たかつき型護衛艦
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たかつき型護衛艦 | ||
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概歴 | ||
就役開始 | 1959年2月28日 | |
退役完了 | 1989年5月31日 | |
次級 | むらさめ型護衛艦/あきづき型護衛艦 | |
次級 | はつゆき型護衛艦 | |
要目(新造時) | ||
艦種 | 護衛艦 | |
排水量 | 基準排水量 | 3,050t |
基準排水量(3・4番艦) | 3,100t | |
全長 | 136m | |
全幅 | 13.4m | |
深さ | 8.7m | |
吃水 | ||
機関 | 蒸気タービン2基2軸 | 60,000PS |
速力 | 最大32kt | |
定員 | 270名 | |
兵装 | 5インチ54口径単装速射砲 | 2基 |
アスロック8連装発射機 | 1基 | |
ボフォース対潜ロケット4連装発射機 | 1基 | |
対潜短魚雷3連装発射管 | 2基 | |
搭載機 | QH-50Dダッシュ | 2機 |
要目(FRAM後) | ||
排水量 | 基準排水量 | 3,250t |
速力 | 最大31kt | |
定員 | 260名 | |
兵装 | 5インチ54口径単装速射砲 | 2基 |
アスロック8連装発射機 | 1基 | |
ボフォース対潜ロケット4連装発射機 | 1基 | |
対潜短魚雷3連装発射管 | 2基 | |
ファランクスCIWS(きくづきのみ) | 2基 | |
ハープーンSSM4連装発射筒 | 2基 | |
シースパローSAM8連装発射機 | 1基 | |
言語 | 表記 | |
日本語 | たかつき型護衛艦 | |
英語 | Takatsuki class Destroyer |
たかつき型護衛艦(-がたごえいかん)は、1967年~70年に各1隻、計4隻が就役した、海上自衛隊の護衛艦(DDまたはDDA)である。1996年から2003年にかけて、全艦除籍された。
目次 |
[編集] 概要
本型は護衛隊群の対潜作戦の中核となる大型汎用護衛艦として計画された。第2次防衛力整備計画(2次防)でやまぐも型護衛艦及びみねぐも型護衛艦に採用された新型対潜兵器を全て搭載している。具体的にはアスロック(ASROC、アンチ・サブマリン・ロケットの略)、ダッシュ(DASH、ドローン・アンチ・サブマリン・ヘリコプターの略、QH-50D対潜無人ヘリ)、ボフォース対潜ロケット(スウェーデンのボフォース社製)、3連装短魚雷発射管、バウ・ソナーなどである。対空・対水上用には5インチ54口径単装速射砲Mk42を護衛艦として初装備。船型は遮浪甲板型とし、煙突とマストを一体化したマックを初めて採用した。1番艦「たかつき」は戦術情報処理装置NYYA-1を後日装備し、海上自衛隊に於けるシステム艦の嚆矢にもなった。端正な艦容で知られる。
本型は有力な対潜艦であり、海上自衛隊護衛艦が列国の新鋭艦に匹敵し得るようになった初の例でもある。しかしミサイル化の流れの中で装備の陳腐化が目立ち始め、「たかつき」「きくづき」には1985~86年に近代化改装(FRAM)が施された。これは新鋭のはつゆき型護衛艦並みの性能を狙ったもので、主な内容は後部5インチ砲と既に運用停止していたダッシュ関連設備を撤去し、新たにシー・スパロー対空ミサイル8連装発射機1基、ハープーン対艦ミサイル4連装発射筒2基、20ミリ・ファランクスCIWS1基(「たかつき」は後日装備とされたが実現せず)を装備。射撃指揮装置2-12型や新型の情報処理システム、データ・リンク、曳航式パッシブ・ソナー(TASS)なども追加し、基準排水量は200トン増加した。この結果本級は艦齢を延長するとともに、ヘリコプターこそ搭載しないものの、第一線の水上戦闘艦の座に返り咲くこととなった。なおこの改装は3・4番艦にも実施される予定であったが、費用対効果比などの問題から実現には至らず、退役した。
余談だが、たかつきに装備されていたESM(電波探知機、アメリカ製)は、古い機器にありがちな「当り」の機械で、感度が非常に優秀で、退役寸前まで「あれは反則だ」と揶揄されていた。
[編集] 艦種記号
本型は予算上は甲II型警備艦とされ、艦種記号に非公式ながらDDAを充てられることが通例だった。本級以前にはむらさめ(初代)型がDDAと呼ばれており、これは5インチ54口径単装高角砲Mk39を搭載した防空艦として、Anti-Airを表したものとされる。本型もより新型の5インチ砲を装備したことに伴いDDAと称された訳だが、上述のように対潜艦としても充実した装備を有しており、むしろAll-purposeの略と考えるべきである。そうした意味で本型はむしろ汎用艦であったあきづき型護衛艦に近い性格の艦であり、艦名も「~つき」を踏襲している。防空艦としてのむらさめ(初代)型の後継は、あまつかぜ以降の一連のDDGと見なした方が自然であろう。
なお4次防では、3,600トン型の「艦対艦誘導弾搭載護衛艦」が計画され、これもDDAと呼ばれている。オイルショックの余波で結局予算要求にも至らず詳細は不明だが、L-90 35ミリ機銃も搭載する予定だったとされ、恐らくは本型に似た汎用艦として構想されていたと考えられる。この艦のコンセプトは後に、はつゆき型に結実することとなる。
[編集] 同型艦
- たかつき DD-164 1967年就役 2002年除籍
- きくづき DD-165 1968年就役 2003年除籍
- もちづき DD-166 1969年就役 1995年特務艦(ASU-7019) 1999年除籍
- ながつき DD-167 1970年就役 1996年除籍
[編集] 出演作品
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
護衛艦の型式一覧
DDH ヘリコプター護衛艦 |
13500トン型 しらね型 はるな型 |
DDG ミサイル護衛艦 |
あたご型 こんごう型 はたかぜ型 たちかぜ型 あまつかぜ |
DD 護衛艦 |
5000トン型 たかなみ型 むらさめ型 あさぎり型 はつゆき型 あきづき型 はるかぜ型 ありあけ型 あさかぜ型 |
DDA 多目的護衛艦 |
たかつき型 むらさめ型_(初代) |
DDK 対潜護衛艦 |
みねぐも型 やまぐも型 あやなみ型 |
DE 護衛艦 |
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