KDE
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![]() Kontact (個人情報マネージャー) 及び Konqueror (ファイル並びにウエブ・ブラウザー) が動作している KDE 3.5 のスクリーンショット |
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開発元: | The KDE Team |
最新版: | 3.5.6 / 2007年1月25日 |
対応OS: | クロスプラットフォーム |
種別: | デスクトップ環境 |
ライセンス: | GNU General Public Licenseほか |
公式サイト: | http://www.kde.org |
KDE(K Desktop Environment)は、X Window Systemなどの上で動作するフリーソフトウェアのデスクトップ環境である。GNOMEと並ぶメジャーなデスクトップ環境で、SUSE、KNOPPIX、Turbolinuxなどが標準のデスクトップに採用している。
Konquerorというファイルマネージャ、ブラウザ、システム・ネットワークブラウザーを統合したソフトウエアがGUIの中心である。
目次 |
[編集] 沿革
- 1996年10月14日 - が KDEプロジェクトを開始。
- 1998年7月12日 - KDE 1.0リリース
- 2000年10月23日 - KDE 2.0リリース
- 2001年2月26日 - 2.1リリース
- 2001年8月15日 - KDE 2.2リリース
- 2002年4月3日 - KDE 3.0リリース
- 2003年1月28日 - KDE 3.1リリース
- 2004年2月3日 - KDE 3.2リリース
- 2004年8月19日 - KDE 3.3リリース
- 2005年3月16日 - KDE 3.4リリース
- 2005年11月29日 - KDE 3.5リリース
[編集] 概要
GUIツールキットとして、Qtを採用している。ライセンスはQPL、またはGPLのデュアルライセンス。
POSIXプログラムであるためX Window System(X11)さえあればMac OS Xでも動作するが、Mac OS Xにネイティブ対応したバージョンが配布されている。すなわちX11なしで、Aquaの外観で動作する。
KDEのKはとくに意味がなく、創始者が発足時に"Kool Desktop Environment"と称していたり、ドキュメントにはLinuxの頭文字"L"の前のアルファベットだ、との記述も見受けられる。
[編集] デスクトップ環境としてのKDE
基本的なインターフェイスはMicrosoft Windows 95以降のインターフェイスを手本にしている。画面下部にタスクバー及び簡易ランチャが付属し、左端に「kmenu」と呼ばれるメニュー式ランチャが付いている。そのほか、仮想デスクトップという形で複数のデスクトップ環境を同時に利用することができ、これにより、複数のアプリケーションを多くたちあげていても、画面が混乱することが無い。また、タスクバーも複数利用でき、これにより、ランチャやメニューなどの位置を画面上に分散し、利用者に取って使いやすい環境構築することが可能である。ウィンドウ管理は、通常の最小化、最大化の他に、最前面でウィンドウを固定したり、起動時に位置を決めたりする機能がある。
ウィンドウ装飾及びデザインは、KDE標準、Windows風、BeOS風など、導入時点から複数のものを利用することができ、デザインデータを外部からいれることによって、バラエティにとんだインターフェイスを利用できる。また、壁紙も仮想デスクトップ毎に変更できたり、アプリケーションの出力を表示することもできる。
これらの環境設定全体は「Kcontrol」という管理アプリケーションから設定できる。このアプリケーションでは、KDEの環境のみならず、kdmというログインアプリケーションや、ハードウェアへの設定変更も可能になっている。
KDEでは、サウンドサーバーとして「aRts」を採用し、これにより、利用者に取って手軽なサウンドをもたらしている。他にも、「DCOP」(Desktop COmmunication Protocol)という仕組みによって、アプリケーションやスクリプトによって容易にKDEアプリケーションにアクセスできたり、「Kparts」というフレームワークを通してアプリケーションの一部を他のアプリケーションで利用できたりすることができる。このことで、開発者は開発の労力軽減につながり、利用者は、統一されたインターフェイスでアプリケーションの利用がより簡便になる。
[編集] 次期バージョン
次のバージョンはKDE4.0
[編集] KDEアプリケーション
- Konqueror
- KDEの中核をなすウェブブラウザ兼ファイル管理ソフトウェア。基本的にWindowsのInternet Explorerを手本にしているが、タブ機能、多彩なコンテキストメニュー(ファイルのコピー、移動などがコンテキストメニューから行える)、画像データやテキストデータのプレビューなど、多くの機能を持つ。また、ウェブブラウズの機能には、KHTML及びKJSが使われており、これは、アップルコンピュータのSafariにも採用されている。
- Kedit
- KDEのテキスト編集部分を担うSDIアプリケーション。普段は、KonquerorのプレビューやKDevelopのテキスト編集に利用されており、単体のアプリケーションとしては、Kwriteやkateなどが使われる。テキスト編集に利用する最低限の機能しか持たない。
- KDevelop
- KDEアプリケーション及びQt用アプリケーションを作成するための統合開発環境。これと、デザイナを組み合わせることによって、GUIアプリケーションの開発が容易に行える。基本的にはC/C++の開発環境ではあるが、他にもPerlやRubyといったスクリプティング言語の開発にも利用できる。
- Kontact
- MS-OfficeのOutlookに似たPIM。メール管理部分にKMailを採用。アドレス管理、TODOリスト管理、カレンダー、RSSビューワなどの多くの機能を備えている。
- KMail
- メーラー。ネットワーク上のメールの他、Unixらしく、Maildirの読み書きもできる。また、学習機能付きのアンチスパム機能も備える。
- Kopete
- インスタントメッセンジャー
- KOffice
- 「Kword」(ワープロ)、「Kspread」(表計算)、「Kchart」(グラフ作成ツール)、「Kpresenter」(プレゼンテーション)、「Kivio」(図形作成ソフト)、「Kfomula」(数式作成ソフト)、「Krita」(画像作成ソフト)、などからなるオフィススイート。各ソフトウェアを個別に利用できるが、「Kofice ワークスペース」という統一されたインターフェイスから、それらのアプリケーションを一括して利用できる。
- KMedia Player
- 音楽、画像、動画などを一括して利用できる統合メディアプレイヤー。MPlayerをベースとしたアプリケーションで、MPlayerで利用できるコーデックを使って、様々なデータを再生できる。
- amaroK
- 音楽管理ソフト。ローカルディスク内のMP3、Ogg Vorbisなどの音楽データをタグを読み取って統一的に利用できる。また、last.fmへの接続インターフェイスも備えており、これにより、再生した楽曲の情報をネットワーク上に送ることができる。
- Kbabel
- gettextのpoファイルを編集するためのソフト。ソフトウェアを開発する際は、これを使って様々な言語のためのインターフェイスを作成できる。
- SuperKaramba
- カレンダーやスケジュール機能を有する。
他にも、様々なアプリケーションがKDEアプリケーションとして開発されているが、KDEを採用するプロジェクトによって採用するアプリケーションはまちまちである。従って、上記にあがっているアプリケーションや、KDEプロジェクトのページからたどれるアプリケーションでも、利用するには自分で手を入れなければならない場合もある。