春風亭昇太
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春風亭 昇太(しゅんぷうてい しょうた、1959年12月9日 - )は、静岡県清水市(現静岡県静岡市清水区)出身の落語家。五代目春風亭柳昇の弟子。前座名は、春風亭 昇八。本名は田ノ下 雄二(たのした ゆうじ)。愛称は「ちび師匠」。落語芸術協会に所属。現在同協会監事。出囃子は『デイビー・クロケット』。血液型はO型。
なお、先代昇太については昔昔亭桃太郎の項を参照の事。
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[編集] 人物
独身。アジの干物まで作るほどの料理好き。持っている着用メガネは実に50本以上。自宅には、ダイヤル式テレビや蓄音機などレトログッズだらけの部屋がある。愛車はトヨタ・パブリカ。またミドリフグやハムスター、モモンガを飼育している。プロレス好きとしても知られ、ルチャリブレ観戦にわざわざメキシコまで行き、覆面をまとめ買いしたこともある。東京ヤクルトスワローズのファンであり、間接的に高津臣吾についてコメントしたこともある。昔「コロコロコミック」の「RCラジコンの番組」に出ていた事を今は隠している。
[編集] 略歴
東海大学第一高校(現東海大学付属翔洋高等学校)を卒業。高校時代はソフトボール部に所属していた。東海大学文学部に入学し、ラテンアメリカ研究会に入ろうとしたがたまたま留守で、隣の部屋が部室だった落語研究部に入る(同時に学生プロレスのリングアナ兼、実況として活躍)。落研時代の高座名は「頭下位亭切奴」(とうかいてい きりど)。名前の由来は、突然部室にやって来た一年生に上級生が「ドッキリした」ことから、ドッキリ→きりどっ→きりど、となったという。学生時代にテレビ朝日の「ザ・テレビ演芸」にザ・まんだらーず出演。初代グランドチャンピオンになったのを期に大学を中退し、春風亭柳昇に入門した。前座時代より「演芸ひろば」司会など、テレビに多数出演。
師匠が新作落語の名手と謳われた柳昇ということもあり、同じく新作落語を活動の中心に置き、「悲しみにてやんでい」などハチャメチャな新作落語で人気を得て、1992年に7人抜きで真打に昇進した。その後2000年の独演会「古典とわたし」など独自の解釈を加えた古典落語にも挑戦する(二つ目の時代には既に独演会で古典落語に挑戦し、アレンジを加えた「初天神」を披露し、好評を博している)。
2005年には落語を題材にしたドラマ「タイガー&ドラゴン」に出演し、自ら出演俳優らに落語の演技指導も行った。同年10月からはオールナイトニッポンのパーソナリティーを務めるなど、多方面で活躍。2006年1月8日放送の毎日放送(MBSテレビ)制作のドキュメンタリー番組「情熱大陸」で特集された。落語家によるデキシーバンド「にゅうおいらんず」でトロンボーンを担当。また、東西落語界の壁を超えた六人の会の一人であり、林家彦いち、神田山陽ら落語・講談創作集団「SWA」の一員、背番号は『4』。 2006年5月より日本テレビ系『笑点』の大喜利メンバーに加入した。 なお、林家たい平が『BS笑点』から事実上卒業したのに対し、昇太は現在もBS笑点の司会を務め続けている。
- 芸歴
[編集] 笑点でのキャラクター
- 大喜利では、銀鼠の色の高座着を着用している(ただ、視聴する画面によっては色彩の制限などの問題で、銀鼠ではなく、白に見える事がある)。まだ加入して日が浅いせいか、奇をてらうことのない回答が多く、回答後に会場が一瞬沈黙状態になることもある。自分のキャラクターを確立すべく試行錯誤中のようだが、現在は独身・チビなどの自虐ネタや、勢いでの先輩メンバー達への攻撃ネタの傾向にある。
- 挨拶で自分に関する間抜け話を言っては「それじゃダメじゃん」と一人突っ込みで終わらせる。2006年末より、他のメンバーもこのパターンを真似した挨拶をしばしば用いている。
- 独身ネタを展開しては司会桂歌丸から「早く嫁もらえよ」とせっつかれ、良くない回答には「嫁が来ねえわけだ」とからかわれる。今のところ、歌丸からは近所に住む60代の女性、木久蔵からは自分の娘(きくおの姉)を勧められている。その一方で、自分はモテていると主張するネタや、もう結婚できないと自虐したり、一生を落語に捧げるというネタを披露することもある。
- 喋る途中で舌が回らない・舌を噛む事を自虐ネタに用いたり、他のメンバーがからかったりするのだが、これは元々落語家・昇太にしても同じであり、師匠である亡き春風亭柳昇もまた同様である。普通、落語家にとって噺の途中で噛むというのは聴き取り辛く、不快に思う聴き手も居ることからあまり好ましく無いのだが、この師弟にとっては語り口調としての一つの味わいともいえる。
- 三遊亭楽太郎によって、林家たい平共々、「フレッシュヤングチーム」、後の「ブラック団」のメンバーにさせられ、歌丸死去ネタ(合掌、出棺の見送り)などの回答の動きに合わせる事になったり、座布団没収の巻き添えを食らったりする。動きを合わせる事に関しては当初、一番嫌がっていたものの、最近は参加に積極的になりつつある。
- 山田隆夫からは、背が低いことを理由に「ちびっ子団」結成を持ちかけられており、メンバーからも「チビ」「師匠の柳昇(りゅうしょう)を継ぐ際は粒が小さいと書いて“粒小(りゅうしょう)”にしては?」などとからかわれているが、日本タレント名鑑によると、昇太の身長は163cmで、「チビ」と昇太に言った山田は155cmであり、木久蔵は162cmとされている。尚、身長のデータが無い歌丸に関しては腰が若干曲がっている事も考慮すると映像などでの正確な判定は不可能かと思われる。
- 座布団を取られるときに「持ってかないで~」と泣きつくものの、山田に足蹴にされる光景が何度かあり、また、座布団が1枚しかない場合は「1枚しかないのに…」と半べそになるケースもある。
- 2006年12月24日放送の第3問で昇太は歌丸死亡ネタ(「おまえはあの世へ逝きなさいよ」)を披露した際、楽太郎が自分の座布団全部とたい平のものの一部を昇太に与え、獲得数は一旦12枚になったが、司会・歌丸の逆鱗に触れ全部没収、初の10枚達成はお預けとなった。
- 2007年1月1日放送の大笑点で昇太は東西大喜利で初の座布団10枚を達成したが、通常の笑点メンバーのみの大喜利ではないので特別な賞品は出ず。その代わり最も座布団を獲得したので金の座布団を獲得した。
- たい平のみが「昇太兄(あに)さん」と呼んでいるが、これは年齢が近い年上だからではなく、落語界での決まりごとで、自分が落語界入りした際に、既に存在する前座ないし二ツ目の落語家を基本的に先輩として「兄さん」と呼ぶことになっている(※同じ一門で既に真打の兄弟子が居る場合は、基本的には「師匠」だが、歳が近かったり、上下関係を気にしない兄弟子なら「兄さん」と呼ぶ事を許す場合もある)。「兄さん」と呼ぶ事に関しては入門先は勿論の事、所属団体も一切関係無い。つまり、たい平がこん平一門に入門した時(1988年)、昇太は二ツ目であり、「兄さん」と呼べる位置に居たという事がわかる。尚、「兄さん」という呼び方をしていた先輩の落語家が先に真打(“師匠”と呼ばれるようになる地位)に昇進しても「兄さん」という呼び方に変わりは無い。(因みに上方(関西)は昇進制度が基本的に無いので関東と基準などが違う)
[編集] BS笑点(のちに笑点Jr.)
BS笑点では総合司会を務め、ハキハキと取り仕切る様が映る。
大喜利でも司会を務めるが、地上波と同じようにチビ・独身ネタで回答者から遠慮無く突っ込まれては座布団を取り上げることが多いが、司会としての威厳を敢然と振りかざすには至っていない。若いパワーを持て余し暴走気味の回答者に振り回される様子もしばしば映る。また、「大人の事情」を理由に不条理な座布団の采配を行うことがあり、回答者の師匠との人間関係等を連想させて笑いを取る。
[編集] 主な新作落語
- 『悲しみにてやんでい』
- 『ワシントン伝』
- 『力士の春』
- 『ストレスの海』
- 『宴会の花道』
- 『リストラの宴』
- 『愛犬チャッピー』
- 『お父さんの決断』
- 『夫婦に乾杯』
- 『吉田さんのソファー』
- 『マサコ』
- 『遠い記憶』
- 『人生が二度あれば』
- 『花粉寿司』
他
[編集] 出演番組
[編集] 現在
- 高田文夫のラジオビバリー昼ズ(ニッポン放送、水曜)
- 笑点(日本テレビ)
- 笑点Jr.(日テレプラス&サイエンス)
[編集] 過去
「新春イマジン寄席」(笑福亭鶴光、春風亭昇太、立川志らら(※前説)、 増山さやか、田代優美、山本まゆ子、増田みのり、新保友映)
- タイガー&ドラゴン - 林屋亭どん吉役(TBSテレビ)
- 平成名物TV ヨタロー(1989年・TBSテレビ、春風亭柏枝、春風亭柳八(現・春風亭柳好)他と「芸協ルネッサンス」として出演)
- 夢見る小犬ウイッシュボーン(1998年・NHK)海外ドラマ 主役(犬)の吹き替え
- タミヤRCカーグランプリ(テレビ東京)
- 春風亭昇太のスーパーギャング(TBSラジオ)
- 春風亭昇太と大川興業のパックインミュージック(TBSラジオ)
- ウォッチ!(TBSテレビ、コメンテーターとして出演)
- たまにはキンゴロー(フジテレビ)
- 夜鳴き弁天(フジテレビ)
- ピロピロ(フジテレビ)
- てれび博物館 それってホント!?(東海テレビ)
- 発見ふるさとの宝(NHK総合テレビ 司会=ふるさとの宝を考える会長)
- 芸恋リアル(2006年・読売テレビ制作・日本テレビ系)島田珠代に告白された。
- 第1回輝け!オールスター合唱コンクール(2006年9月16日・テレビ東京)落語家合唱団として参戦、バリトン担当。
- 行列のできる法律相談所(日本テレビ系、2006年9月24日放送分にゲスト出演)
- 春風亭昇太のオールナイトニッポン(ニッポン放送)
- はぐれ刑事純情派PART VI(1993年・テレビ朝日)落語家役でゲスト出演
- BS笑点(BS日テレ)
[編集] 映画
- 免許がない
- 忘れられぬ人々
[編集] CM
- キリンビール「秋味」
[編集] 著書
- 「ボクがモスラを好きなわけ」
- 「楽に生きるのも、楽じゃない」
- 「はじめての落語。春風亭昇太ひとり会」
- 「楽しんだ者勝ち」(林家たい平と共著)
[編集] 一門弟子
- 春風亭柳太郎(※元は弟弟子だが師の柳昇の死により移門)
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 辺見えみりのHappy Talk(辺見えみりさんとの対談 GiRLSGATE)