ポーランドの国歌
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ポーランドの国歌の名はドンブロフスキのマズルカ(ポーランド語: Mazurek Dąbrowskiego)。ユゼフ・ヴィビツキ (Józef Wybicki) 作詞・作曲。楽曲は旧セルビア・モンテネグロの国歌にも使われている(セルビア・モンテネグロの場合は、ポーランドのものよりもテンポが遅く、メロディが強調されている。)
「まだポーランドは滅びていない」で始まるポーランド国歌には、何世代にも渡るポーランド民族の心と血が通っており、怨念と悲憤が響いている。この歌は第3次ポーランド分割によってポーランドが全ての領土を失ってから2年後、1797年にドンブロフスキ将軍が率いる亡命ポーランド人部隊の軍歌として書かれたものだが、この抵抗歌が第二次世界大戦後にポーランド国歌として定着したところが、悲劇的な戦史を如実に物語っている。
なお、このときの亡命ポーランド人部隊は、祖国復興のためにフランスのナポレオン・ボナパルトに協力して対オーストリア戦を戦ったため、歌詞中にボナパルトの名が登場する。その後、ポーランド人部隊はナポレオンの指揮下で各地を転戦しながら数々の戦功をあげ、後のワルシャワ公国の建国へとつながっていくのである。
「ドンブロフスキ」はヤン・ヘンリク・ドンブロフスキの事だが、歌の制作者ではない。