林家たい平
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
林家 たい平(はやしや たいへい、 1964年12月6日 - )は、落語家。埼玉県秩父市出身。林家こん平の弟子。落語協会所属。血液型はB型。本名:田鹿 明(たじか あきら)。人気演芸番組『笑点』(日本テレビ)の大喜利メンバーである。 出囃子は「ぎっちょ」
目次 |
[編集] 人物
1988年、武蔵野美術大学造形学部卒業。現在は2男1女の父。地元秩父では実母が駄菓子店(「駄菓子屋たい平」由来はたい平本人)を、実兄がうどん店(「うどん亭たじか」)を経営している。
生まれ故郷の秩父に愛郷心を抱いている。笑点でも時々挨拶の際に、秩父でのイベント情報などを盛り込んで秩父の事を紹介しており、11月下旬には2年続けて秩父夜祭のPRを大々的にしている。
噺家としての高座以外にバラエティ番組への出演も多くなっている。得意な芸としては、2005年3月までドラえもんの声優だった大山のぶ代、このほか滝口順平、田中眞紀子、鈴木宗男、和田アキ子、美輪明宏、森昌子、12代目市川團十郎、中村福助、美空ひばり、5代目春風亭柳昇、林家ペーの声真似や動物の鳴き真似や打ち上げ花火の効果音など。笑点でもその演技を披露している。
落語家を目指すきっかけは、大学に入学した際にふと立ち寄った落研サークルが当時は廃部寸前だったため、何とかしなければと友人数名を集めて廃部を撤回させたことにある。その当時は落語を観た事も聴いた事もなかったために漫才やコントをやっていたが、後にたまたま見た人間国宝5代目柳家小さんの落語を聴き感動し、真剣に落語を始めた。また、武蔵野美大出身という学歴を生かし、著書や自身のCDの挿絵を自ら担当するなど画才でも知られる。
2006年2月18日の昼に放送された、日本テレビ系の人気深夜番組「歌スタ!!」のスペシャル版「ハンター全員出席!各界うたいびとガチガチデビューSP」に出演。たい平にウタイビトハンターから"よろしく"の札が上がった。その後同局の笑点の大喜利で、挨拶や答えの機会を利用して歌スタ!の合格や出演・歌手デビューについての宣伝を行った。デビュー曲は古典落語の「芝浜」にヒントを得た「芝浜ゆらゆら」(作曲・編曲はマシコタツロウ)でCDデビュー(2006年10月18日にコロムビアミュージックエンタテインメントから発売)。2006年10月14日・21日(再放送)放送のBS日テレ「BS笑点」では、たい平司会のコーナー「使ってみよう!落語ことば」の時間を利用して1コーラス披露した。「笑点」の司会者・桂歌丸からはそれをネタにし、「歌のCDはいいから落語のCD出しなよ。」と言っているが、落語のCDは既に3枚リリースしている。
お笑いコンビのTIMのゴルゴ松本に少々似ている。それはたい平自身も自覚しているらしく、NHKの笑いがいちばんで落語を披露した際、「枕」の部分で、「ゴルゴ松本と思われた方……」(要約)といった話をしている。
[編集] 笑点でのキャラクター
2004年から日本テレビの『笑点』に、病気療養の為一時降板した師匠の林家こん平の代役として若手大喜利から大喜利に出演。こん平の番組休演が長引き、復帰の目処が立たない事から、2006年5月21日の放送分から正式にレギュラーメンバーになる。自著の『笑点絵日記』では、子供の頃から大の笑点ファンで、収録会場の後楽園ホールに何度も足を運び、オープニングで挨拶をする三遊亭圓楽の隣に座った事もあり、テレビにもその姿が映ったエピソードが記されている。代役当時は立場を意識してからか、初期の挨拶では「師匠のこん平に尋ねたところ~」と言って挨拶をはじめ、締めはこん平の「新潟生まれ」を真似た「秩父生まれのたい平でーす」と喋るなど、こん平の挨拶ネタをよく用いていた。現在では最後の部分だけが残り、「(○○の)たい平でーす」で挨拶を締める。
2005年6月12日放送で圓楽に自分の名前を忘却された事があり、その後このネタがたい平の冒頭の挨拶や大喜利などで使われるようになった。圓楽本人は名前を忘却した時は本当に思い出せなかったらしい(但し、以前たい平が挨拶の場面で「圓楽師匠、私の名前分かりますか?」と尋ねると、圓楽は「知らん」と答えており、これが名前忘却ネタの第一歩となった(2005年2月27日放送)。圓楽は後にこれが司会降板の一因であったと語っている。
折りに触れて物真似や演技(強風に煽られる、花火の音など)を行い、「その演技に免じて」座布団を貰う事も多い。但し、しつこく繰り返したり、隣の楽太郎に必要以上に絡んだりすると、楽太郎から頭を叩かれたり、座布団の没収対象となる。2007年4月8日放送分では、花火の音をメンバー全員でして、全員の座布団を全て没収された。
「このバカタレスケベ社長」という外国人パブ(フィリピンが多い)の女性の真似をこん平の代理時代から行っている。試行錯誤の末に確立した事について、初出演当時の司会者圓楽は、笑点の40周年記念ムック本で「独自の芸風を確立してよくなってますね」と褒めていた。この真似で隣の楽太郎に絡む事が多く、最近はほぼ確実に座布団没収のネタとなっている。
山田罵倒ネタの場合は、師匠こん平のスタイルを踏襲し、山田はたい平より8歳年上であるが「山田君」「山田」と君付けか呼び捨てで(通常は「山田さん」)クビやチビなどの罵倒ネタに入っては、山田から突き飛ばされたり、頭から床に押し倒される。『笑点絵日記』でも記しているが、あれは舞台上だけであり、普段は仲が良い。2006年1月1日の大笑点で山田が50kmマラソンからゴールした際、他のメンバーが普通に握手で出迎えたのに対し、たい平はメンバーの中で唯一泣いており、2人がお互いに抱き合うシーンがテレビに映った。また、桂歌丸が司会者になってからは、罵倒された山田が座布団を取り上げても、司会者判断で回復した上で追加の一枚を与えられる事もある。
歌手デビューがきっかけで「芝浜ゆらゆら」の宣伝や歌の披露が持ちネタに加わっている。このネタをいうと、林家木久蔵が「いやん、ばか~ん」を踊った時と同様に、山田に突き飛ばされるケースが多い。客席の前まで突き飛ばされた事もある。但し、突き飛ばす時は、山田罵倒の時とは勢いが違っている。延々と歌い続けて楽太郎に舞台袖へ引き上げさせられた事もある。最近では自分の曲が売れない事もネタにする事がある。
春風亭昇太がメンバー入りしてからは、楽太郎がたい平・昇太を半ば強引にフレッシュヤングチーム(後の「ブラック団」)のメンバーに加え、自分のネタに協力させるなど、当初は迷惑そうな様子であったが、最近は口では早く抜けたいと言いつつも、協力にしても、回答にしても積極的になりつつある。ブラック団ネタは基本的に歌丸への攻撃ネタが中心だが、たい平一人、お婆さんの真似をしながら特定メンバーのプライバシーについて長々と講釈する回答も時々見られる。だが、部分的な間違いも時々存在する為、鵜呑みに出来ない(例、誤:好楽の“妹”が和菓子屋を開いた→正:好楽の“娘”)。
2006年5月7日放送で、初の座布団10枚を獲得。だがもらったのは、キーワードだった「少年よ大志を抱け」の(「タイ〔の〕石を抱け」にちなんだタイの大きな石だった(証拠写真付き)。またこの日は山口県周南市での収録だった為、重たい石を東京まで持ち帰る羽目となった。石は現在メンバー全員のサインが入り、アトレ上野内の「江戸駄菓子まんねん堂(たい平のパッケージデザインした駄菓子が数点販売されている)」に短期間展示され、現在では横浜にぎわい座の2階の情報コーナーの展示ケースに収められている。
[編集] 略歴
- 1988年 林家こん平に弟子入り
- 1992年 二つ目に昇進
- 1993年 北区若手落語家競演会で優勝・NHK新人演芸コンクールで優秀賞を受賞
- 1999年 花形演芸賞で銀賞受賞・彩の国落語大賞を受賞
- 2000年 真打昇進
- 2004年 こん平の代打として笑点大喜利に出演(小遊三登場以来21年ぶりの新顔、若手大喜利出身メンバーでは桂才賀登場以来24年ぶりの新顔)
- 2006年 5月21日放送分より笑点大喜利の正式メンバーに昇格
[編集] レギュラー番組
[編集] 現在出演中の番組
(BS笑点時代は、地上波版・BS版の両方の大喜利に出演していたが、現在は地上波版にウエイトを移し、笑点Jr.はこいつは凄芸と使ってみよう落語ことばのコーナーに出演)
- テリー伊藤のってけラジオ(ニッポン放送)
- 林家たい平の笑チュウ劇場(文化放送)
- 今夜も大入り!渋谷・極楽亭(NHKラジオ第1放送)
[編集] 過去に出演していた番組
- GAME JOCKEY(テレビ東京)
- GAME JOCKEY2(BSジャパン、現在は弟弟子の林家いっ平が担当)
- 山田邦子ワンダフルモーニング(ニッポン放送)
- 平成落語家ジョッキー(NHKラジオ第1放送)
- スペシャルドラマ 恋愛小説「デューク」(2006年7月17日放送、TBS系)
- おーい、ニッポン(私の・好きな・石川県、2006年9月9日放送、NHKBS2・BSハイビジョン、加賀温泉郷からの中継リポーター)
- 第1回輝け!オールスター合唱コンクール(2006年9月16日テレビ東京)落語家合唱団として参加、バス担当。
- 春風亭昇太のオールナイトニッポン(ニッポン放送、2006年10月23日放送分にゲスト出演、デビュー曲「芝浜ゆらゆら」を生で熱唱)
- レディス4(テレビ東京系、2007年1月10日放送分にゲスト出演)
- 趣味悠々「落語をもっと楽しもう」指南役並びに模範演技、(NHK教育テレビ、2006年12月6日~2007年1月31日(本放送))
- BS笑点(BS日テレ)
[編集] 得意演目
- 紙屑屋
- 愛宕山
[編集] 著書
- 「楽しんだ者勝ち」(春風亭昇太と共著。インフォバーン/2002年06月)ISBN 4901873008
- 「たい平の野菜シャキシャキ噺」(講談社/2004年9月)ISBN 4062124262
- 「林家たい平のお父さん、がんばって!」(辰巳出版/2006年12月)ISBN 9784777803361
- 「たいのおすそ分け」(主婦と生活社/2006年12月) ISBN 9784391133158
- 「笑点絵日記」(ぴあ/2007年2月)ISBN 9784835616551