セビリャ
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マエストランサ闘牛場 |
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州 | アンダルシア州 |
県 | セビリャ県 |
面積 | 141.31km² |
標高 | 7m |
人口 | 704,414人(2006年)、第4位 |
人口密度 | 4985人/km² |
37°23'N 5°59'W |
セビリャ(Sevilla)はスペインの都市。アンダルシア州の州都で、セビリャ県の県都。人口は70万人でスペイン第4位。セビリャ都市圏の人口は130万人に上る。スペイン南部の政治、経済、文化の中心地であり、観光都市である。
日本では、ラテン語風にセビリアやセビリヤとする表記が一般に定着している(「セビリアの理髪師」など)。また、スペイン語発音のセビーリャやマドリード首都圏発音のセビージャとも表記される。スペイン語では"v"は"b"とほぼ同じ発音であるが、英語風にセヴィージャなどと表記する者もいる。英語ではSeville (「セヴィル」 太字はアクセント)、フランス語ではSéville(「セヴィル」 アクセントなし)と発音する。
目次 |
[編集] 地勢
グアダルキビール川沿いに位置しており、大西洋からセビリャまで船舶が遡航できる。そのために港湾都市としての役割を果たし、農作物や工業製品が盛んに輸出される。近隣の都市としては、約100キロ南西のカディス、120キロ北東のコルドバが挙げられる。
[編集] 歴史
古代ローマ時代には「ヒスパリス」と呼ばれた。紀元前8世紀か9世紀にタルテソスにより支配され、のちにフェニキア人やカルタゴ人の植民都市となった。カルタゴ人は紀元前216年に都市を破壊したが、紀元前206年にスキピオが近郊にイタリカを建設し、ヒスパリスの再建を始めた。
8世紀よりイスラム勢力の支配下に入り、「イスビリヤー」と呼ばれるようになった。タイファ諸国の分立期には、セビリャ王国が栄えた。レコンキスタの進展により、1248年にカスティーリャ王国のフェルナンド3世に征服され、以降はカスティーリャ王国の主要都市として発展した。
イタリアのジェノヴァ商人がセビリャに拠点をおいて積極的な活動を行っており、中世より港湾都市として栄えた。当初はキリスト教徒とユダヤ教徒の共存がみられたが、14世紀半ばのペスト(黒死病)大流行の原因がユダヤ人に帰されるなど反ユダヤ主義の風潮が強まり、14世紀末にはこの都市でポグロム(ユダヤ人虐殺)が起こった。この動きは他の都市にまで波及をみせ、多くのユダヤ人が迫害を受けた。
15世紀後半、カスティーリャ王国とアラゴン王国の合併によって成立したスペイン王国は、同世紀末にレコンキスタを完了させるとともに新大陸へ航海を進めた。イベリア半島西岸と航路で結ばれているセビリャは、アメリカとの貿易の独占港となって繁栄を誇った。16世紀から17世紀には、セビリャはスペインでもっとも人口の多い都市となり、1649年には13万人を数えた。その年にペストが大流行し、セビリャは重要性を失い始めたが、バロック美術の中心地として重要性を保った。
19世紀のスペイン立憲革命では、セビリャは自由主義者の拠点となった。20世紀のスペイン内戦では、アフリカに近い位置にあることから、早期にフランコ軍に占領された。
1992年にはセビリア万博が開催された。万博に合わせて、グアダルキビール川にはアラミロ橋が建設された。2002年には欧州理事会の会場となった。
現在、セビリャは社会労働党の強固な地盤となっており、2004年の総選挙では他党を30%以上も引き離した(スペインの県都の中でもっとも高い)。
[編集] 観光
闘牛やフラメンコの本場で、スペインを代表する観光都市。セビリャ大聖堂、アルカサル、インディアス古文書館は世界遺産に登録されている。
- セビリャ大聖堂 - 1402年に建設が始まり、16世紀に完成した。カトリックの大聖堂としては世界一大きい(サン・ピエトロ大聖堂を除く)。内部にはクリストファー・コロンブスの墓がある。
- アルカサル - スペイン王室の宮殿。イスラム時代の建築物の跡地に14世紀に建設された。ムデハル様式の代表例の一つ。
- インディアス古文書館(en)
- 黄金の塔(en)
- スペイン広場
- マエストランサ闘牛場
- タブラオでのフラメンコショー
- グアダルキビール川遊覧
[編集] 交通
セビリャ空港(Aeropuerto de Sevilla)は、市内から北西に約10kmのところにある。セビリア万博開催にあわせ拡張された。IATA空港コードはSVQ。
マドリードからはコルドバを経由して高速鉄道(AVE)が通っている。
[編集] スポーツ
[編集] サッカー
いずれもリーガ・エスパニョーラ所属。
[編集] バスケットボール
- CDBセビリャ(CDB Sevilla)
[編集] セビリャ出身の著名人
- イタリカ生まれのローマ皇帝:トラヤヌス、ハドリアヌス
- キリスト教:セビリャのイシドロ、バルトロメ・デ・ラス・カサス
- 画家:ディエゴ・ベラスケス、バルトロメ・エステバン・ムリーリョ
- 文学者:マテオ・アレマン、ビセンテ・アレイクサンドレ
- 作曲家:クリストバル・デ・モラーレス、フランシスコ・コレア・デ・アラウホ、ホアキン・トゥリーナ
- サッカー選手:ホセ・アントニオ・レジェス、セルヒオ・ラモス
- その他:アントニョ・デ・ウリョーア(探検家・天文学者)
[編集] 姉妹都市
[編集] フィクション中のセビリャ
- セビリャはドン・ファン伝説の舞台である。
- いくつものオペラの舞台となっている。モーツァルトの『フィガロの結婚』と『ドン・ジョヴァンニ』、ロッシーニの『セビリアの理髪師』、ビゼーの『カルメン』など。
- スペイン広場は、映画『アラビアのロレンス』、『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』のロケ地となった。
[編集] 外部リンク
- Ayuntamiento de Sevilla - セビリャ市のサイト(スペイン語)
- Consorcio de Turismo de Sevilla - 観光協会(スペイン語、英語など)