鹿取義隆

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鹿取 義隆（かとり よしたか、1957年3月10日 - ）は、プロ野球選手。現役時代は読売ジャイアンツ、西武ライオンズで中継ぎ・抑えとして活躍した。ポジションは投手。引退後は巨人の投手コーチ、ヘッドコーチを経て現在はスポーツ報知野球評論家、TBS系のBSデジタル放送BS-iで野球解説を務める他、タレントの萩本欽一が主宰して結成するクラブチーム・「茨城ゴールデンゴールズ」のヘッドコーチを務める。2006 ワールド・ベースボール・クラシック日本代表の投手コーチにも選ばれた。岡林洋一は遠い親戚に当たる。

目次 1 来歴・人物 2 略歴 3 成績 4 主なタイトル 5 エピソード 6 関連項目

[編集] 来歴・人物

明治大学時代は高橋三千丈（元中日）の控え投手であった。江川事件により巨人がドラフト会議をボイコットした1978年オフ、ドラフト外で入団する。右サイドスローからの多彩な変化球が持ち味で、プロ入りすると使い減りしない中継ぎ（今で言うセットアッパー）として毎年のように活躍、巨人ファンから「鹿取大明神」と謳われる活躍を見せ、1987年には抑えの切り札として63試合に登板しリーグ優勝に貢献する（惜しくもMVPは逃し、正捕手山倉和博が受賞。）。

当時の王貞治監督がコールする「ピッチャー鹿取」、また「酷使される」という意味で使われた「カトられる」は流行語となった（※この「酷使」の意味あいはリリーフ投手が規定投球回に到達する（オリックス・平井など）ような時代現在と異なり、バブルの絶頂期「サラリーマンの鏡」などという「野球の領域を遥かに超えた評価」である）。1989年の鹿取は長年の疲労や、藤田元司新監督の下でモチベーションを欠くなどし低迷。一時は引退を直訴するほどであったという（→藤田元司）。藤田監督は前年に新居を構えていた鹿取の事情を慮り、その年オフの西武西岡良洋との交換トレード要員に決める。

西武では抑えとして複調し、移籍1年目の1990年には最優秀救援投手を受賞、その後も潮崎哲也とダブルストッパー体制を組んで中継ぎ、抑えで幾度の優勝に貢献、西武の黄金期を支えた。最終的には巨人時代の45勝29敗58セーブを上回る46勝17敗73セーブの記録を残し、1997年に現役を引退。

投手コーチとしては個々の選手の特性のあった指導をしている。例えば普通投球中に頭を動かす選手に対しては修正を促すのだが、下を向いて投げることでボールに勢いを付けるレッドソックス岡島秀樹に、あれが一番合った投げ方なんだと肩などの細かい部分の調整を指導することで制球力を付加している。

[編集] 略歴

• 身長・体重 1m74cm、78kg
• 投打 右/右
• 出身地 高知県香美市
• 血液型 AB型
• 球歴 高知商 - 明大 - 読売ジャイアンツ（1979年～1989年） - 西武ライオンズ（1990年～1997年）
• プロ入り年度・ドラフト順位 1978年（ドラフト外）

[編集] 成績

年度	チーム	試合数	勝数	敗数	セーブ	投球回	奪三振	防御率
1979年	巨人	38	3	2	2	59	29	3.36
1980年		51	4	3	3	86	63	1.78
1981年		22	1	0	0	37 2/3	22	2.37
1982年		21	3	2	0	57 2/3	36	4.50
1983年		38	5	2	1	94	64	3.64
1984年		48	4	3	6	88	58	2.45
1985年		60	4	5	4	84 1/3	75	3.52
1986年		59	4	3	4	101	68	2.32
1987年		63	7	4	18	94 2/3	70	1.90
1988年		45	8	4	17	64 2/3	40	3.20
1989年		21	2	1	3	34 1/3	25	3.15
1990年	西武	37	3	1	24	45	26	3.00
1991年		34	7	1	8	70 2/3	37	1.78
1992年		38	10	1	16	76 2/3	41	2.47
1993年		42	5	4	16	68	47	2.25
1994年		40	7	3	5	76 2/3	53	3.40
1995年		43	6	3	2	85 1/3	43	2.42
1996年		47	7	3	2	75	48	2.40
1997年		8	1	1	0	7 1/3	1	9.82
通算		755	91	46	131	1306 1/3	846	2.76

（表中太字はシーズンのリーグ最高記録）

[編集] 主なタイトル

• 最優秀救援投手 1回 1990年
• オールスター出場 1987年、1991年、1993年

[編集] エピソード

• 契約更改で揉めることなく毎年一回目の交渉で合意に至ることで有名だった。ある年の交渉では「一度保留してみたかった」との理由で保留し、二回目の交渉では減額されたにも関わらずサインした。
• タレントの萩本欽一とは現役時代より交友があり、萩本は度々鹿取の人間性を高く評価している旨の発言を行っている。オフには仮装大賞など萩本の番組のゲストに呼ばれるのが常だった。この縁から茨城ゴールデンゴールズのヘッドコーチに就任した。
• 息子が父・義隆が写っているカルビープロ野球カードを収集していたことでも知られる。息子は父が巨人現役時代の記憶はない様子。
• 映画『出口のない海』製作時、主演の市川海老蔵にサイドスローの指導をした。
• 救援登板がほとんどのため1983年8月21日の大洋戦（横浜）の一試合が生涯唯一の完投勝利である。
• 現役時代は5球投げればマウンドに向かえるタフさを誇っていた。1994年6月8日の日本ハム戦（東京D）にてリリーフとして2番手で登板し9イニングを無失点で投げきる珍記録を為す。但し先発の村田に失点が記録されたため完封の記録は与えられなかった。
• テレビ番組などに出演してピッチングを披露すると現在も120～125キロ程度は投げられるらしい。2007年3月17日放送のTBS「ブロードキャスター」番組内でジャイロボールを事も無げに投げてみせた。
• コーチ時代に準備が十分に出来ていない選手を起用する長嶋茂雄のカンピューター采配に面向かって長嶋に意見を言うことが出来た数少ない人物の1人であった。

[編集] 関連項目

• 高知県出身の有名人一覧
• 長嶋茂雄
• 原辰徳
• 根本陸夫
• 森祇晶
• 東尾修