ワスプ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ワスプ(WASP)は、ホワイト・アングロサクソン・プロテスタント(White Anglo-Saxon Protestant)の頭文字をとった略語で、米国での白人のエリート支配層を指す語として造られ、当初は彼らと主に競争関係にあったアイルランド系カトリックにより使われていた。1964年にE・ディグビー・ボルツェルが The Protestant Establishment: Aristocracy & Caste in America を著したことで一般にも用いられるようになった。この語の指示範囲は使用者によりまちまちであり、イングランド系を指す場合と長老派教会や会衆派教会、米国聖公会に属するスコッチ・アイリッシュやウェルシュ、スコティッシュなどむしろケルト系のものまで含む場合もある。
目次 |
[編集] 概説
元来「P」はPuritan(清教徒)で「メイフラワー号の移民の子孫」という意味合が強かった。イングランド系プロテスタントのアメリカ建国以来のエリート達が現在のアメリカ合衆国の支配的な地位を占め続けているとするニュアンスがこめられ(実際、第35代即ちケネディ以外の大統領は全員ワスプである)、主に反米、反白人、反共和党、反キリスト教原理主義によって使用される傾向がある。
「S」についてはsuburban(郊外)と解釈する見方もある。アメリカ社会の多様性の成熟・成長と共に都市部に集まりだした黒人を嫌う中流階級以上の白人世帯が、こぞって郊外に居住地を移した事を指している。
[編集] ワスプを風刺した作品、もしくは風刺する場面が登場する作品
[編集] 映画
- 愛がこわれるとき
- アダムスファミリー2
- アップルゲイツ
- アメリカン・サイコ
- カラー・オブ・ハート
- ザ・クラフト
- シリアル・ママ
- スパイダーマン3
- セント・エルモス・ファイヤー
- 大逆転
- ファイト・クラブ
- フィッシャー・キング
- 普通の人々
- ボウリング・フォー・コロンバイン
- ゆりかごを揺らす手
- レス・ザン・ゼロ
[編集] TVドラマ
- ビバリーヒルズ高校白書
- ビバリーヒルズ青春白書
- 恐竜家族: 擬人化された恐竜(進化し、現代の人類社会とほぼ同じ大量消費社会文明を営んでいる)の一家を描くファミリー・ドラマ。主人公である少年の母親の実家は、まさにワスプそのものをモデルにしている。母の父、つまり主人公の祖父(痴呆気味)は退役した元将軍で、実家も有数の名家。母の独身時代は、同じ資産階級同士の虚飾に満ちたパーティーに幻滅しながらも始終参加させられ、ごく普通の労働者階級の男性であった主人公の父親と交際を始めた際、周囲の知人・親類から偏見に満ちた理由で猛烈に反対される。
[編集] 小説
[編集] 関連用語
- 白人至上主義
- スプロール現象
- 郊外
- 郊外化
- サバービア
- 田園都市
- ニュータウン
- ベッドタウン
- スラム
- インナーシティ
- リバタリアニズム
- ロックフェラー・リパブリカン
- ヤッピー(二節目の方を参照の事)
- アイヴィー・リーグ
- フランクリン・デラノ・ルーズベルト