3年B組金八先生 伝説の教壇に立て!
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ジャンル | ロールプレイドラマ |
対応機種 | プレイステーション2 |
開発元 | チュンソフト |
発売元 | チュンソフト |
人数 | 1人 |
メディア | DVD-ROM1枚 |
発売日 | 2004年6月24日 完全版2005年7月28日 |
価格 | 7140円 完全版:2940円 |
対象年齢 | CERO全年齢対象 完全版はCERO15歳以上対象 |
デバイス | デュアルショック2専用 |
3年B組金八先生 伝説の教壇に立て!(さんねんびーぐみきんぱちせんせい でんせつのきょうだんにたて)は、プレイステーション2用ソフトとして2004年6月24日にチュンソフトより発売されたゲーム。それまでチュンソフトが創ってきたジャンルであるサウンドノベルに続く新たなジャンルRPD(ロールプレイドラマ)という位置づけである。フルボイス、一部アニメーション付き。
廉価版として、発売前の告知等で紹介されながらもCEROレイティングの「全年齢」では収録できなかったシナリオ2本を収録した『3年B組金八先生 伝説の教壇に立て!完全版』が2005年7月28日に、セブンイレブン流通専売ソフトとして先行発売された(レイティングは「15歳以上推奨」)。通常のゲーム店では同年の9月29日より発売。なお、通常版と完全版との間でセーブデータの下位互換性はないため、完全版を新たに購入した場合は、再び0からプレイしなおす必要がある。(後述の才能開花システムとの兼ね合い。シナリオ追加に伴い、一部才能カードの入手方法が異なっているため。)
また、携帯電話アプリに「伝説の教壇に立て!~先生!事件です~」とタイトルを変更して移植されている。ストーリーの内容はほぼ同じだが、金八先生や大森巡査といった原作(TBSによるドラマ版)から借りていたキャラクターは大貫先生、小森巡査などに変更されている。また、ボイスやアニメーションも削除されている。
目次 |
[編集] 概要
TBSのテレビドラマである『3年B組金八先生』のタイトルを冠しているが、内容は完全にチュンソフトのオリジナルで、『金八』のスタッフは製作にほとんど絡んでいない。これは元々学園を舞台としたゲームを制作していたチュンソフトが、既にある程度出来上がったシナリオをTBSに持ち込んで『金八』の名前を使うことを申し入れたためである。これにはいわゆる「学園シミュレーション」や「学園ものギャルゲー」などとの差別化を図る狙いがあった。
舞台となる中学校もドラマの舞台である「桜中学」ではなく「サクラ中学」という独自の設定(ただし美術的には同じ中学校でのロケ)で、また、「坂本金八」や「大森巡査」など『金八』からの登場人物もあくまで特別出演といったポジションでありストーリーへの絡みは薄いが、主人公への助言者としての「金八節」はゲームでも健在である。
ゲーム開発途中でドラマ『金八』の第7シリーズ製作が立ち上がり、結果として放映と前後する時期にゲームが発売されることになった。
[編集] あらすじ
2004年のサクラ中学、名物教師の「金八先生」こと坂本金八が1年間入院することになってしまう。そこに、しばらく教壇を離れていた主人公(プレイヤー)は金八の推薦を受け、代理として教職に復帰する。主人公は3年B組を受け持ち、さまざまな問題を解決しながら、卒業式までの1年をサクラ中学で過ごす。
[編集] ゲームシステム
シナリオ系ゲームで標準的な「グラフィック+文章ウィンドウまたはオーバーラップ」というスタイルではなく、フルボイスを生かしたグラフィックのみの表示となっている点が特徴。さらに、いわゆる「セリフ送りボタン」は用いず自動的に会話が送られるため、イベントシーンはアニメやドラマ番組を見ているような感覚で進行する。(ただし、「読み返し」機能で文章を読むことは可能。また、一度聞いたセリフはスキップ可能)
全体の1年は10話(=10期間)に分かれていて、その期間内で1ないし複数シナリオが展開する(ザッピング)。各シナリオの冒頭および要所ではイベントカードを入手することができる。主人公が移動した先にいる登場人物にイベントカードを使用することで、情報を収集したり、行動を起こしたりして、ゲームを進めていく。
各シナリオには、主人公の行動結果によってグッドエンド、ノーマルエンド、バッドエンドが存在する(グッドエンドとバッドエンドのみのシナリオもある)。バッドエンドになると、プレイヤーは金八先生からの叱咤をうけるハメになってしまう。(第9話~第10話は例外で即ゲームオーバーとなる)
連続テレビドラマを強く意識したらしく、各シナリオは順調にプレイした場合にほぼ1時間でクリアとなるよう構成されている(後述のザッピングが絡んだ場合はその分長くなる)。また、各シナリオの前には15秒の「次回予告」が入る。
[編集] イベントカード
このゲームの最大の特長は、イベントカードという概念である。これは、それまでチュンソフトが創り上げてきたアドベンチャーゲームやサウンドノベルといったゲームに存在するコマンド、フラグ、選択肢といった概念を一つにした新たな概念であると言える。あるときは主人公が行動を起こすコマンドであり、あるときはシナリオの進行を把握できる明示的なフラグであり、またあるときは他キャラクターからの問いかけに答える選択肢なのである。
[編集] ザッピング
ザッピングという概念は、チュンソフトの前作「街 ~運命の交差点~」から少し形を変えて引き継がれている。今作では、教師である主人公の身に、同時にいくつかの出来事(シナリオ)が降りかかるといった形で提示されている。ある生徒が抱える問題を解決するのと同時に、他の生徒の問題も解決しなくてはならないのである。また、あるシナリオに関わっている人物に他シナリオのイベントカードを使用してみることで、思いもよらない反応が返ってくるといったことが起こる。
ただし、ザッピングを念頭に置いて描かれたシナリオが少ないため、ドラマに深みを持たせる役割を果たしているとはあまり言えないところがある。プレイヤーが自らに高難度を課す制限プレイの一種と考えるべきだろう。
完全版では、生徒の問題を解決(シナリオをクリア)すると卒業式での演出が変わるという効果が加わっている。ザッピングプレイにもある種の「ごほうび」がつくよう改良されたと言ってよい。
[編集] 才能開花システム
シナリオとは独立に、才能開花システムという一種のミニゲームがある。マップ上にシナリオと関係のない生徒が出現することがあり、その生徒に「才能カード」というカードを使うと才能が伸び、開花していく。一人の生徒には9+1の才能が眠っている。
才能カードは、自動的に入手できるもの、シナリオをグッドエンドでクリアすることで入手できるもの、生徒のある才能が開花すると入手できるものがある。特定の才能カードがないと才能を全て開花できない生徒も多く、カード入手の手順はパズル的に絡み合ってくる。全生徒の才能を全て開花させるには全シナリオを一度グッドエンドでクリアし、何周ものプレイを才能開花のために充てる必要がある。
この才能開花システムで才能が開花した生徒は、卒業式(エンディング)で仰げば尊しを歌ってくれる。才能開花を全て終わらせれば、3年B組の全員と下パートも付いた合唱を聞くことができる。
[編集] 登場人物
以下はこのゲームに登場する主なキャラクター。ゲーム中のキャラクター総数はゆうに100を超える。
- 3年B組生徒(出席番号順)
- 雨池マミ (声: 小暮英麻)
- 天城あずさ (声: 増田ゆき)
- 伊吹銀平 (声: 奥田啓人)
- 岩木竜二 (声: 清水敏孝)
- 大山太郎 (声: 真殿光昭)
- 北健太 (声: 鶴博幸)
- 櫛形陽子 (声: 奥島和美)
- 久住あい (声: 細野雅世)
- 黒部哲郎 (声: 加藤将之)
- 塩見慶一郎 (声: 加瀬康之)
- 白石雪也 (声: 中村俊洋)
- 白駒クミ (声: 浅井清己)
- 平光夫 (声: 鈴木正和)
- 高千穂誠 (声: 石田彰)
- 月山美咲 (声: 谷井あすか)
- 中島ヒカル (声: 沢城みゆき)
- 夏沢レミ (声: 峯香織)
- 聖あやか (声: 氷上恭子)
- 桧山太陽 (声: 小野大輔)
- 富士美智子 (声: 浅野るり)
- 美原京子 (声: 田上由希子)
- サクラ中学教員
- 坂本金八 (声: 武田鉄矢)
- 主人公(国語) 開発中には松本満天と言う名前があったが、ゲーム中では呼ばれず。発売後は公式情報からも削除されてしまった。
- 鈴木夏子(校長) (声: 谷育子)
- 田沼貴一(教頭) (声: 楠見尚己)
- 高峰通(数学) (声: 森田順平 なお森田はドラマ金八で乾先生を演じている。)
- 広沢りん子(英語) (声: 岡村明美)
- 小須田念次(生活指導) (声: 納谷六朗)
- 相沢カヲル(理科) (声: 樫井笙人)
- 関原大介(体育) (声: 高瀬右光)
- 神崎武則(社会) (声: 坂東尚樹)
- 音無静子(音楽) (声: 幸田直子)
- 久保真理子(スクールカウンセラー) (声: 沢海陽子)
- 水島奈美(校医) (声: 小池亜希子)
- 桐谷正輝(美術) (声: 大塚明夫)
- その他の登場人物
[編集] 声優陣について
声優はマウスプロモーション所属の声優を起用している。ドラマ『金八』で乾先生役を演じている森田順平が高峰先生の声をあてているため、マウスプロモーションを意図的に選んだのではと思えるが、実際のところはスタッフがアポなしでマウスプロモーションを訪れた際にたまたまドラマ『金八』のビデオがあるのを発見し、森田の所属を知ったという全くの偶然だった。
[編集] 舞台
物語はおもに「サクラ中学」を中心とした、荒川沿いの「サクラ区」内で展開する。(例外として修学旅行先の沖縄がある)
なお、イメージイラストの段階ではサクラ中は足立区立であることになっている。また、ゲーム画像中には「佐倉」という漢字表記がみられ、仮に学校名を漢字で表記しても「桜中学」ではないことがわかる。
[編集] シナリオ
- 第0話 「Untitled」
- 第1話 「ようこそ3年B組へ!」
- 第2話 「大人は判ってくれない」
- 第3話 「たったひとつの冴えたやり方」・「勝手にしやがれ」
- 第3 1/2話 「人にやさしく」
- 第4話 「スタア誕生」・「鉄ちゃんの恋」・「連弾」
- 第5話 「星に願いを」・「社会科教師の異常な愛情 (または私は如何にして心配するのをやめて革命を愛するようになったか)」
- 第6話 「足長おじさんの憂鬱」・「僕と犬の楽園」
- 第7話 「決戦! 激戦! 体育祭!!」・「キネマ狂想曲」
- 番外編 「大人たちの長い夜」
- 第8話 「汚れつちまつた悲しみに」
- 第9話 「Tod und Mädchen Erster Teil」
- 第10話 「Tod und Mädchen Zweiter Teil」
- 最終話 「卒業」
[編集] 補足
- 斜体は完全版で追加されたシナリオ。
- 『社会科教師の異常な愛情』は、『鉄ちゃんの恋』をクリアすることで発生。(すなわち最短で2周目)
- 『人にやさしく』は、他シナリオ(番外編を除く)の全イベントカードの入手によって発生。(すなわち最短で3周目)
- 第1話~第2話は1シナリオの前後編で、シナリオカードが共通。
- 第9話~第10話は1シナリオの前後編で、シナリオカードが共通。
- 第0話は1周目のプレイでは発生しない。
- 1話中に複数シナリオがあるものは、1周目のプレイでは1番目のシナリオのみ、2周目では2番目のシナリオのみが発生し、3周目以降になると自由に選択でき、ザッピングプレイが可能となる。
- 番外編は、才能開花システムによって3年B組の全才能が開花しなければ発生しない。オマケシナリオであり、ターン経過が無いなど普通のシナリオとは趣向を変えてある。
- 最終話は卒業式のみのエンディングイベントで、それまでのシナリオのクリア状況によって各人物のメッセージ(および完全版ではカットイン)が変化する。
- シナリオ名には小説や映画のタイトルから取られているものが多い。
[編集] スタッフ
- 監督:イシイジロウ
- キャラクターデザイン:森川聡子
- 音楽プロデュース:中嶋康二郎
- 音楽:多田和孝
- プロデューサー:中村光一
- シナリオディレクション:伊東幸一郎
- シナリオ:
- 北島行徳
- 古田剛志
- 長井知佳
- 檜木田正史
- 桑原裕子
- 黒崎薫
- 戸部浩史
- 斉藤正美
[編集] 関連商品
- 画集「卒業アルバム 桜」
- オリジナルノベルズ「死と乙女 Tod und Mädchen」
- ゲームの第九話と第十話を、ゲーム中では描ききれなかった部分を含め単品の小説として書き直した作品。のちに内容の一部が『完全版』での追加ムービーに反映された。
- オリジナルノベルズ「怪! サクラ中学七不思議」
- オリジナルノベルズ「放課後の方程式」
- 製作過程でゲーム未収録になったシナリオなどが含まれるオムニバス作品。
- 特製メモリーカード
- 3年B組金八先生 伝説の教壇に立て! 公式ガイドブック チュンソフト編
- 3年B組金八先生 伝説の教壇に立て! 公式パーフェクトガイド エンターブレイン
[編集] 関連項目
- エゴン・シーレ(第9話、第10話で言及)
[編集] 外部リンク
- 3年B組金八先生 伝説の教壇に立て!公式サイト http://www.chunsoft.co.jp/game/3b/index.html
- 3年B組金八先生 伝説の教壇に立て! 完全版公式サイト http://www.chunsoft.co.jp/game/3bp/index.html
- 通常版と完全版の違い
- (※チュンソフト公式サイトはリンクフリーではない)