Pivi
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Pivi(ピヴィ)とは、富士フイルムが発売した、主にカメラ付き携帯電話向けの手のひらサイズのモバイルプリンターである。現在までにシリーズ累計約700万台超を販売し、同社製インスタントカメラ・チェキを超えるヒット商品となっている。シリーズの正式名称はInstax Digital(インスタックス デジタル)と称する。Piviは通称であり、富士フイルムの商標である。
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[編集] 名称
Pivi(ピヴィ)と発音する。 由来はピッと(画像を)送って、ビッと(プリント済フィルムを)出すだけの手軽さから名付けられたとされる。
[編集] チェキとの相違点
チェキが名刺サイズの写真を撮影するための、カメラを含めたインスタントカメラの総合的なソリューションを持つのに対して、Piviは携帯電話を併用してのプリントに特化した装置であるという点で大きな相違がある。 基本的には、ほぼ同サイズのフィルムを使用し、ポラロイドに準ずる方式で画像をプリント出力するという点では共通だが、販促上のターゲットが全く異なる。 すなわち、チェキが、カメラ付き携帯電話を持たない消費者や学生のための製品であるとするならば、Piviはカメラ付携帯電話利用者や社会人をターゲットにした製品と呼べる。 Piviの開発には従来の銀塩カメラに代わってデジタルカメラが進出してきた現状や、携帯電話端末へのカメラの搭載と、その急激な技術の進歩を踏まえた背景がある。 この事からPiviは近年の携帯電話内蔵カメラの高画素化にあわせてSVGAを超える大きな画像サイズまで扱う事が出来、チェキプリンターよりも広い解像度の画像が扱えるように設計されている。また、対応する携帯電話の幅も広くなっており、更に大幅な小型化も図られている。 2006年現在、Pivi専用フィルムを使用するインスタントカメラは発売されておらず、Piviフィルムとチェキフィルムの間にも互換性は無い。
[編集] 歴代モデル
- 初期のPivi(MP-100 生産終了)は同社チェキプリンターの後継的な機種として開発された携帯電話向けプリンターである。ブルー、シルキーピンク、ピーコックブルー、アプリコット、ターコイズグリーンの色設定があり、携帯電話の赤外線通信機能を利用して、携帯電話に内蔵のカメラで撮影した画像を印刷できた。専用オプションとして手帳型専用ケースの設定があった(生産終了)。
- 次期製品(現行商品)となるMP-70はデザインが一新され、プリント速度や画質面で大幅な改善が行われた。プラチナホワイト、マットブラック、マシュマロピンク、フレッシュライム色の設定があり、2005年にグッドデザイン賞を受賞した。専用オプションとしてソフトケースの設定がある。
- 2006年に上位機MP-300が発売。IrSimple規格に対応し、同規格に対応する携帯電話等からのデータの伝送時間が大きく短縮された。本体色はブラックのみの設定となっており、本体サイズはMP-70よりやや大きくなった。画質やプリント速度はMP-70と同等。オプションとして、ソフトケースの設定がある。
[編集] 主な機能・仕様
PictBridge対応、焼き増し(リピートプリント)機能、自動画像補正機能等。 プリント時間はおよそ20秒/枚、CR2電池2本で駆動し130枚まで電池交換不要とされる。
[編集] 各モデル共通のオプション・アクセサリ
携帯電話以外のピクトブリッジ規格に対応するデジタルカメラ等から画像を送信する際に使用するIRアダプター(IR-100)や、専用アルバム等の設定がある。
[編集] 適用フィルム
Piviフィルムと称するPivi専用のフィルムに対応する。 チェキ用フィルム同様にフレーム枠があり、フレーム欄にディズニー等の人気キャラクターが予め印刷されたフィルムも発売されている。 Pivi用フィルムシリーズの全てが名刺サイズで規格統一されており、市販の名刺フォルダがアルバム代わりに利用できる事がメリットにもなっている。 フィルムそのものは富士フイルム専売店や家電量販店での販売をはじめ大手ホームセンター等でも扱いがある。 フィルム(台紙)そのもののサイズはチェキのそれと同じだが、フィルムパックがほぼ半分の厚みとなり、飛躍的にコンパクトになった。 また新しいフィルムを入れた時の遮光板の排出も不要となっている。
[編集] TVCF等
実写、イラスト共に、日本童話に登場する、桃太郎、浦島太郎、金太郎等の容姿を模したキャラクターがイメージキャラクターとして使用されていた。MP-70以降には「うさパン」と称する兎とパンダを模したキャラクターがイメージキャラクターとして設定されている。実写TV-CFでの起用タレントはジャニーズ事務所の少年隊ほか。
[編集] 関連サービス
携帯電話向けネットサービスとして、Piviユーザーはオリジナルフレーム画像のダウンロードサービスが受けられるほか、Pivi用の携帯電話向けアプリがメーカーから無償で提供されている。