バク (おねがいマイメロディ)
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バク (おねがいマイメロディ)は、テレビアニメ『おねがいマイメロディ』及び『おねがいマイメロディ ~くるくるシャッフル!~』に登場するキャラクター。本作主役キャラクター・マイメロディと敵対するライバルキャラクター・クロミに付き従う子分的存在である。(声:前田登 < はりけ~んず > )
サンリオのキャラクターグッズとしての解説は、クロミの記事内の「バク」を参照。
作品全体の解説については『おねがいマイメロディ』及び『おねがいマイメロディ ~くるくるシャッフル!~』を参照。
アニメに登場する主要なキャラクターの解説は、それぞれ下記項目を参照。- マイメロディ・・・マイメロディ_(おねがいマイメロディ)
- クロミ・・・クロミ_(おねがいマイメロディ)
- マリーランドに住む登場キャラクター・・・おねがいマイメロディの登場キャラクター・マリーランドの人々
- 人間界に住む登場キャラクター・・・おねがいマイメロディの登場キャラクター・人間界の人々
- マイメロディ・・・マイメロディ_(おねがいマイメロディ)
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] プロフィール
- 誕生日は2月29日 (うるう年)。
- 本名はバク一郎。クロミのお供の紫色のバク(その色が好き)。体の形と色から「なすび」と言わるが、自覚はしていて体に火がつくと「焼きナスになる」と自分で言っている。語尾は、バク母の実家の口癖がうつり「~ゾナ」[1]。苦労人なせいか「人生勝ち組」が口癖。好きな食べ物は、たこ焼きと焼き鳥(串に刺さった食べ物が好き)。
- ラテン文字表記はBaku。
[編集] マリーランド時代
- クロミとの出会い
- 大家族の長男として、共働きの両親の代わりに弟たちの世話をしていた。ある日、バク父と喧嘩し浜辺で一人泣いていると、マイメロへの鬱憤を晴らしに夕日に向かって叫びに来たクロミと出会う。ハンカチを差し出され「男は泣くもんじゃない」と元気付けられ、その時自分に対して初めて優しくしてくれたクロミに一生ついて行くことを決心した。
- クロミについて行く
- その後、悪さが過ぎたクロミが裁判で裁かれることになり、法廷に乱入し「クロミがパンを盗ったのは、バク父の酒代がかさみ家族の食費が足りなくなり、弟たちがお腹を空かせていたのを、クロミが見かねてバクの家に持ってきたから」と弁護する。それを聞いた裁判官がバクも裁こうとした時、クロミがバクを庇うために強く否定してしまう。判決でクロミはお城の反省室に入ることになるが一緒にいたい気持ちですぐに調理場のパンを盗り、クロミと共に反省室に入れられた。その後、隙を見計らいクロミと共にお城から脱走し、人間界に逃亡した。
[編集] マイメロとの関係
- クロミの悪夢魔法を解けるのがマイメロだけなので、魔法が暴走してピンチになると、敵という関係を無視し助けを求める。またクロミにバクノートが見つかり喧嘩別れした時、行く当ての無いバクを、マイメロが夢野家に誘ってくれたこともあり、マイメロの事も結構好き。
[編集] 人間界での生活
[編集] 人間界でのクロミとの日常
- 背中にクロミを乗せ空を飛び、夢のにおいを探す。クロミとの会話は漫才じみており、人間からは「漫才コンビ」「デカナス」「ぼけなすび」と呼ばれる。兎に角、クロミにいじめられ[2]、突っ込みをいれたりして口答えすると、「ゆるい腹」をつねられたりハリセンで叩かれたりキックを食らったりアッパーカットで地球を一周している。
- 居候先の柊家ではクロミと同じ部屋だが、部屋の隅に建てた「バク小屋」で寝る。バクだけ、柊兄弟からガス水道光熱費などを請求されるため、アルバイト[3]をして支払うが、払わなくてもよいクロミの分も意地で払う。アルバイトで得たお金は、バクの形をした貯金箱に貯めている。クロミの生活費がバクの家計に影響し、第47話では、財布にお金がないことに気づかず店でたこ焼きを食べたため店主に捕まり、気絶していたクロミも共犯にされ無銭飲食で警察に突き出された。
[編集] バクの一日
- 第35話では、絵に描いた好青年のような一日が紹介された。
[編集] 能力
- 器用で博学、家事も得意
- 大家族で生活をおくったため、料理や掃除など家事が得意。弟たちの世話をしていたため、子育てについては「下手な育児所よりよっぽどノウハウがある」と自負する。手先が器用で、造花の内職や裁縫(自分の体の傷も直すことにも用いられる。生地が破れ腹部から白い綿が出てしまった際に、自分で白い糸で縫い合わせ、治療した)もできる。自分の体の色でもある色素ナスニンには、抗酸化物質として知られるポリフェノールの一種アントシアニンが含まれていることを知り、香取のお菓子対決で健康的なお菓子「なすびパイ」を作るが不評だった。人間界で生活費のために、毎朝、新聞配達をしていたが、新聞の人間界の文字(日本語)が目に入るうちに、書かれている文字を読めるようになった。
- 多才
- かなり芸達者で、黒音符を手に入れるためのお芝居用コスプレに凝り、チアガール、花の妖精、柊恵一などを演じ、クロミと合体し人間大のコスプレもする(中の人の役)。ダジャレが解り、夢野家では父・雅彦と意気投合した。演歌好きで持ち歌は「愛・終列車」。
- 非常にタフな体
- 体が丈夫で回復が早い。鮫に食べられ消化(溶か)されかけたこともある。復活したダークパワーの精のビーム攻撃が直撃し黒焦げになった時は、クロミがドリームパワーの歌を歌う時には元に戻り、歌のコスプレをしていた(この時はドリームパワーの影響の可能性もある)。ちなみに体が焦げると、焼き茄子の匂いがする。
- バク族の能力
- バク族には謎の力があり、その全貌は底知れず、バク父でも良く知らない。
- 耳
- 耳を羽ばたかせて自在に空を飛ぶ。(そのため『くるくるシャッフル』第1話では、近衛兵に捕まった後、マリーランドへ護送する際に、飛んで逃亡できないよう耳を結ばれた)。他にも新聞紙を持ったり、耳を大きく広げクロミのマントや掛け布団代わりにもなる。
- 夢を司る
- バクの一族は夢を司る能力を持つため夢のにおいが分かり、55年に一度満月の夜に夢のはざまの世界に侵入することができる。その儀式の呪文は、「ゾナがゾナでゾナ5段活用、ゾナ、ゾシ、ゾラ、ゾリー! 眠りの夢の主召喚ゾナ!」と唱え、眠りの夢の主を魔方陣の上に召喚(召喚されたものは何をされても起きない)し、召喚後「ゾナ、ゾシ、ゾラ、ゾリ、月見て一途なコイコイ夢!」と唱え、夢の主から夢を吸い込む。吸い込んで膨れたバクの体の口から入り、体の中で召喚された人の夢の世界を体験することができる。
- 黒音符を蓄える
- 黒音符を口から体内にためることができ、たくさん音符が発生すると、串に刺していただいた。音符には出した人独特の味があるらしい[5]。
- 鋭い感覚を持つ
- 特別な感覚でメールの電波も受信した時もある。ダークパワーも感じ取り、柊恵一がメロディ・ボウでの演奏中に、歌のことが気になり集中力が少し落ちた時にも「音色が甘い」と指摘した。『くるくるシャッフル』では、打倒勝ち組ため、負け犬オーラの研究をしていたためか、負け犬オーラの匂いも感じるようになった。柊恵一からも負け犬オーラの匂いを感じとり、自分の仲間と言っている。
- なすビーム
- 高御茄子神から授かった力により、口から発射した紫色の巨大なビーム。復活し巨大なダークパワーに打ち勝てなかった。
- 負け犬ビーム
- ウサミミ仮面のイケメンビームを破ろうとした気持ちから、未知の能力が発動しうまれた技。紫と緑が混じった光線を放つが、イケメンビームに敗れる。この光線を人間が受けると、即座に身体が紫色に変わってしまい、時間の経過と共によりバク族の姿に近付いていく。この呪いは、ピンクの森にある虹色の花で解く事が可能。
- 負け犬の遠吠え攻撃
- バクがなすび仮面に変身し、ウサミミ仮面に戦いを挑んだ時に放ったビーム技。「くやしい、うらやましい、ひもじい」など勝ち組に対しての恨みつらみを、卑屈なねたみ声で呟いた直後に、負け犬ビームを放つ。
[編集] 性格
- マゾっ気とも思われる「我慢強さ」
- サンリオ公式プロフィールの通り、非常に我慢強く忍耐強い。そのため、クロミにどんなことをされてもめげないのだが、いつもと違う時には「こんなのクロミ様らしくない」とMっぽい発言をしている。
- 忠節を尽くす
- クロミと似たところがあり、好きなものには一途に尽くす。クロミが本当は優しい人と分かっていて、自分を「クロミ様の忠実なるナイト」(自称:バク・ホーヘンベルク・フォン・シュトロハイム)と言うように、クロミの幸せが自分の幸せ。クロミのためなら身を挺し、自分の手を燃やしたり、満身創痍の状態であっても最後の気力尽きるまで諦めず守ろうとする。
- 典型的な例としてくるくるシャッフル50話においてひそかにダークパワーの精がクロミに呪い(電流が流れる首輪状の物がつけられた)をかけたためクロミを傷つけまいとあえてナスビ仮面としてダークパワーの精側についた。
- 人情に厚い
- 大家族で貧しく色々と苦労を重ねているため、困った人がいると放っておけない性格。努力が報われない想いも経験しているので、同じような人がいると同情し涙を流してしまう。親兄弟を大切にして喜んで弟たちの世話をし、元気な弟たちが空腹にならないように、造花の内職で食費を稼ぐ。
- 脇役の誇り
- 『くるくるシャッフル』第38話では、ダークパワーに乗っ取られて「みんな主役になればいい」と言い放った千佳先生(幼稚園の保母)を真っ向から否定。「脇役がいるからこそ主役が活きる」という自らの意見を、そばにいたクロミがたじろぐほどの迫力で主張した[6]。
- 父に似て女好き
- 女の子が好きなのだか、真菜だけは強気に立ち向かって来るため苦手。第41話の悪夢騒動では、リングネーム「バク・ザ・ナスビーニョ」と名乗り、真菜に戦いを挑むが、軽く一蹴された。また、自分よりモテるものが嫌いで、捻くれた性格なのに、それが知られないままモテる柊恵一を快く思っていない。
[編集] 夢
- 「勝ち組」になること
- 『おねがいマイメロディ』の頃の口癖でもあった「勝ち組」になること。苦労している分、勝ち組になりたい。そして女の子にモテるのが夢らしく、テレビの懸賞で当てた携帯電話に、いつでも女の子の電話番号を登録できるようにしている。デートプランも「5時間前に薔薇風呂(リラックス&よい香り漂わせる)、4時間前に毛並みをそろえる、3時間前に到着、2時間前にコースをチェック(高尚さをアピールするため美術館のパンフも確認)」と用意周到。
- 「負け犬の星」になること
- バク母とイケメン男「イチロウ」が一緒に写った写真を見て、自分が昔「バクの刑」をうけてバクに変えられた人間と勘違いし、イケメンになることに執着していたが、ナスビの神様から産まれた時からバク族だったと聞かされた。その後、神様は空に輝く「負け犬の星」を指し、「お前はイケメンなど目指さず、負け犬の道を極め、負け犬の星になれば、道は開ける」と言われた。それを聞いたバクは、負け犬の星になることを決意した。
- 『くるくるシャッフル』第40話では、初詣でなすびの神様に「打倒勝ち組の為に力がほしい」と願うと、「負け犬オーラを集め、メーターがフル充填され輝く時、願いが叶う」という負け犬メーターを与えられた。バクは、柿崎や柊潤たちから「負け犬オーラ」を集め(オーラを抜かれた人は明るく前向きで元気になる)、フル充填後に「ナスビ仮面」に変身し、「見えるゾナ見えるゾナ、救いを求める負け犬達のどんよりしたオーラが、輝きたいと願う切ない気持ちが。ポリフェノールたっぷり。ナスビ仮面、ただ今参上!」という前口上とともに、紫色の足漕ぎ車で登場し、勝ち組のウサミミ仮面に戦いを挑んだ。負け犬ビームリニューアルや負け犬の遠吠えで攻撃するが、イケメンビームに敗れメーターが0になり、負けてしまう。
- その後、“負け犬の可能性”を研究し始めた。まず、「負け犬オーラ」の研究を行う。自分が負け犬と認識している男達(小暮や柿崎、白山など)の生写真を集め、設計した実験装置に入れて写真から“ダシ”を抽出し、“エキス”を試験管に集めた。それを2本飲むと、エネルギーメーターが0.25mg増加している。
- クロミが喜ぶこと
- クロミがマイメロヘの復讐を達成して喜ぶ姿を見たいために、バクは悪夢魔法や音符回収の協力しているが、歌からダークパワーの本当の力を教えられ、自分たちが大変なことをしていることに驚愕する。100個目を目前に、マリーランドを守るためにクロミにどう説明するべきか、大きな悩みを抱えた。黒音符を100個集めた後で、ようやく、クロミに本当の事を教えることができた[7]。
[編集] バクのアイテム
[編集] ハンカチ
- 酷いことや悔しいことに耐え抜く時に、噛みしめて泣けるようにしている。
[編集] バクノート
- 内容はクロミノートと似ていて、クロミや柊恵一から受けたつらい仕打ちを書き込んでいる。クロミが怒りでバク小屋を放り投げ壊した時に、クロミに発見された。第43話でクロミと外出中に恵一に奪われ、ダークパワーの情報との取引材料にされたあげく燃やされる。『くるくるシャッフル』第1話に、お城の反省室で新しいノートを作り上げた。
- 『おねがいマイメロディ』第21話で、クロミが発見した時に読んだ内容は以下の通り。
- No.132:「黒頭巾が汚れたから洗え」とクロミ様に言われた。「忙しいからやだ」と言うと、2発殴られたぞな。自分の事は自分でしろちゅーにぞな。
- No.133:柊様の前でクロミ様がおならをしたのに、俺のせいにされた。「違うぞな」と言ったら、100発殴られた。いつか天罰が落ちるぞな。
[編集] バク小屋
- 内装は壁に手書きでテレビや本棚、花瓶を描き、持ち物を唐草模様の風呂敷に収納。朝が早いため気合目覚まし時計を置いている。壁に「チャラポワちゃん」ポスターを貼り癒されていたがクロミに破られ、代わりにレディース姿のクロミのポスターを貼っている。
[編集] バク型貯金箱
- バクの姿をした貯金箱。後頭部にお金を入れる穴がある。新聞配達などして稼いだお金を、この貯金箱に貯めていた。一度、柊潤のお気に入りのギターが壊された時に、新しいギターの資金を提供するために、クロミに割られてしまう。『くるくるシャッフル』第39話に、サンタクロースから新しい貯金箱をプレゼントされた。
[編集] チャラポワちゃんグッズ
- バクの大好きな女性テニスプレーヤー。とにかく癒されるらしい。ポスターは失ったが、サンタクロースから念願の電動フィギュアをプレゼントされた。『くるくるシャッフル』第36話では、床に寝そべり写真集を読んでいる。
[編集] 註
- ^ 平仮名で「~ぞな」と表記されることもある
- ^ バクもそのことを「バクノート」にチェックする
- ^ 新聞配達や恵一らがテーブルを引っくり返した後の掃除など
- ^ チャラポワの次に好きな保母さんに癒されたい目的も含む
- ^ 何味かは不明だが第23話で美味しいとバクは言っている。また白山の黒音符は脂っこいらしく、大量に食べた後「ウーロン茶が欲しい」と言った
- ^ 但し、事態が決着した後の幼稚園の演劇では赤頭巾をかぶった「バクずきんちゃん」として主役を演じ、園児のブーイングを浴びながらも主役は最高と感想を漏らすなど主役に憧れている節も見られる
- ^ が、時すでに遅く、柊恵一に気づかれ、溜め込んだ黒音符を奪われた