプエックス2
- 「アトミスウェイブ」に代わるプラットフォームとして採用(参入)した。
- タイトー
- イオリス
- 設立当初のスポンサーで、韓国の大手ゲームメーカー。
- メガ・エンタープライズ
- 設立当初のスポンサーで、韓国の大手ゲームメーカー。
- ノイズファクトリー
- かつてのSNKグループのメーカー。主に開発を担っていた。
- 悠紀エンタープライズ
- 『森田将棋』の開発で有名なゲームメーカー。まだ、開発が外注だった頃のSNKプレイモアから許諾を受け、『サムライスピリッツ零』、『サムライスピリッツ零スペシャル』、『サムライスピリッツ 天下一剣客伝』を製作した(ディレクターはネオジオ時代の『サムライスピリッツシリーズ』の元スタッフだが、メーカーにとってはこの一連の作品が、初の格闘ゲーム開発だった。ちなみに『アルカナハート』で4作目)。
- カプコン
- SNK WORLD
- SNKプレイモアが運営する携帯サイト。