L7 (105mm戦車砲)
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L7 105mm戦車砲は、ロイヤルオードナンスL7(Royal Ordnance L7)としても知られるイギリスで設計された戦車砲である。いわゆる戦後第二世代の戦車の主砲として世界的に広く採用されているベストセラーであり、開発はRoyal Ordnance Factoriesで行われた。Royal Ordnance Factoriesの本来の意味は王立造兵廠だが、1985年に民営化されて株式会社となっているため本稿ではロイヤルオードナンスを企業名として扱う。
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[編集] 概要
L7は対装甲戦闘車輌用として設計された口径が105mmのライフル砲であり、戦後世代の英国戦車の武装としてだけではなく、いわゆる「西側」のほとんどのMBT(Main Battle Tank)の主武装としても採用された。
ロイヤルオードナンスL7は戦後(冷戦時代)の第一世代の戦車であるセンチュリオンが搭載していた20ポンド砲の後継として英国のロイヤルオードナンスにおいて開発された。
L7は広く用いられた兵器であり、120mmライフル砲であるL11シリーズに取って代わられた後も砲兵前進観測班と戦闘工兵車輌のために依然として使用された。L7は冷戦の期間中に開発された戦闘車両の標準的な主砲として、また旧式戦車の戦闘力増強のためのレトロフィットとして使用された。L7はまた米国陸軍の装輪車輌であるストライカー装甲車をベースにした機動砲システム(ストライカーMGS)の主武装としても採用されている。
[編集] 歴史
L7は、その当時のワルシャワ条約軍の戦車(T-54とIS-3)、および将来登場するであろう新戦車を撃破することが不可能と判断された20ポンド砲を直接的に置換するために20ポンド砲のターレットに納まるように設計された。このためセンチュリオンは最小の部分修正によって主砲を増強でき、英国戦車は短時間、低価格でアップグレードすることができた。
L7は薬莢を使用する莢砲であり、その閉鎖機は水平鎖栓式が採用されている。後座長は約29cmで、後座し終わると空薬莢を自動的に排出する。砲身の中ほどに排煙器が取り付けられているが、これはそれまでの砲口排煙機などに取って代わるものでL7を特徴付ける機器となっている。
L7はを最初に採用した戦車はセンチュリオンMk.5/2であった。その後にL7はいくつかの国家で彼ら自身のMBTのために採用されている。代表的な例としては西ドイツ(当時)のレオパルド1(新たにL7A3が開発された)、日本の74式戦車(日本製鋼所でライセンス生産された)、スウェーデンのStrv.103(より長い砲身と自動装填装置を持つL74が開発された)、米国のM60戦車シリーズ(M68を含む)、およびイスラエルのメルカバである。さらにいくつかの国家が既存戦車の火力強化のためにL7を採用している。
イタリアのオットメラーラやフランスのGIAT(現在のNexter。定着した日本語読みはまだない)は105mm口径の戦車砲を独自に開発しており、イタリアやフランスの戦闘車両に採用されているが、L7が広く成功した結果、これらの砲ではL7系列の弾薬が共通で使用できる設計となっている。
[編集] 仕様
[編集] 弾種
- 装弾筒付徹甲弾(APDS)
- 対人曳光弾(APERS-T、Anti-personnel-tracer)
- 装弾筒付翼安定徹甲弾(APFSDS)
- 空砲(Dummy)
- 榴弾(HE)
- 対戦車榴弾(HEAT)。成形炸薬弾を参照。
- 粘着榴弾(HESH)
- 白燐焼夷弾(Smoke-White phosphorus incendiary)。白燐弾を参照。
- 演習弾(Target Practice)
- 装弾筒付演習弾(Target Practice Discarding Sabot)
[編集] 種類
- L7A1
- 英国における標準量産型。
- L7A3
- L74
- M68
- 79式/81式/83式
[編集] 採用
L7は以下の戦車に搭載されている。
- センチュリオン(英国)
- およびオリファント(南アフリカ)の様な改造型
- EE-T1オソリオ(ブラジル)
- レオパルド1(西ドイツ)
- M1エイブラムス(米国)
- M47パットン(米国)
- およびいくつかのアップグレードバージョン(たとえばスペインのM47E1とM47E2)
- M48パットン(米国)
- およびいくつかのアップグレードバージョン(たとえばM48A5やイスラエルのマガフ(改修型M48))
- K1 88式(韓国)
- M60パットン(米国)
- メルカバMk.I、およびMk.II(イスラエル)
- OF-40(イタリア)
- Pz-61とPz-68(スイス)
- Stridsvagn 103(スウェーデン)
- M1128ストライカーMGS(Mobile Gun System、米国)
- T-54/55(旧ソ連)
- TAM(アルゼンチン)
- 74式戦車(日本)
- ビジャンタ(インド)
