MAGI (架空のコンピューター)
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MAGI(マギ)とは、漫画・アニメの『新世紀エヴァンゲリオン』シリーズに登場する架空のコンピューター、特務機関ネルフ本部に設置されているスーパーコンピュータシステム。正式名称は「Super Computer MAGI System」、略称はTokyo-3,MAGI-01である。第拾参話『使徒、侵入』などでの合成音声のアナウンス担当は林原めぐみ。
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[編集] 概要
第7世代の有機コンピュータに個人の人格を移植して思考させる、人格移植OSを搭載した世界初のスーパーコンピュータシステムである。ゲヒルンに所属していた赤木ナオコが基礎理論と本体を開発し、自身の人格を移植させている。ナオコの死後、娘の赤木リツコがセットアップを行い、実際に運用している。
3台のスーパーコンピュータで構成され(詳細は下記)、対象の波長パターン解析、使徒戦における懸念や計画の策定・検討・解決、さらには第3新東京市の市政をも担当する。また、使徒を使徒と認識するために必要不可欠な波長パターン解析もこのMAGIが担当しており、観測対象物が使徒であると認識されれば「パターン青(BLOOD TYPE-BLUE)」が、それ以外の場合では状況に応じて「パターンオレンジ」などが宣言される。
なお、蛇足ではあるが、”第7世代”という呼び方は、現代のコンピュータが第4世代と呼ばれていることから名付けられたと思われる。実際に、非ノイマン型で推論を行う第5世代コンピュータも存在し研究されているが、大きな成果を挙げたとは言いがたい。第7世代と呼ばれるコンピュータがどのような理論原理、デバイス上で動作しているのかは、現段階では想像すら不可能ともいえよう。
[編集] 三者協議システム
MAGIは、微妙に思考プログラムの異なる3基のスーパーコンピュータ(人工知能とも呼ばれる)で構成される。以下は、それぞれの詳細である。
- メルキオール
正式名称はMELCHIOR・1。設計者である赤木ナオコの科学者としての人格を搭載している。発令所内総合分析所の右手に位置している。
- バルタザール
正式名称はBALTHASAR・2。設計者である赤木ナオコの母親としての人格を搭載している。発令所内総合分析所の中央に位置している。
- カスパー
正式名称はCASPER・3。設計者である赤木ナオコの女としての人格を搭載している。発令所内総合分析所の左手に位置している。
上記の3基のうち、1基から提訴された案件について他の2基が可決・否決・保留のいずれかで回答し、3基の合議制によって判断を下す。そのため、3基が対立して判断を下せない「ジレンマ」と呼ばれる状態に陥ることがあるが、リツコによればあえてそのように設計してあるとのことである。「ネルフの頭脳」というべき存在であるが、第六話『決戦、第3新東京市』で葛城ミサトが提唱したヤシマ作戦に対して「賛成2、条件付賛成1」と回答しているように、最終的な意思決定をするのは人間である。ただし、例外として特例582が存在する。
重要な場面で判断を保留にすることが度々あり、また、第拾弐話『奇跡の価値は』においてMAGIの撤退案を無視した作戦遂行が成功したりと、劇中その高性能ぶりを印象付ける場面は少なかった。ただ、第拾参話『使徒、侵入』でリツコが「MAGIの破棄は本部の破棄と同義」と述べていることから、その重要性を窺い知ることができる。そのためか同話ではイロウルによって、劇場版ではMAGI2号等によって、劇中では通算二度もクラッキング(劇中の台詞では「ハッキング」)の対象にされている。
第3新東京市の市政は事実上MAGIが担っており、市議会はその決定に従っているに過ぎない。これについて冬月コウゾウは「民主的」と評している。だが、民主主義の本質は決定に至るまでのプロセスにあり、多数決は儀式に過ぎないという観点から、冬月が皮肉を言ったものと解釈する向きがある。
[編集] 名称の由来
「MAGI」は新約聖書『マタイによる福音書』に登場する「東方の博士」から(同書では博士が3人であると明言されていない)。3基のスーパーコンピュータの個別名称については、7世紀頃に博士を3人であるとして各々に割り当てられた名前から。
[編集] 他のMAGI
MAGIには、本部をオリジナルとする複製が少なくとも世界5ヶ所に存在し、それらはMAGIタイプと呼称される。以下は、劇場版でネルフ本部のMAGIにクラッキングを仕掛けてきたコンピュータである。
- MAGI2号(Matsushiro,MAGI-02):松代 ※MAGIオリジナルのバックアップである。
- MAGI3号(Berlin,MAGI-03):ベルリン(ドイツ)
- MAGI4号(Massachusetts,MAGI-04):マサチューセッツ(アメリカ合衆国)
- MAGI5号(Hamburg,MAGI-05):ハンブルク(ドイツ)
- MAGI6号(Beijing,MAGI-06):北京(中国)
なお、ネルフ本部のMAGIは「オリジナル」としての価値が認められており、侵攻してきた戦略自衛隊をして、第2発令所の爆破を思い止まらせたほどである。
[編集] 現実世界におけるMAGI
本編に登場した様な「人格を持ち、人間の脳を巨大化させたような中央処理装置を持った生体スーパーコンピュータ」などと言うものは、現時点ではありえない。しかしながら「MAGI」の名を持つスーパーコンピュータは実在する。
東京都江東区青海に居を構える「独立行政法人産業技術総合研究所生命情報科学研究センター」が保有する並列PCクラスタサーバの「1024CPU CBRC MAGI Cluster System」がそれである。NEC製。公開されている写真からNECの「Express5800シリーズ・ラックマウントPCサーバ」がベースと考えられ、メインOSが「RedHat Linux 7.1」、並列OSが「SCore 4.1」である。周辺システムのCPUも含めると実に1040個ものCPUを作動させる並列サーバである。並列PCクラスタサーバは、PCアーキテクチャを持ったスーパーコンピュータであると言える。同システムはPCクラスタとして世界最大級の物とされる。
4つのサブシステムに分かれていて、それぞれ「バルタザール(Balthazar)」、「メルキオール(Melchior)」、「カスパー(Caspar)」、「メアリー(Mary)」と名づけられている。同センターのサイトには名称の由来の説明書き等は無いが、生命工学のための研究センターであることを勘案すると『新世紀エヴァンゲリオン』からである可能性が疑われる。また、エヴァのMAGIには存在しない4つ目のシステムの名称については、「東方の三賢者」の平仄から「聖母マリア」である可能性が高い。
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概要ページ | 新劇場版 - 主題歌 |
登場人物 | 碇シンジ - 綾波レイ - 惣流・アスカ・ラングレー - ・・・ |
用語 | エヴァンゲリオン - 使徒 - セカンドインパクト - 第3新東京市 |
ゲーム作品 | 鋼鉄のガールフレンド - 造られしセカイ -another cases- |
その他 | EVANGELION CHRONICLE - CR1 - CR2 - CR3 - パチスロ |
主要スタッフ | 庵野秀明 - 貞本義行 - ガイナックス |