ヤットデタマン
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『ヤットデタマン』(英語表記:Firebird)は、『タイムボカンシリーズ』第5作目としてフジテレビ系列で1981年2月7日から1982年2月6日まで毎週土曜夜6時30分~7時00分に全52話が放映された、タツノコプロで制作されたテレビアニメ。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
タイムボカンシリーズ | ||
通番 | 題名 | 放映期間 |
第4作 | タイムパトロール隊 オタスケマン |
1980年2月 ~1981年1月 |
第5作 | ヤットデタマン | 1981年2月 ~1982年2月 |
第6作 | 逆転イッパツマン | 1982年2月 ~1983年3月 |
目次 |
[編集] ストーリー
私立探偵事務所で助手として働くワタルとコヨミのもとに、1000年後の未来から二人の遠い子孫であるカレン姫がタイムマシンでやって来る。彼女は未来の地球であるナンダーラ王国の王女であったが、先代王が亡くなったことで次期王を決める必要が生じていることを告げる。しかしナンダーラ王位に着くには、王位継承の証である、時空を越えることのできる鳥ジュジャクを探し出して捕まえる必要があった。そのために二人にジュジャク探しの助力を申し入れに来たのである。しかし、ナンダーラ王位を狙うモノがもう一組いた。賄賂の使いすぎで没落したスカプラ王朝の末裔であるミレンジョとその一味である。ミレンジョは弟コマロ王子をナンダーラの王位につけて莫大な富を得んとし、さらにナンダーラの乗っ取りを企図していた。行く先々でミレンジョ姫一味はメカを繰り出し、カレン姫一行を妨害してジュジャクの奪取を試みる。ワタルはカレンからヤットデタマンになる力を授かり、妨害するミレンジョ姫たちの悪巧みを、巨大ロボ大巨神とともに跳ね返す。
[編集] 解説
「偉大なるマンネリ」のタイムボカンシリーズも、第5作目にしてついに路線変更を迫られた。ヒーローは従来の男女二人組から男性一人に変わり、また当時の『機動戦士ガンダム』などに代表されるリアルロボットアニメブームの影響で動物型メカ玩具の売上が伸び悩んだことから、八頭身のヒーローロボットが登場する。そうして生まれた大巨神は、「偏平足を気にする」というこれ以上ない個性を与えられた名ロボットキャラクターとなった。その影響もあってか、玩具の売上は『ヤッターマン』に次ぐほど好評だったという。戦闘機形態の巨神号から人型形態の大巨神へ変型する手法は、「スパイダーマン」のレオパルドンと「電子戦隊デンジマン」のダイデンジン、果ては「無敵ロボ トライダーG7」のトライダーG7(ちなみにトライダーG7のデザインは大巨神と同じく大河原邦男がデザインを担当していた)からヒントに得たと思われる。
悪玉チームも前作より本格的に4番目の悪役が追加されたことを受けて増員措置が執られている。本作ではコマロ、ドンファンファンという2名が追加され、歴代シリーズの中では最多の5名編成の悪玉チームとなった。デザインにも若干の変更が加えられ、特にジュリー・コケマツとアラン・スカドンに関しては一見して全くの別人ともいえる改訂が施されたが、次回の『逆転イッパツマン』からは一応元の顔に戻された(『タイムボカン王道復古』の中で、コケマツが歴代キャラ中自分だけ顔立ちが違う事を気にするネタがある)。
一方で、タイムトラベルシーンではスキャニメイトが使用され、これは『タイムボカン』以来のこととなった。ちなみに今作での悪玉メカのテーマは、スポーツ→伝説上の偉人→おとぎ話や童話のキャラ→伝説上の怪物になっている。
本作はタツノコプロの作品『破裏拳ポリマー』へのオマージュでもあり(タイムボカンシリーズ故にパロディの見方もある)、設定に多くの類似点がある。同作の主役だった曽我部和行が本作でも主役を演じているのは、決して偶然ではない。
なお、この作品から「お仕置き」がなくなる。ただし、大巨神の「大激怒」がこれまでの『お仕置き』以上に激しいものが多く、これが事実上のおしおきと言えなくも無い。また、ミレンジョ一味がストーリー前半では主に「♪やら~れちゃった、悔しいな。今度こそ勝ちましょう、さ~よう~な~ら~」と歌いながら逃げていく場合が多かった。
本作の悪玉側のずっこけた時のリアクションは「ホケ~(「ホゲ~」や「ブレ~」の場合もある)」(たまに善玉側もずっこける場合もある)というリアクションである。
アニメOP終了直前の三悪の頭脳担当キャラ(本作ではジュリー・コケマツ)の暴言は「いつまでもそういう格好させないからな~っ!!(しかし暴言を吐いた直後に突然飛んできたパイがコケマツの顔面を直撃する)げっ?!」と吐く。
[編集] キャラクター:声の出演
- 時ワタル(ヤットデタマン):曽我部和行
- 遠山探偵事務所の助手として働く青年。麺類(特にカップラーメン)と牛丼が好物(特に「牛野家」の牛丼【もちろん「吉野家」のパロディ】)でドジで臆病で軟弱だが時折勇気を見せる。ヤットデタマンに変身しミレンジョ一味と戦う。かつて曽我部が主演していたポリマーの様に、劇中では殆ど変身シーンは描かれていなかったが、一応ワタルが「勇気…、勇気…、勇気…」と念ずることでヤットデタマンに変身していた。しかし後に、劇中劇の体裁をとった回の中で「詳細な変身プロセス」が描かれる事に。ヤットデタマン時のおもな武器はバラ手裏剣とドレミ剣(剣先が何故かスタンプの形をしている。突かれた相手は必ず○の中にyの入った赤い印が付く)。また、物語の中盤以降からは、ヤットデタマンになるまで自分で作った発明品で戦っていたことが多かったが、全く役に立っていなかった。15歳。ちなみに語尾に「~っス」を付けて話すことが多い。ヤットデタマン変身時にコケマツから一度だけ「チャルメラマン」(第51話)と呼ばれたことがあり、一度だけ笛を吹かずにギターを流して登場した(第47話)事もある。名前の由来は「時わたり(タイムスリップ)」。なお、ヤットデタマン登場時の口上は「驚き桃の木山椒の木、一気に時を渡りきり、ついに出た出た、やっと出た、地球のアイドル、ヤットデタマン!」である。
- 姫栗コヨミ:三浦雅子
- 遠山探偵事務所の助手として働く少女。勝気な性格でワタルを尻に敷いている。大巨神を呼び出すことの出来る錠前を家系代々受け継いでおり、ワタルの持つ鍵で開けることで大巨神を呼び出すことが出来る。武器はリャンケンとバトンスター。カレン姫の話では、コヨミとワタルは将来的に結ばれることになるが・・・。ヤットデタマンに憧れている(正体がワタルだとは知らない)。15歳。一度だけコケマツから「蜂の巣ヘアーの姉ちゃん」と馬鹿にされた事がある。名前の由来は「日めくり(カレンダー)」と「暦」。
- なお、本作は三浦のデビュー作でもある。
- カレン姫:土井美加
- ナンダーラ王国の王族でワタルとコヨミの遠い子孫。王位継承権をコマロ王子と争うことになり、遠い先祖の二人に助けを求めてきた。普段は遠山探偵事務所の屋根裏に隠れて住んでいる。毎回の戦いでは何もしていないせいか、ミレンジョ達に「立ちんぼ姫」(ミレンジョからは一度だけ「ぶりっ子姫」と呼ばれたことがある)とおちょくられていた。特技は意外にもスケートボードと新体操とアイススケートが得意で名前の由来は「可憐」から。超能力者で、毎回ジュジャクの居所を覚知できる。また第20話において彼女はポケバイの世界チャンピオンである事が明かされた。18歳。
- ダイゴロン:屋良有作
- 力士型のロボットでカレン姫の忠臣。球状になって戦うが容姿に反してあまり強くはなく、大抵の場合スカドンに負けてしまう事が多い。単体でタイムワープもできる。カレン姫に忠実だが、最終回で彼が姫にお共する目的が明らかになる。モデルは大相撲東関親方の高見山大五郎。語尾に「~でごんす」を付けて話すことが多い。力士型ロボット故に「どすこい!」を言いながら四股を踏むクセがある。
- 遠山金五郎:阪脩
- 遠山探偵事務所所長でワタル達の上司。元警視庁捜査一課の平刑事で「仏の金さん」と呼ばれていた。江戸っ子気質だが何故か関西弁を喋る(演じた阪が大阪出身であったからである)。遠山桜の刺繍をプリントしたTシャツを愛用している。ワタル達とミレンジョ姫達が住む「タカイマンション」の管理人でもあり、家賃を滞納しているミレンジョ達に家賃を払わせようとするが、いつも失敗している。探偵業を行うときには付け髭にハンチング帽を被る(この姿になると強くなるらしい)。ジュジャクの件は一切知らずカレン姫とも面識はないが、屋根裏に隠れ住んでいるカレン姫とダイゴロンのことは密かに気付いていた(一度見つかりコヨミが「ペンフレンドです」と誤魔化した事はある)。名前の由来は「遠山の金さん」こと「遠山景元」から。68歳。
- なお、阪の夫人で本シリーズの元祖ヒーローでもある太田淑子は本作でもゲストキャラで登場している。次作「逆転イッパツマン」ではタイムリース社のトウヤマ社員としてゲスト的に登場(声も本作同様阪が演じた)。
- ミレンジョ姫:小原乃梨子
- スカプラ王朝の末裔。言葉遣いは上品なお姫様口調。一人称は基本的に「わらわ」だがたまに「あたし」になる場合もある。しかし興奮すると下品になり、お色気シーンでの脱ぎっぷりも見事なものがある。ワイロを使いまくったため財政を破綻させ、貧乏生活を余儀なくされる。一族の復活とナンダーラ王国の事実上乗っ取りを画策し、弟のコマロをナンダーラの王位に就かせるようとする。コケマツとスカドンに対してはそれぞれ「コケ」「スカ」と省略して呼ぶ事が多い。名前の由来は「未練」から。ドンファンファン伯爵とは恋仲であり、最終回で熱烈なキスを交わした。27歳。
- 第1話と第2話では「ゼンダマン」のムージョの如く大巨神を誘惑しようとしたが、ゼンダゴリラと違ってショートするどころか(後述の瞳を出す以外は)無反応だった。
- ジュリー・コケマツ:八奈見乗児
- ミレンジョに財務と食料調達係として仕える男で、主にメカニック担当。ミレンジョの弟のコマロを王位に就かせるべく暗躍する。一人称は基本的に「小生」だがたまにに「俺」や「アタシ」になる場合も。主に物語の前半では各巨大メカに内蔵された「コケマツ軍団」というゾロメカのような小型攻撃メカ集団を操って大巨神に攻撃を仕掛ける。物語の中盤以降でメカは未来の国にいるタヌキ村の「トンテンカン鍛冶屋」に発注して製作させていたことが判明するが、鍛冶屋の親父(トンテンカン・タヌキ氏)が亡くなり、腕の悪い二代目(トンテンカン・テヌキ氏)に代わったことで一層メカの質が落ちてしまった。ジュジャクの居場所をサーチする「ジュジャクピューター」の製作者で、この機械は彼にしか扱えない。名前の由来は沢田研二の愛称ジュリーと「コケる(コケます)」から。稀にコマロやコヨミからは「コロッケマツ」と呼ばれた事もある。ドンファンファン伯爵は嫌いであり、彼に対して嫉妬の炎を燃やしていた。ボタンを押すときはよく「コケっとな」または「コケっと!」(一度だけ「ポチっとな」や「セコっとな」と言った事もある)という。長い逆三角形の輪郭とピノキオ風の長い赤鼻と長いもみあげと河童の頭に似た禿げ頭が(一度だけ、ある事情でスキンヘッドにされた事がある)特徴的な27歳。歴代シリーズ三悪中のメカニック兼頭脳担当キャラとしては唯一ヒゲを生やしておらず、前述のとおり鼻の形がかなり異なっている。自身が自己陶酔している時に限り大抵の場合シリアスな劇画風の顔になる事がある(ただし、本作に限った事ではなく他のタイムボカンシリーズでもこのようなパターンになる事も少なくない)。
- アラン・スカドン:たてかべ和也
- ミレンジョの側近の大男。片言の英語(たまに関西弁を喋る場合もある)を喋る謎の多い人物。30歳。スキンヘッド(大抵の場合、ハンチング帽あるいは河童頭風のカツラを着用している)で眉毛が無く前歯の一部が抜けており、もみあげの下からアゴにかけてヒゲを生やしている(一度だけ、ある事情でヒゲを剃られた事がある)。ミレンジョの弟のコマロを王位に就かせるべく暗躍する。一人称は主に「ミー」であるがたまに関西弁が入る場合には一人称が「ワイ」になる。
- 歴代シリーズ三悪中の巨漢キャラとしては最も体躯が大きく唯一眉毛が無く唯一もみあげからアゴにかけてヒゲを生やしているが、これまでとは容姿が完全に別人となっている。性格も地味で口数が少なく、たてかべ氏の台詞は全編を通してかなり少ない。第13話以降(その次の話で早くも専用タイトルも披露)からは「スカドンの奇人変人コーナー」というおまけのコーナー(例としてスカドン自身の伸びた鼻毛を鎖につないで更にその鎖につながれたダンプカーとその後方につながれた鎖を吸盤で引っ張ってブロック塀を破壊する事が出来るという特技など。なお、このコーナーの最中には必ずと言っていいほどちんどん屋風のBGMが挿入される)が出来たことで若干の存在感が出たものの、本編中では全般的に活躍する場はほとんどなく、歴代たてかべ担当キャラの中では存在理由がないほどの影の薄い異色の人物であった。名前の由来は俳優のアラン・ドロンと「スカ(ハズレ)」から。
- 尚たてかべは、同じ曽我部和行主演の破裏拳ポリマーにも、「ポリマー=武」の正体を知る犬、男爵役でレギュラー出演していた。
- ドンファンファン伯爵:山本正之
- ミレンジョを慕い一行に同行するキザが似合う伊達男。ミレンジョ達と寝食を共にしているわけではなく、未来から専用タイムマシン「タイムローバ」で足繁く一行の元に通っている。第20話以降は秋田県の民謡「どんぱん節」を替え歌にしたテーマ曲(「ドンファン節」?)を歌いながら登場するようになる。伯爵だけあって金持ちであり、彼女たちの家賃を立て替えたりしたり、スポーツも万能で数々の大会で優勝し、その優勝金をミレンジョ達の食費として貢いでいた。毎回ではないがミレンジョ達の戦いに同行し、巨大メカに乗り込む時にはコマロを膝に抱いてコマロの席に搭乗。しかし、敗北後の猿芝居時に空気を読まない余計な言動をしでかし、結果として大巨神を怒らす事も度々あった。ヤットデタマンに自ら白兵戦を挑んだこともある。終盤に不振な行動を取るようになり、最終回で彼がミレンジョに同行する本来の目的が判明する…。しかし最終回で皆がミレンジョを見捨てて逃げ出す中で最後まで彼女を見捨てることなく連れ添うなど、その思いは本物であった。そのことから常にコケマツからは嫉妬されており、彼とコマロからは「貧乏伯爵」(第47話ではコケマツから「イモ伯爵」)とおちょくられていたようである。名前の由来は、スペインの伝説上の人物「ドンファン」こと「ドン・ファン・テノーリオ」から。初登場は第2話。ごく稀に三河弁が出ることもあった。
- コマロ王子:丸山裕子
- ミレンジョの弟。洟垂れ小僧で甘ったれでコケマツ同様、河童の頭に似た禿げ頭をしている。男前な仮面(「イッパツマン」の顔に似た仮面)を携帯しており何かにつけて格好つけたがる背伸び屋。王位に着くため姉一行と共にジュジャクを追う。貧乏なためいつもひもじい思いをしている。巨大メカ戦では主に戦い前のコックピットメカ(ドレミファおたまとデルデルボーズ)の起動担当。しかしメカ戦で負けた後、猿芝居でやっとなだめた大巨神に要らぬ一言を言ってしまう役回りが多かった。一人称は「まろ」あるいは「余」(さすがにナンダーラ王国の次期王位継承者候補だけのことはある)で姉のことを「おねえたま」と呼ぶ。7歳。語尾に「~なのら」を付けて話す事が多い。
- ささやきレポーター:富山敬
- 毎回、大巨神と悪玉メカとの戦いの場に「あっちでボソボソ、こっちでボソボソ」のフレーズで何処からともなく現れて中継を行うレポーター。笹川総監督のデフォルメキャラクター笹川をもじって「ささやき」だが、マイクに向かって本当にヒソヒソとささやいて中継する。小山カメラマンが登場する第14話までは一人で登場しており、時代と場所に合わせて衣装を変えていた。また中盤以降からは"メダチタガニ"というおじゃまキャラが登場し度々彼等達の中継を邪魔することも。なおささやきレポーターと小山カメラマンは共に次回作の「逆転イッパツマン」にもゲストキャラとして数回登場している。
- 小山カメラマン:たてかべ和也
- ささやきレポーターとコンビで登場するカメラマン。大柄で顔は天を突き抜け、決して映らない(たまにカメラが上にパンするときもあったが、何故か雲が肩の辺りまで低くかかっていたりモザイクを被せられたりしてやはり顔が映らない)。モデルはシナリオの小山高生(実際に大柄な方)。台詞はひと言も発しない(ただし、ごく稀に悲鳴を上げた事もあった。なお、その時に小山カメラマン役の声を当てていたのはたてかべ和也である)。以後のシリーズにもたびたび登場している。
- 後のOVA「タイムボカン王道復古」にも登場し、このときに初めて「小山です」と一言だけ発している。その声は小山本人だった。
- ダーラ仙人:永井一郎
- ナンダーラ王国の険しい山岳地帯に住む謎の仙人。ジュジャクと親密な関係にあるらしい…。30話では物乞いのふりをして登場した。
- ジュジャク
- 手塚治虫の「火の鳥」に登場する鳳凰に似た鳥で、本作の『探しモノ』である。生物・無機物を問わずあらゆるものに変化でき、時間を自由に行き来できる能力を持つ。ナンダーラ王国では王位継承の証として、このジュジャクを捕まえることが条件とされている。しかし気まぐれに時空を移動し、予想も付かない姿に変化していることがほとんどで、捕まえるのは至難の業である…。名前は脚本を担当した小山高生氏の命名であり「クジャクよりも美しい不思議な鳥ということで、9の上で10ジャク」とのこと。当時CMが人気だった「ホテル聚楽」と孔雀から来ているという説は誤り。
- ナレーター:富山敬
- 前作の流れを受け、本作では「解説しよう」「解説せねばなるまい」を多用している。前作同様サブタイトルの読み上げや次回予告のナレーションも担当。なお本編の閉めの一句は「ジュジャク、ジュジャク、何処にいるのかジュジャク、誰かジュジャクを知らないか…」である。
[編集] ゲストキャラクター
本作がシリーズ初登場となる声優を列記する(初登場順)。太字は後のレギュラー。
[編集] 登場メカ
- 大巨神(大馬神):田辺宏章
- ヤットデタマンとコヨミが鍵と錠前を掲げ「驚き桃の木山椒の木、ブリキにタヌキに洗濯機、やってこいこい大巨神!」と唱え2つをあわせると、大馬神殿から時空を超えて出現する巨大ロボット。飛行形態の巨神号から変形。また大天馬と合体し半人半馬(いわゆるケンタウロス型。たまに戦車形態に変形することもある)の大馬神(名前の由来は「大魔神」からとったと思われる)になる。ヤットデタマンが内部に乗り込むが、自我を持ち自分の意思で戦闘を進める。一人称は「私」あるいは「儂(わし)」。
- 「慈悲深い(自称)」ため、戦闘不能状態にすれば「罪を憎んで、人を憎まず」をモットーにとどめは刺さないが、その後悔い改める態度を取らないととどめの一撃「大激怒」(大抵は弓矢による一撃)を食らわせる。大激怒になる時はブザーの音と共に額の日輪が点滅するのが特徴で、文字通り怒り心頭状態である。「仏の顔も三度まで」をフレーズにしており、大巨神にとって気に障ること(例・「偏平足」「(大巨神の)スカ野郎」「(大巨神の)馬鹿」「スカポンタン」「ボケナス」「スカプラピーナッツ」「でくのぼう」「ピーマン」「ウドの大木」「鉄くず」等)を3度言うと大激怒となるパターンが前半で展開したが、ミレンジョ一味が内輪で「この前"鉄くず"って言って怒らせちゃいましたね」などと"話の流れで言った言葉"にも敏感に反応して1回とカウントしてしまうため、ほとんどの場合3回に達してしまう。
- 物語後半になると3回の猶予もなくとどめを刺そうとするようになるが、ミレンジョ一味の猿芝居に騙されて一旦は去る(稀にミレンジョ一味の猿芝居に感動して大巨神自身が涙を流すこともあった)。しかし大抵は帰ったと見せかけて実は大巨神(大馬神)自身は隠れており、地獄耳でミレンジョ一味の言葉尻を捕らえて(時にはマイクを出して盗聴、という意外に汚いヒーローロボットらしからぬ所業までする事も)「大激怒」(ごく稀に「大逆上」の場合もあり)に至るというのが毎回のパターン。
- (但し、23話ではミレンジョ一味に「猿芝居も出来ず、悪口も言えない」程の大ダメージを与えてしまったのか「大激怒」は無かった)
- 召喚時のヤットデタマン達の口上は「男はつらいよ」で主人公の寅次郎が三寸売りをする際の文句をもじったもの。オリジナルとの相違点は「ブリキにタヌキに"蓄音機"」。蓄音機はこの当時完全に死語(古語)になっていた為、子供に解り辛かったので変更したと思われる。
- 偏平足を気にしている…のだが、大激怒を下す場面では、物語の序盤および後半は主に大馬神、中盤は主に大巨神の姿で大激怒を下すことが多い。(大馬神形態からから分離して下すこともあった)
- この大巨神にはどういう訳か毛穴と涙腺が(他に大巨神の目には瞳も存在する(※))存在しており、自身がピンチになったり感動した時などに、人間が汗をかいたり涙を流したりするのと同じように、毛穴からはオイル、目からは冷却水を出す仕組みになっている。更に、自身の装甲が敵からの激しい攻撃によってボロボロになったり酸攻撃などで錆に侵されたりする直前で大巨神自らその装甲を脱ぎ捨てて骨格(フレーム)だけの状態で戦う事もある。
- (※)おまけに、サーチライトも内蔵されており、これによってミレンジョ一味の些細な悪行がクローズアップされる事もあった(しかも、服を焼くほどの威力も持っている)
- 大巨神のネーミングに関してはたてかべ和也の記事を参照のこと。
- タイムカーゴ
- タイム街道を往来する際に使用するカレン姫専用のタイムマシン。形は日本の時代劇の駕籠を現代的にしたもの。中央のカゴ部に姫とダイゴロンが搭乗。前方の担ぎ手ロボにワタル、後方にコヨミが乗り込み操縦する。出発時はダイゴロンとコヨミとワタルの口上で出発。「タイム街道、下にぃ下にぃ、はっけよい、のこった!!」
- タイムハヤウマ
- ワタルをヤットデタマンに変身させる「ナンダーラ王国科学アカデミー変身スタッフ」の使用するタイムマシン。ワタルが変身するための「勇気・・」の念に反応してやって来る。
- タイムラクーダ
- ミレンジョ一味の搭乗するラクダ型タイムマシン。全長4メートル。頭部と胴体のコブ部分が座席になっており、頭部にコケマツとスカドン、コブ部にミレンジョとコマロが登場する。脚部は巨大なバネになっており、上下の振幅によって時間移動に入る。巨大メカのコックピットとして内蔵されないため、歴代コアメカの中で唯一、最後までついに破壊されることはなかった。(ただしOVA「タイムボカン王道復古」で大巨神の弓矢を受け、大破している)
- タイムナガモチ
- 巨大メカを運搬するタイムラクーダの付属メカ。長持の下から複数の足が生えたデザインで、無人機である。タイムラクーダの後を追って時間移動をする。内部にはナンダーラ王国郊外のトンテンカン鍛冶屋からダイレクトに部品が転送されてくるメカニズムが詰め込まれており、コケマツのリモコン操作でメカの部品が送られてくる。なお番組途中でミレンジョとコケマツが、ヤットデタマンの大巨神呼び出しのスタイルにそっくりな『儀式』を行い、ナガモチから部品を取り寄せるようになった(ミレンジョ姫とコケマツがそれぞれおかめとひょっとこのお面を手にとって、お面を接吻させることで巨大メカを呼び出すようになった。この時の口上は「イチジク人参山椒の木、ごぼうに泥棒バッテンボー、やってこいこい巨大メカ!ブチュー」)。
- 尚、シリーズ名物の「ドクロ雲」の出番は意外にも少なかった…
- タイムローバ
- ドン・ファンファン伯爵の専用の小型タイムマシン。タイムハヤウマと異なるデザインである。
- 第20話では(いち早く現代に戻ったミレンジョ一味の悪口を無線越しに聞いた)大巨神の大激怒を受けて大破してしまう。
[編集] コックピットメカ/ワンポイントメカ
- オロカブ:横尾まり
- 着物を羽織ったカブ(野菜)型のメカ。悪メカの爆発直前などに現れ、「オロカ...ブ」とつぶやいた後に消える。次回作の「逆転イッパツマン」でも登場している。無表情だが実はメイクで素顔を隠しており、メイク中に登場して慌てて言った事もある。名前の由来は「愚か」と野菜の「カブ」から。初登場は第32話。
- ドレミファおたま:小原乃梨子、丸山裕子、植竹真子、横尾まり
- コケマツが「今週の山場~」と叫ぶと現れる、カエルの顔をした8匹のオタマジャクシ型メカ。ドレミの音階で「ドレミファそらやれ、どしてもやられる~♪」と言ってため息をついたあとに去る、わざわざ敗北を予言する不吉なメカ。稀に「ドレミファそらやれ、負けたら帰ろう~♪」の場合も。しかし物語後半ではあまり出番が無くなる。
- ドレミファおブタ:山本正之
- ドレミファオタマのブタバージョン。ドレミの音階で「ブーブーブーブーそらやれ、ブーブーブーブー負けるぞ~♪」と言いわざわざ敗北を予言する不吉なメカ。
- ドレミファおクチ
- ドレミファオタマの口バージョン。ドレミの音階で「ドレミファソラヤレ、ヤッテモムダダヨ~♪」と言って冷やかす。
- 余談だが、第31話ではメカ本体が「ドレミファソラヤレ~♪」のメロディーに合わせて吼えている。
- デルデルボーズ:屋良有作
- 「デルデルボーズ、デルボーズ、今度が決定ゲタになぁ~れ♪」と歌いながら、履いてるゲタを飛ばして戦局の行く末を占うてるてる坊主型のメカ。但しゲタはほとんど裏で出ており、優勢な時に限って裸足(一度だけ足が霜焼けになった事がある)だったため占えなかったり長靴を履いていて脱げなかったりする。何度か表になりかけたものの、大巨神がわざと足踏みをしたりミレンジョ一味の誰かが誤ってひっくり返してしまった為、結局一度も表にはならなかった(磁石を使って表にした事も幾度かあったが、その後の結果は言うまでも無い…)。また、第34話ではドレミファオタマの代わりに「ドレミファそらやれ~♪」を言った。
- ブタ:植竹真子
- おだてブタから発展した雌ブタ型のメカでよく誉め言葉に反応して樽の中から現れる。バリエーションは「能あるブタは鼻隠す」「能なしブタは鼻を出す」「スカポンブタは脚を出す」等。羽を生やした天使の姿やセーラー服の女子高生風の姿やくノ一の姿で登場することもあった。
[編集] 放映リスト
- 必見! 未来からの使者
- ミレンジョ姫に恋人登場!
- 江戸の長屋の銀の犬?
- 復活! 黄金のトナカイ
- エジプトの王子コマロ?
- 見つけた! 不老長寿の木
- アトランティス大沈没
- 信長のゾウリが飛んだ!
- 天才画家のモデルはブタ
- カッパ カッパライ作戦
- 切腹! ミレンジョ一味
- 危うしジュジャクの曲芸
- 出たぞ! ジュジャクの天狗
- コケマツああ涙の袋はり
- 待ってた給料やっと出た
- 追え! 涙でかいたネズミ
- 3001年のターサン
- ロビンソン二度目の漂流
- 秘宝! 打出のこづち
- 熱唱! ドンファンファン
- ミレンジョ華麗なる変身
- それからの白雪姫
- 透明鬼メカVS大巨神
- ジュジャクは赤いバラ
- 大馬神宇宙の大決戦
- 恋の火花! 伯爵対光源氏
- 自爆! ヒマラヤの四悪人
- 空からブタが降ってくる
- サンタがもらった贈り物
- ジュジャクの陰に謎の影
- 大ウソ、大馬神賛歌
- ワタルがカメに大変身
- ジュジャクの影に伯爵?
- コケマツついに退職願い
- ジュジャクつかまえた?
- アルタミラの猿芝居
- 重体! 金五郎大ピンチ
- ダイナマイトバンバン
- エレキうな丼大奇人
- 六周年だよ! 舞台中継(番外編)
- おかしなお菓子の家
- メカ忍法VS猿飛佐助
- 若返ったミレンジョ姫
- 強敵妖怪メカ座敷わらし
- タイムラクーダ迷い道
- ダルマさん誘惑しましょ
- 伯爵コヨミにプロポーズ
- ひょうたんにジュジャク
- 暴君ネロVS金五郎
- 疑惑? ドン・ファンファン
- 最後のジュジャクさがし
- 甦れ! ナンダーラ王国
[編集] スタッフ
- 原作:タツノコプロ企画室
- 製作:吉田健二
- 企画:柳川茂、宮田知行
- プロデューサー:九里一平、井上明(タツノコプロ)、内間稔(読売広告社)
- 制作担当:岩田弘(アニメフレンド)、大野実(読売広告社)
- 文芸担当・シリーズ構成:小山高男(現:小山高生)
- 担当ディレクター:大貫信夫(前期)、植田秀仁(後半)
- 脚本:小山高男、山本優、佐藤和男、高山鬼一、曽田博久、海老沼三郎、久保田圭司、三宅直子、内田幸子
- 演出:大貫信夫、四辻たかお、鴫野彰、池上和彦、湯山邦彦、小島多美子、今川泰宏、野村和史、植田秀仁、西村純二、山田雄二、丸輪零、水瓶わたる、大庭寿太郎
- メインタイトル:杉爽
- オープニングアニメ:高橋資祐
- メインキャラクターデザイン:天野嘉孝(現:天野喜孝)
- サブキャラクターデザイン:天野嘉孝、川上実邪、上北希裟(現:上北ふたご)、北条昌子、福田皓
- メインメカニックデザイン:大河原邦男
- サブメカニックデザイン:サブマリーン
- 作画監督:鈴木英二、田中保、二宮常雄、鄭雨英
- 美術スタイリング:岡田和夫
- 美術担当:坂本信人→市谷政夫
- 特殊効果:山本公、加藤三郎
- 色指定:沢田クミコ
- トレス:平井静子
- 検査:永江由利
- 背景:スタジオビッグ
- 撮影:アニメフレンド、緒方プロダクション、スタジオウッド、三晃プロダクション
- 編集:谷川幸男、山谷善彦、田代正美、辺見俊夫、山崎昌三、村上豊
- 音楽:神保正明(現:神保雅彰)、山本正之
- 効果:加藤昭二
- 録音:兼子芳博
- 録音ディレクター:水本完
- 音響製作:ザックプロモーション
- 現象:東京現像所
- 総監督:笹川ひろし
- 製作デスク:山田良一
- 進行:佐藤直人、中村正雄、高橋正宗、佐久間敏郎、下地志直、木村健吾、石川加寿美、松田喜明、網野哲郎、吉田哲
- 制作協力:アニメフレンド、タマプロダクション(田中三千哉)
- 制作:フジテレビ、タツノコプロ
[編集] 主題歌
- OP「ヤットデタマンの歌」(作詞・作曲:山本正之 編曲:乾裕樹 歌:トッシュ)
- ED「ヤットデタマン・ブギウギ・レディ」(作詞・作曲:山本正之 編曲:乾裕樹 歌:鈴木ヒロミツ)
- 挿入歌
- 「翔べ大馬神」(作詞:たきのえいじ 作曲:津田義彦 編曲:小笠原寛 歌:藤井健)
- 「空からブタが降ってくる」(作詞・作曲:山本正之 編曲:乾裕樹 歌:山本まさゆき、ピンク・ピッギーズ)
第22話、第28話で挿入された。 - 「ディスコ・ダイゴロン」(作詞・作曲:山本正之 編曲:乾裕樹 歌:屋良有作、ピンク・ピッギーズ)
- 「ヤットデタマンブギウギ音頭」(作詞・作曲:山本正之 編曲:服部克久 歌:山本まさゆき、ビクター少年民謡会)
※第40話で挿入された。
- イメージソング
- 「ミレンジョ・ララバイ」(作詞・作曲:山本正之 編曲:乾裕樹 歌:山本まさゆき)
※第47話で挿入された。 - 「OH!ハッピネス」(作詞・作曲:たきのえいじ 編曲:小笠原寛 歌:今田裕子、TOMO)
※第35話で挿入された。
- 「ミレンジョ・ララバイ」(作詞・作曲:山本正之 編曲:乾裕樹 歌:山本まさゆき)
[編集] 外部リンク
※現在Yahoo!動画にて2008年1月31日まで全話無料配信中!! http://streaming.yahoo.co.jp/p/t/00012/v01071/
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テレビ版 | 第1作 タイムボカン - 第2作ヤッターマン - 第3作ゼンダマン- 第4作オタスケマン - 第5作 ヤットデタマン - 第6作イッパツマン - 第7作 イタダキマン - 第8作 きらめきマン |
テレビ以外の作品 | ドロンジョにおまかせ |
用語 | ポチっとな - 三悪 |
フジテレビ系 土曜18時台後半 | ||
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前番組 | タイムボカンシリーズ ヤットデタマン |
次番組 |
タイムボカンシリーズ タイムパトロール隊オタスケマン | タイムボカンシリーズ 逆転イッパツマン |