JCSAT
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JCSAT(ジェイシーサット)は、JSAT株式会社によって運営される通信衛星。JCSAT-1B、JCSAT-2A、JCSAT-3、JCSAT-4A、JCSAT-R、JCSAT-110、JCSAT-5Aの7衛星がある。3軸姿勢制御型の人工衛星であり、JCSAT-110、JCSAT-5Aを除き衛星バスはボーイング601。JCSAT-110、JCSAT-5AはA2100AX(ロッキード・マーティン)。
またJCSATの名を冠されているわけではないが、同社ではN-STARa、N-STARb、Horizons-1という通信衛星も運用している。N-STARaとN-STARbは主にNTTグループのサービスに利用され、Horizons-1は米PanAmStat社との共同所有である。
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[編集] JCSAT衛星一覧
- JCSAT-1B 1997年12月3日、アリアン4ロケットにより打ち上げ。軌道位置は東経150度。
- JCSAT-2A 2002年3月29日、アリアン4ロケットにより打ち上げ。軌道位置は東経154度。
- JCSAT-3 1995年8月29日、アトラス2ASロケットにより打ち上げ。軌道位置は東経128度。CS放送のSKY PerfecTV!のサービスにも利用されている。設計寿命まで残りの年数が少なくなっているため、今後はJCSAT-10に後継される予定。
- JCSAT-R 1997年2月17日、アトラス2ASロケットにより打ち上げ。予備衛星。
- JCSAT-4A 1999年2月16日、アトラス2ASロケットにより打ち上げ。軌道位置は東経124度。CS放送のSKY PerfecTV!のサービスにも利用されている。
- JCSAT-110 2000年10月7日、アリアン4ロケットにより打ち上げ。軌道位置は東経110度。CS放送のe2 by スカパー!のサービスに利用されている。別名・N-SAT-110。
- JCSAT-5A 2006年4月13日、ゼニット3SLロケットにより打ち上げ。軌道位置は東経132度。N-STARaの後継機。別名N-STARd。
- JCSAT-3A(JCSAT-10) 2006年8月12日、アリアン5ロケットにより打ち上げ。JCSAT-3の後継機となる。打ち上げ呼称はJCSAT-10。
[編集] 出来事
- 2005年1月17日 - 軌道制御中のJCSAT-1Bの姿勢が崩れ、衛星を監視するためのテレメトリ信号を見失った。これによりJCSAT-1Bを利用する全回線が不通となった。その後、1月19日から順次サービス復旧。
- 2005年7月22日 - 軌道制御中のJCSAT-1Bの姿勢が再び崩れ、衛星を監視するためのテレメトリ信号を見失った。これによりJCSAT-1Bを利用する全回線が不通となった。その後、予備衛星(JCSAT-R)をJCSAT-1Bの軌道位置へ移動しサービスを再開した。JCSAT-1Bは推進系のトラブルが原因で故障したという。
- 2006年4月13日 - N-STARaの後継機JCSAT-5A(調達名称JCSAT-9)の打ち上げに成功。軌道上試験の後、6月8日にロッキード・マーティンより引き渡しを完了した。なお、同機のSバンドトランスポンダを用いて衛星電話サービスを提供するNTTドコモは、同機をN-STARdと呼称しているが、これはドコモが自社単独で保有する通信衛星N-STARcが存在するためである。
- 2006年8月12日 - アリアン5ロケットにより、JCSAT-3の後継となるJCSAT-3A(打ち上げ呼称JCSAT-10)の打ち上げに成功。同年10月に衛星引き渡し。