スーパーロボット大戦α
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ジャンル | シミュレーションRPG |
対応機種 | プレイステーション |
開発元 | バンプレソフト |
発売元 | バンプレスト |
人数 | 1人 |
メディア | CD-ROM1枚 |
発売日 | 2000年5月25日(通常版、限定版) 2001年1月22日(PS one Books) 2005年5月28日(プレミアムエディション) |
価格 | 6980円(通常版) 9800円(限定版) 2200円(PS one Books) 9240円(プレミアムエディション) |
対象年齢 | CERO:全年齢(プレミアムエディション) |
デバイス | ポケットステーション |
売上本数 | 約71万本 |
『スーパーロボット大戦α』は、バンプレストのシミュレーションRPG。スーパーロボット大戦シリーズの一つ。この作品から、開発がウィンキーソフト外注からバンプレソフトによる開発に変わっている。2000年5月25日発売。プレイステーション専用、全67話。
後の『スーパーロボット大戦α外伝』、『第2次スーパーロボット大戦α』を経て『第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ』で完結する、「αシリーズ」の第1作。
ドリームキャスト版『スーパーロボット大戦α for Dreamcast』が同時開発されていたが、開発が難航したために発売日が2001年8月30日まで伸び、独立して完結するよう変更が加えられたため実質リメイク作品のような扱いとなっている。
『第3次スーパーロボット大戦α』発売時には本作と『スーパーロボット大戦α外伝』・『第2次スーパーロボット大戦α』の3本が同梱された『スーパーロボット大戦α PREMIUM EDITION』が発売されている。
目次 |
[編集] 概要
本作は、それ以前の『F/F完結編』等の第○次シリーズに取って代わる、新世代のスーパーロボット大戦第1弾である。スーパーロボット大戦シリーズ全作品中最高セールスを記録し、メジャータイトルとしての確固たる地位を築いた。シリーズ最高傑作との声も高い。
シリーズ初の試みとして、各原作で起きた事件を一つの年表にまとめ世界観を統一するという試みがなされた。ただし、次作『α外伝』で追加された設定により矛盾が生じ、この年表は意味をなさなくなってしまった。
尚、DC版ではPS版に加え、さまざまな改良が施されており戦闘シーンの3Dグラフィック化等、後の『GC/XO』の源流となった要素も多い。また、PS版ではオフボーカル版のみの収録であった「愛・おぼえていますか」にDC版ではボーカルが追加された。余談ではあるが、DC版のTVCMはリン・ミンメイ役の飯島真理をナレーションに起用し、僅か数十秒のCMのために、スタッフが飯島が当時在住していた米国のロサンゼルスにまで足を運び、収録を行ったという労作でもある。
プロデューサーの寺田貴信が大きく作品の内容に関与している事が、ユーザーの間で深く認知されるようになった作品でもある。シリーズ中で最も売れた作品であることも手伝って賛否の声も大きく広がった。
[編集] 登場作品
ジャンル | シミュレーションRPG |
対応機種 | ドリームキャスト |
開発元 | バンプレソフト スマイルビット |
発売元 | バンプレスト |
人数 | 1人 |
メディア | GD-ROM1枚 |
発売日 | 2001年8月30日 |
価格 | 8,190円(税込) |
売上本数 | 約7万本 |
『スーパーロボット大戦α for Dreamcast』で追加
初登場作品はマクロスシリーズおよび『THE END OF EVANGELION』。さらに、DC版では『機甲世紀Gブレイカー』が初登場しておりゲームからの初参戦となっているが、DC版の売り上げが振るわずあまり話題にならなかった。
『魔装機神 THE LOAD OF ELEMENTAL』と『超機大戦SRX』はバンプレストオリジナルとしてまとめられずに別々にクレジットされており、この競演が『OG』への布石となった。
[編集] グラフィック
ユニットがフルアニメーションするようになり、戦闘アニメに臨場感が増したのが本作の最大の特徴である。MAPも見下ろし型となったほか、SDガンダムのみに描かれていた瞳が無くなり、キャラクター的要素が無くなっている(但し開発中の画面では瞳は存在していた)。なお、戦闘中のキャラクターのグラフィックはヘルメットを被っているなど、原作そのままの雰囲気を生かしたグラフィックとなっている(これまでにもゲッターロボやコンバトラーVなどのキャラクターはヘルメットを被っていることもあった)。また、インターミッションでのキャラクターの顔グラフィックはバストアップになっている。なお本作以降、キャラのグラフィックは基本の表情を元に目や口のみを描き換え、さらにこれを傾斜させるなどして各表情をまかなっている。これはあまりに登場キャラクターが増えたため、作業行程の簡略を目指した苦肉の策と思われる。そのため『F/F完結編』までにあった豊かな表情変化が見られなくなっている。
DC版では画像の表示機能の向上にあわせてアニメ調に塗られたバストアップが描きおこされ(但し戦闘シーンなどではPS版のグラフィックを使いまわしている)、PS2などで発売された以後のシリーズで使い回され続けられた。
[編集] システム
本作のシステムは、それ以後発売される作品の基礎となるシステムを持つ。
- ゲームバランス
- 能力のインフレが起きてしまった『F/F完結編』を教訓にゲームバランスの大幅な見直しが行われた。今までの作品に多かったお荷物同然の使えないパイロットの存在がほとんどなくなり、特にガンダム系のオールドタイプパイロットは能力を再評価され原作通りの活躍が出来るようになった。しかしユニット間の個性は薄まり、没個性化が進む事となる。モビルスーツのビームライフルがP属性の武器となったのも本作からである(能力が低いモビルスーツへの救済措置であったため、Zガンダムなど一部のMSのビームライフルはP属性ではなかった)。
- 戦闘アニメカット
- 本作において戦闘アニメのON・OFF機能が初めて搭載された。それまでは製作スタッフの「戦闘アニメを見てほしい」というこだわりにより搭載されていなかった。プレイ時間が長くなる傾向の高い本シリーズにおいて、戦闘が単純作業に堕してしまいがちであり(特に複数周回プレイともなると)、戦闘アニメをスキップしたいという意見が寄せられたためであろう。
- 距離の概念
- MAPが従来の平面の升目から見下ろし型になったことで、距離や高さの概念が導入された。距離が近いほど命中率が上がり、今までは威力が低く使い道の無かった射程の短い武器の使い勝手が上がった。距離の概念は第1作に既にあったが、本格的に採用されたのは本作からである。
- 熟練度
- このポイントが高ければゲーム難易度が上昇し、隠しユニットを手に入れる機会も得られる。ただし本作では熟練度上昇条件は選択肢によるものもあったため、純粋にプレイヤーの技量がゲーム難易度に反映されるとは言い難い仕様である。
- ミニゲーム
- ポケットステーションにミニゲーム「サイスロット」「サイシュート」をダウンロードする事ができ、ミニゲームの点数を資金に還元する事が可能になっている。ただし、資金に還元出来るのは1ステージ1回だけとなっており、ミニゲームで無限に資金を稼ぐ事が出来ない。なおDC版ではビジュアルメモリにミニゲームが実装される事はなかった。
[編集] オリジナルキャラクター
本項は『α』のストーリー内での説明を行う。各キャラクターの詳しい説明はバンプレストオリジナルのキャラクター一覧を参照のこと。 本シリーズでは旧作で敵であった「ディバイン・クルセイダーズ」が味方として登場しているが、総裁であるビアン・ゾルダークは「人類に逃げ場なし」の言葉を残して木星圏で行方不明となっている。
[編集] 主人公
『第4次』や『F』に続く8人選択タイプ。性格によって対応する恋人が決まっているのも同じ。デザインは河野さち子。 スーパー系の主人公と恋人は兜甲児のクラスメイトでグルンガスト弐式に、リアル系の主人公と恋人はマオ・インダストリーの社員でヒュッケバインMk-IIに乗ることに。どちらの場合も戦闘に巻き込まれて恋人が行方不明になってしまう。その後、主人公はロンド・ベル隊の一員となって戦うこととなり、恋人は記憶を失うがイルムに保護されて共に行動することとなる。イルムと恋人は目的の為に、主人公と戦闘をすることもあったが、最終的にはロンド・ベル隊に合流する。エンディングでは、それまでに溜めた「恋人ポイント」が一定の数値に達している場合、恋人の記憶が戻るがPS版ではバグで絶対に戻ることがなかった。主人公がスーパー系の場合、恋人はヒュッケバインMk-IIに乗っているが仲間になる時は虎王機に搭乗。合体時は虎龍王のパイロットとなる。対してリアル系はグルンガスト弐式に乗っており、仲間になってもそのままである。ヒュッケバイン・ガンナーの設定では2人乗りが可能とされていたにも関わらず、最後まで恋人の機体が弐式であった事はプレイヤーからも批判の声が上がった。また主人公達の設定はゲームに反映されていないものも多く(例:レオナとライが従兄妹)、性格もゲーム全体を通して暗いため、その点もプレイヤーから批判されている。
- ブルックリン・ラックフィールド
- 真面目で正義感が強い性格。愛称は「ブリット」。『第2次α』以降はクスハのパートナーとして活躍。なお、主人公に選んだ場合のEDでは軍を退役してDCに入り、それまでの経験を生かして人型機動兵器のテストパイロットをやることになった。
- リョウト・ヒカワ
- 内気で心優しい性格。EDではロンド・ベルに残った。
- ユウキ・ジェグナン
- 沈着冷静で頭脳明晰な性格。愛称は「ユウ」。この頃から異星人や怪奇現象の存在を認めておらず、内心ではパニックに陥っているという設定は存在するが、ゲーム中はそんな素振りを見せなかった。逆に、『OG2』でも描かれた紅茶好きの一面はこの頃から健在で、EDで名台詞を残している。EDでは軍を辞めて宇宙開発公団に入った。
- タスク・シングウジ
- 能天気で楽観主義者な性格。EDでは破嵐万丈のもとで戦後復興に努めることとなった。
- リオ・メイロン
- 真面目で正義感が強い性格。この頃からマオ社の重役の娘という設定はあるが、ストーリーでは無視されている。
- クスハ・ミズハ
- 内気で心優しい性格。EDでは医者を目指して勉強を始めており、『第2次α』序盤に繋がっている。ちなみに、この時点で栄養ドリンクを作るのが趣味という設定は存在しない。
- レオナ・ガーシュタイン
- 沈着冷静で頭脳明晰な性格。この頃からライと従兄妹同士という設定はあるが、ストーリーでは無視されている。料理が下手で、さらに音痴(後者の欠点は『OG』シリーズでもまだ使われていない)。後に彼女の声優を務めた榊原ゆい(当時の芸名は雛野まよ)は「レオナを演じた際、収録を待っていたら、オーディションで録った声が発売されたゲームに使われて驚いた」と語っている。EDではロイ・フォッカーやブルーノ・J・グローバルの勧めもあってSDFへ所属することになった。
- リルカーラ・ボーグナイン
- 能天気で楽観主義者な性格。愛称は「カーラ」もしくは「リルカ」(後者はゲームでは使われていない)。EDでは芸能界デビューを目指して頑張っている。なお、この時点で弟がいるという設定は存在しない。
[編集] 超機大戦SRX
SRXの世界観は今回のメインと言っていい。『新』の頃から比べ、『α』までに様々な設定や世界観の再構築が行われ、シナリオライターも違う為に過去との印象が変わっているキャラクターも。ルート選択ではブライト艦に所属してることが多い。
- リュウセイ・ダテ
- R-1及び、SRXのパイロット。主人公キャラよりも主人公らしい活躍をする。
- ライディース・F・ブランシュタイン
- R-2のパイロット。専用BGM『ICE MAN』は今作から登場した。
- アヤ・コバヤシ
- R-3のパイロット。『新』では月面マップBGMだった『PSYCHIC ENERGY』が今作よりアヤの専用BGMとなった。『新』ではアムロに心惹かれていたが、今作ではイングラムに惚れている。
- イングラム・プリスケン
- 主人公やリュウセイのサイコドライバーとしての覚醒を促す為に暗躍する。乗機はR-GUNパワード。中盤に裏切り、敵となるが説得などで最終面では味方となる。『スーパーヒーロー作戦』の主人公(乗機はR-GUN)であるが、当時と全く性格が違う上に味方を裏切った事に戸惑ったファンも多い。
- ヴィレッタ・バディム
- 今作では敵としての登場期間が長く、仲間になるのは終盤となる。本作の専用BGMはレビと共通の『MARIONETTE MESSIAH』。初出はイングラムと同じく『スーパーヒーロー作戦』。
- カーク・ハミル
- ゲームに登場するのは今回が初めて。
- ロバート・オオミヤ
- ゲームに登場するのは今回が初めて。
- ケンゾウ・コバヤシ
- ゲームに登場するのは今回が初めて。怪しい人物として描かれる。
[編集] 魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL
本作で、はじめて阪田雅彦の手を離れての魔装機神のキャラクター達が描かれることとなった。時系列的には魔装機神第一章終了後。旧シリーズで言えば『第2次』の頃である。 魔装機神のキャラクターは分岐ではグラン・ガラン隊にいることが多い。
- マサキ・アンドー
- 旧シリーズと似たような扱い。リュウセイとの会話シーンが多い。
- シロ、クロ
- 今回も赤木リツコ博士の執心を買っている。
- ミオ・サスガ
- とある条件を満たすと、ちらっと登場する。
- リューネ・ゾルダーク
- ビアンと共に木星圏へ向かう。その後、ジュピトリアンと対立し、追われているところをマサキが助けた。
- シュウ・シラカワ
- DCの副総裁として登場。今回は味方。様々な場面で圧倒的な能力を見せ付けてくれる。
- チカ
- シュウの使い魔。ほんの少しだけ台詞があるがシュウ以外とは絡まない。『LOE』ではチカはこの時点ではラ・ギアスに残されている事になっている。
[編集] その他、味方
イルムは「ライバル」であり、加入条件に「ライバルポイント」が関係しているが、ストーリーや演出ではライバルらしくない。主人公がリアル系の時はグルンガスト改、スーパー系の時はヒュッケバインEXに搭乗している。
- イルムガルト・カザハラ
- 主人公の恋人を保護し、ヒュッケバインやグルンガストを強奪して軍を出奔した。シナリオ「ギア・オブ・ディスティニー」で条件を満たせば加入する。その際、リューネとの会話によるとゲシュペンストでヴァルシオーネと模擬戦をしたこともあるとか。『F』に比べて一気に10歳老けた。なお、『α』の設定では『LOE』第1章でマサキが一度地上に上がった際に遭遇した連邦軍のパイロットはイルムという事になっている。
- リン・マオ
- マオ・インダストリーの社長。イルムの元恋人。今回は脇役としての登場でパイロットにはならない。どうやらイングラムにも心惹かれていたらしい描写が存在するが、不評だったのか、以降の作品にこの設定は登場しない。
- 安西エリ
- 今回は蚩尤塚で龍虎王などを調べており、それを狙うBF団に追われている。
[編集] エアロゲイター(ゼ・バルマリィ帝国監察軍第7艦隊)
『α』の時点ではキャンベル星、ボアザン星はゼ・バリマリィ帝国に征服されている。また、パプティマス・シロッコやシャピロ・キーツは第7艦隊に取り入っており、幹部扱いである。シャピロは戦闘時にはエゼキエルやハバククに搭乗している。
- ラオデキヤ・ジュデッカ・ゴッツォ
- 第7艦隊の士帥。PS版ではユーゼスに利用されていたが、DC版ではそのユーゼスさえも利用する人物の手駒となっていた。『スーパーヒーロー作戦』でも少しだけ登場した。
- ユーゼス・ゴッツォ
- 科学者。PS版のラスボス。クロスゲート・パラダイム・システムを完成させる為に暗躍・奔走する。
- レビ・トーラー/マイ・コバヤシ
- エアロゲイターの指揮官。アヤの妹「マイ・コバヤシ」という設定が付加された。最終的にはロンド・ベル隊に保護される。R-GUNのパイロットになることも。レビ=マイというのはこの時点ではあくまで推測であり、ゲーム中ははっきりとしていないのだが、『OG2』以降マイの初出は本作という事にされている。「愛・おぼえていますか」のメロディに反応していた。
[編集] スタッフ
- プロデューサー
- 寺田貴信
- じっぱひとからげ
- 脚本・総監督
- 寺田貴信
- オリジナルメカデザイン
- カトキハジメ
- 宮武一貴
- 森木靖秦
- 永井豪
- 石川賢
- 丸山功一
- 杉浦俊朗
- 守谷淳一
- オリジナルキャラクターデザイン
- 河野さち子
[編集] コミック
- スーパーロボット大戦α THE STORY 竜が滅ぶ日 作:長谷川裕一
- 講談社マガジンZにて短期集中連載として掲載された作品。『α』本編の前日談で、作中では語られなかった恐竜帝国の地上侵攻を描いている。DC版にはこれに伴うPS版からのセリフ等の変更がある。
- スーパーロボット大戦α さいこどらいばぁず 作:こいでたく
- エンターブレインから発行されていた月刊ファミ通ブロスにて連載されていた作品。スーパー系のクスハが主人公のギャグ漫画。全一巻
- スーパーロボット大戦トリビュート
- バンプレスト監修のアンソロジーコミック。ゲーム中に語られなかったサブストーリーを描いている。
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第○次シリーズ | 第2次/G - 第3次 - EX - 第4次/S - LOE - F/完結編 - CB |
αシリーズ | α/DC版 - α外伝 - 第2次α - 第3次α |
COMPACTシリーズ | COMPACT/WSC版 - COMPACT2/IMPACT - COMPACT3 |
任天堂携帯機単発 | 初代 - A - R - D - J - W |
単発 | 新 - 64/LB - MX/ポータブル - GC/XO - SC |
OGシリーズ | OG1 - OG2 - OVA - OGS - DW - 龍虎王伝奇 |
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