南海1000系電車 (2代)
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南海1000系電車(なんかい1000けいでんしゃ)は、南海電気鉄道の通勤形電車。次世代の通勤車として1992年(平成4年)より製造された。全車が東急車輛製造製。1985年(昭和60年)に旧1000系が廃車されたため、空き番となっていた1000系を使用した。
なお、本系列は1次車・2~5次車・50番台(6次車)に大別されることから、分別して説明する。
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[編集] 基本概要
現在、南海線で62両(うち50番台が4両)、高野線に14両が在籍している。
南海では唯一の南海線・高野線共通仕様車であり、南海本線では初めてのGTO素子のVVVFインバータ制御を装備した車両としてデビューした。空港線の開業後は更に運用の場を広げている。
本系列は一世代前の量産型通勤車9000系とも併結可能である。しかし、実際に営業運転で併結された実績はない。
また、南海では長らくライトグリーンとダークグリーンの塗色が一般的であったが、1000系においてはブルーとオレンジのニューカラーが採用されたのが特徴で、在来の9000系・8200系などのステンレス車から7100系・21000系などの鋼製車など、高野線の特急「こうや」用の30000系と引退間近の1521系と1201形を除く全車が塗色変更された(ただし11000系のみ31000系登場後に30000系の塗色に変更された)。
本系列は、2003年に本線・高野線に女性専用車両が導入された時点では6連以下の編成での運転が基本であったため導入対象外となっていた。2005年のダイヤ改正で南海線から高野線へ1032編成が転属して高野線において本系列による8連が運行されるようになったため、まず1001編成のみ難波方から4両目(サハ1601形)に設定された。1002編成も高野線所属であったがやや遅れての設定となった。これは同編成が当時専門学校の全面広告車であったため、デザイン上女性専用車ステッカーを貼付できなかったからである。
[編集] 所属編成
- 南海線には、6両編成8編成、4両1編成(50番台)、2両5編成の計62両が在籍する。
- 高野線には、6両2編成、2両1編成の計14両が在籍する。
[編集] 従来車との差異点
本系列は、従来系列との間に以下のような差異がある。
- 南海線・高野線(橋本以北)を問わず営業運転が可能となった(これにより、ほとんど改造をせず配置換えを行ったり、所属線区と違う路線で運行することも出来るようになった)。ちなみに、1032編成は南海線→高野線→南海線→高野線と過去に3回転属している。
- 車両事情により2006年4月23日ころより南海線所属の1003編成が約半月ほど高野線の運用に就いていたことがある。
- 車端部へのボックス式クロスシート設置。
- 扉上部のマップ型LED停車駅案内表示器の設置及びLED情報案内表示器の設置(最近になって、マップ型LED停車駅案内表示器を通常の路線図で塞いでいる。)。
- 制御装置のGTO-VVVFインバータ制御化(4扉車・南海線の車両では初。南海の車両全体では2000系への採用が最も早い)。
- 蛍光灯グローブの設置(21000系以来特急型以外での設置が断絶されていたが、こちらも2000系に続き復活している。)。
- ロングシートには、南海では初めて一人分ずつに区切られたバケット型シートを採用した。着席マナーの向上を目指している。
- 当時南海電鉄では特急車両も含め座席モケットの色は赤色を採用していたが、同車と特急用の11000系から灰色となった。在来車においても更新編成を中心に後に同色に変更されており、近年は1000系自体を含め同系6次車の導入後より、大半の車両が紺色に近い色に変更されている。
- 南海で初めてボルスタレス台車を装備。
[編集] 1次車
- 6両3編成、2両3編成が在籍する。うち6両2編成、2両1編成が高野線所属であるが、高野線所属の本系列はこれが全てである。
- このグループのみ車体幅が2750mm狭幅である。
- 2006年7月現在、6両編成は全車ラッピング広告車である。
- 南海線・高野線共通の車両は、正式にはこのグループのみである。
- 1次車の6編成のうち、1回も所属線区の転属がないのは1031編成のみである。
[編集] 2次車~5次車
- 2次車~5次車は南海線(南海本線・空港線・和歌山港線)のみに配置されている。
- 高野線に配置された実績はないが、使用は可能である。
- 6両7編成、2両3編成が在籍する。
- 車体幅が2850mm広幅である。南海では初の広幅車であり、裾絞りのある車体形状が1次車と大きく異なる点である。 これは南海空港線開業により基準が変更になったからである。
- 2・3次車と4・5次車との違いはATS車上子の取付位置を変更した程度である。
- 5次車の1010編成は1002編成と同じく「minapita」のラッピング広告車である。
[編集] 6次車(50番台)
- 6次車(50番台)は2001年(平成13年)に登場した。通称1050系。
- 2006年現在は南海線(南海本線・空港線・和歌山港線)のみの運行である。
- 1051編成の4両1編成のみ在籍する。
- 今後の増備によっては、南海線・高野線共通仕様車として高野線にも導入される可能性がある。
- 車体幅は、2次車~5次車と同じ2850mm広幅である。
[編集] 6次車(50番台)と1次車~5次車との差異点
50番台は試作車的な要素が多分にあり、1~5次車との間に以下のような差異がある。数々のコストダウンが図られる一方、新しいシステムも多数導入されている。
- 座席端部へのスタンションポール設置。
- 扉開閉時のドアチャイムの設置。
- 制御装置はIGBT素子のVVVFインバータ制御。全電気ブレーキ採用。起動・停止時のモータ音があまり高低を繰り返さないようになっている。
- マップ型LED停車駅案内表示器を廃止し、LED情報案内装置のみ設置。
- 帯を除いて無塗装化(5次車までも軽量ステンレス車体だったが塗装していた)。
- シングルアームパンタグラフの採用。
- 運転席のデジタル表示を従来型のアナログ表示に戻す。
- モノリンク式と呼ばれる軸箱支持のボルスタレス台車に変更。
- 座席モケットの色が、灰色から紺色に近い色に変更されている。(これについては従来車も追従して変更されている。)
- レールオイラーの設置。
[編集] 運用
[編集] 南海線
6連は編成単独で全車自由席特急列車から普通列車まで幅広く用いられている。2連は2組つないだ4連で普通列車に用いられている。1051編成は新製以来ほとんど編成単独の4連で普通列車に用いられてきたが、2006年の車両配属変更後は2連と組んで6連となり、全車自由席特急から普通列車まで幅広く用いられることが多くなっている。これは南海線配置の2連が5編成となり、4連を組むと1編成余るためである。2連が検査などの関係で余らない場合は従来どおり編成単独の4連で普通列車に用いられる。なお南海線では8連列車の設定があるが、本系列の6連と2連をつないだ8連は本系列登場時のごく初期にしか見られなかった。これは南海線の8連は4連2編成に分割できるように組成するのが基本となっているためである。女性専用車は8連にしか設定されないので、南海線の本系列はその対象外である。なお、1次車登場時には淡路島航路連絡急行「淡路号」(難波駅~多奈川駅間、1993年廃止)がまだ運行されていたため、多奈川線にも入線した実績がある。1003編成(現在の南海線でのなんばパークスのラッピング車両)が南海線に転属したために全ての編成が南海線で運用されている(もしくは運用されていた)こととなる。
[編集] 高野線
6連と2連をつないだ8連で急行・区間急行・準急行に、6連単独で急行等優等列車から各駅停車まで幅広く用いられる。泉北高速鉄道線にも乗り入れるが、20m級大型車両の入線ができない橋本駅以南には乗り入れない。一時期2連の配置がなくなり6連以外には使用されないこともあったが、2005年に1032編成が南海線から移籍して8連運用が復活した。
現用車両 |
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南海線:50000系・10000系・7000系・7100系・9000系・1000系 高野線(大運転):31000系・30000系・2000系・2300系 高野線(区間運転):11000系・6000系・6100系・6200系・6300系・8200系・1000系 支線・鋼索線:2200系・2230系・コ11・21形 |
過去の車両(昇圧後在籍) |
南海線:旧1000系・1521系・キハ5501・5551形 高野線:20000系・21000系・22000系・8000系 貴志川線:2270系・モハ1201形・クハ21201形 |
過去の車両(昇圧前在籍) |
南海線:電7系・モハ2001形(電9系)・簡易半鋼車・モハ1501形・モハ1551形・11001系・12001系・2051系・サハ4801形 高野線:モハ561形・モハ1251形・クハ1900形・サハ3801形 貴志川線:モハ1051形 |
機関車 |
電気機関車:ED5105形・ED5121形・ED5151形・ED5161形・ED5201形 蒸気機関車:C10001形 |
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