イカルイト
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イカルイトの風景 | |||||
![]() (写真:議事堂) |
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市のシンボル | |||||
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基礎データ | |||||
国 | ![]() |
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州 | ![]() |
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都市名 | イカルイト (英:City of Iqaluit) |
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創設日 | 1942年 | ||||
緯度 経度 |
北緯 63度45分 西経 68度31分 |
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標高 | 海抜 34 m | ||||
面積 | 52.34 km² | ||||
人口 - 都市 |
(2001年) 5,236 人 |
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時間帯 | 東部標準時(EST)、UTC-5 東部夏時間(EDT)、UTC-4 |
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市外局番 | +1-867 | ||||
郵便番号 | X0A 0H0, X0A 1H0 | ||||
公式サイト | www.city.iqaluit.nu.ca |
イカルイト(英:Iqaluit)は、カナダのバフィン島南部、フロビッシャー湾の奥に位置する都市。旧称フロビッシャーベイ。同国ヌナブト準州の準州都である。人口は5,236人(2001年)。住民の約6割はイヌイットである。かつては湾の名前を取ってフロビッシャーベイ(Frobisher Bay)という市名であったが、1987年に現在のイカルイトに改称された。1999年4月1日にはノースウェスト準州から分割される形でヌナブト準州が設立され、イカルイトが準州都となった。トロントやモントリオールからのエア・カナダの定期便もあり、現在急速に成長している都市のひとつである。
目次 |
[編集] 歴史
イカルイトの都市としての歴史は新しく、最初の常住者は1942年にアメリカ合衆国の空軍基地が置かれた際にガイドを務めたイヌイット、ナカスク(Nakasuk)であった。それ以前は、この一帯は長くイヌイットたちの野営地や漁場であった。イヌイットたちはこの地を「大量の魚」を意味するイカルイトと呼んでいたが、アメリカ人・カナダ人は付近の湾にちなんでこの地に建設した都市をフロビッシャーベイと名付けた。
やがて1949年にハドソン湾会社がこの地に移転するとフロビッシャーベイの人口は一気に増え始めた。1950年代中盤に入ると遠距離早期警戒線の基地が設置された関係で建設労働者や軍人などがこの地に移住してくるようになった。また、基地のもたらす雇用や医療サービスを求めてイヌイットたちも町に移入してきた。1957年には、市の人口約1,200人のうち、その4割にあたる489人がイヌイットであった。1959年にはカナダ政府がフロビッシャーベイへのイヌイットの常住を進めるため、同地での常勤医師、学校、社会基盤を含む行政サービスを始めた。
1963年、アメリカ空軍は遠距離早期警戒線の軍事的価値の低下に伴い、フロビッシャーベイの基地を廃止した。しかしカナダ政府は引き続きフロビッシャーベイに支局を置き、東部北極地方の行政の要とした。1964年には市議会の選挙が行われ、1979年には初めての市長が誕生した。
1987年1月1日、市名はアメリカ人によってつけられたフロビッシャーベイからイヌイットたちが伝統的に用いていたイカルイトという名に正式に改められた。1995年12月にはノースウェスト準州から分割する形でのヌナブト準州の設置が決まり、イカルイトが州都に選ばれた。1999年4月1日に正式にヌナブト準州が成立すると、イカルイトは正式にその州都になった。2001年4月19日には、イカルイトはカナダの正式な市となった。
[編集] 地理
イカルイトは北緯63度45分0秒西経68度31分0秒に位置している。北極圏よりわずかに南ではあるが、付近を寒流のラブラドル海流が流れているため、カナダ国内の同緯度の地域に比べ、1年を通じて寒い。ケッペンの気候区分ではET(ツンドラ気候)に属する。樹木は育たず、露天での農耕は不可能である。
イカルイトの総面積は52.34km²、人口密度は100人/km²である。
イカルイトからバフィン島内陸部、北西方向へ150km進むと、南北100km、東西80kmに及ぶ島内で2番目に広い湖 Angmakjuak に達する。湖から流出する河川は、途中長経10kmほどのジョルダン湖(Jordan)を経由し、イカルイトの南西2kmの地点でフロビッシャー湾に流れ込む。
イカルイトはフロビッシャー湾に直接接しているのではない。湾に存在する無数の小規模な湾に面している。奥行き3.5km、最大幅3km程度の小さな湾である。市街は北西から南東に延びる。長さ6km、幅1kmほどの地域にのみ建築物が広がる。公共投資が行き届いており、整備された道路に沿って住居や各種施設が並ぶ。都市の形状は不規則で、街路も複数の曲線をゆるやかに組み合わせた網の目を形成している。
[編集] 交通
イカルイトは寒冷地の離島であるバフィン島に位置するため、1年を通して利用できる他地域との交通手段は航空機に限られる。近代的なイカルイト空港(Iqaluit Airport、IATA空港コード:YFB)が玄関口となっており、トロントやモントリオールからのエア・カナダの便がある。町の中央部から北西部にかけ、街路と並行に長さ2700mの滑走路が延びる。
航空機のほかには船舶の便もあるが、周囲の海が氷結しない夏季に限られている。港湾施設は簡素であり、垂直にフロビッシャー湾に突き出す長さ250mの接岸用の岸壁が唯一の設備である。
[編集] 参考文献
- en:Iqaluit, Nunavut 6/11/2006 6:35 (UTC)
[編集] 外部リンク
- イカルイット市公式サイト (英)
- Official Relocation Guide (PDF) Gives a good intro to lifestyle and services (英)
- Personal travel log with many photos (英)
- Information on the Iqaluit Airport in the Canadian Owners and Pilots Association Places to Fly directory (英)
- Iqaluit webcam via CBC North (英)
- A photo of St. Jude's Cathedral (英)
- Charles 1 - Destination Iqaluit, Nunavut - (仏) イカルイトの画像
- CBC news account of cathedral fire (英)