天使と悪魔
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『天使と悪魔』(てんし と あくま、ANGELS & DEMONS)はダン・ブラウンのサスペンス小説。本国アメリカでのポケット・ブックス社発売は2000年だが、日本ではそれに追って2003年、角川書店から上下巻で発売された。現在角川文庫からも上中下巻で発売されている。日本語版の翻訳者は越前敏弥。
同じくダン・ブラウンの著書『ダ・ヴィンチ・コード』が映画化されるに際し、上中下巻に分冊した文庫版が売り上げを伸ばしたことから、本作も2006年に文庫版3冊が発売された。なお、『ダ・ヴィンチ・コード』に続いて映画化が決定している。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] 概要
『ダ・ヴィンチ・コード』と同様、ロバート・ラングドンを主人公とする小説である。テーマは「宗教と科学の対立」であり、本作でも知られざるキリスト教世界に関するうんちくがたくさん披露されている。ヴァチカン市国を含むローマの町を舞台に繰り広げられるこの物語は、『ダ・ヴィンチ・コード』よりもアクション要素が強い。次々と起こる殺人にも犯行予告が出ていることから、タイムリミットの設定による緊張感・臨場感の演出にも成功しているといえるだろう。
[編集] 事実
[編集] 著者注記
この作品においての、ローマの美術品・墓所・地下道・建築物、イルミナティなど歴史的事象に関する記述もまた、全て事実に基づくものである。[1] ヴァチカンやローマを歩けば、今日にでもそれらの多くを目にすることができる。
[編集] 反物質とCERN
本作にも登場する反物質と欧州原子核研究機構(セルン)は、何も作品の中の世界だけのものではなく実際に存在する。
スイスのジュネーブに本拠を置く世界最大の科学研究機関であるセルン。そのセルンは、世界で初めて反物質粒子の生成に成功した。これは紛れもない事実である。
[編集] 登場人物
- ロバート・ラングドン(主人公)、ハーバード大学教授・宗教象徴学専門。
- ヴィットリア・ヴェトラ(ヒロイン)、欧州原子核研究機構の科学研究者。レオナルドの娘
- レオナルド・ヴェトラ、ヴィットリアの父親
- マクシミリアン・コーラー
- カルロ・ヴェントレスカ 前教皇侍従(カメルレンゴ)
- モルターティ、枢機卿。コンクラーベの進行役。79歳で枢機卿の中では最も高齢。
- オリヴェッティ、スイス衛兵隊 隊長
- ロシェ、スイス衛兵隊 副隊長・大尉
- シャルトラン、スイス衛兵隊・少尉
- ガンサー・グリック
- チニータ・マクリ
- バッジア プリフェリーティ(新教皇最有力候補)の1人
- ハサシン
[編集] あらすじ
ハーバード大学のロバート・ラングドン教授は、ある日セルンの所長、マクシミリアン・コーラーからとある紋章についての説明を求められる。同研究所の科学者、レオナルド・ヴェトラが何者かによって殺害された際、その紋章が彼の胸に焼印として押されていたからである。レオナルドは最近、核エネルギーを凌駕する反物質の精製に成功しており、その反物質も犯人によって盗まれていたことが判明する。ラングドンはその紋章を、伝説的な秘密結社・イルミナティのものと断定するが、犯人と結びつけることには躊躇していた。彼は手がかりを求め、殺害されたレオナルドの娘、ヴィットリア・ヴェトラとともにローマへと向かう。
一方ローマでは、新しい教皇を選出するコンクラーベの真っ最中であった。にもかかわらず、新教皇の有力候補(プレフェリーティ)の4人が揃って失踪していることに、コンクラーベ進行役の枢機卿であるモルターティは苛立ちを覚える。さらに、離れた場所では、ヴァチカンの警護を任されたスイス衛兵隊隊長、オリヴェッティのもとに監視カメラから奇妙な映像が映し出されていた。そんな中、前教皇の侍従、カルロ・ヴェントレスカのもとにイルミナティを名乗る者から突然の電話が鳴る。かつて科学者を弾圧したキリスト教会に復讐するため、1時間に一人ずつ、拉致した新教皇候補を殺害してゆくという。
殺害が行われる場所のヒントに気付いたラングドンは、殺害を阻止し、盗まれた反物質を発見すべく推理と追跡を開始する。
[編集] 作品に登場する建築物・美術品
- サン・ピエトロ大聖堂、『ウェスト・ポネンテ(レスピーロ・ディ・ディーオ)』
- システィーナ礼拝堂(システィナ礼拝堂)、『最後の審判』
- パンテオン
- サンタ・マリア・デル・ポロロ教会、『ハバククと天使』
- サンタ・マリア・デラ・ヴィットリア教会、『聖女テレサの法悦』
- バルベリーニ広場、『トリトーネ』
- ナヴォーナ広場、『四大河の噴水』
- サンタンジェロ城
[編集] 関連項目
- アンビグラム(上下を逆さにしても同じに見える文字・単語をかたどった記号のような紋章)
- 秘密結社・イルミナティ
- フリーメイソン(フリーメーソン)
- X-33(航空機、X-33 (航空機)
- 欧州原子核研究機構
- 反物質
- ヴァチカン市国(バチカン)
- コンクラーベ
- スイス衛兵隊
- ハサシン(暗殺者)
- ガリレオ・ガリレイ
- ラファエロ・サンティ
- ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ
- ミケランジェロ
- レオナルド・ダ・ヴィンチ
- 英国放送協会(BBC)
- 閉所恐怖症
- キリスト教
- カトリック教会(カトリック)
- ダン・ブラウン
- ダ・ヴィンチ・コード
- ジョン・ラングドン(芸術家、本作のためのアンビグラムの考案者)