イスラエル国防軍
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
イスラエル国防軍 (Israel Defense Forces) |
|
---|---|
人的資源 | |
徴兵年齢 | 18歳 |
有効人数 | 15歳~49歳の男性: 1,499,186人(2000年)
|
兵役に適合する人数 | 15歳~49歳の男性: 1,226,903人(2000年)
|
徴兵可能人口の増加数 | 男性: 50,348人(2000年) 女性: 47,996人(2000年) |
軍事予算 | |
ドル換算 | 87億ドル (FY99) |
GDP比 | 9.4% (FY99) |
イスラエル国防軍(英:Israel Defense Forces (IDF)、ヘブライ:צבא הגנה לישראל Tsva HaHagana LeYisrael! ?)は陸海空3軍により構成されるイスラエル国の正規軍である。
1948年に設立されたIDFは5度にわたる大規模な戦争を経験しており、世界で最も練度の高い軍隊の一つだと評価されている。2004年8月時点では10万7千500人の徴集兵を含む16万8千人の人員を有しており、陸軍は12万5千人、海軍は8千人、空軍は3万5千人で構成されている。この他に40万8千人の予備役がおり、総動員時の兵力は57万6千人に達する。
目次 |
[編集] 歴史
イスラエル国防軍は1948年5月14日のイスラエル建国と共に設立された。独立前からユダヤ人コミュニティの防衛を担っていた私兵組織ハガナおよびその軍事部門パルマッハが基盤となった。さらに、第二次世界大戦を英国指揮下で戦ったユダヤ旅団の出身者の多くも参加している。地下組織イルグンおよびレヒは国防軍との協力を約束したが、自身の独立性は1948年の第一次中東戦争終結まで保持していた。戦後にこれらの地下組織の構成員は国防軍に参加している。1949年から1956年にかけてイスラエル国防軍はアラブ諸国との戦争をとおして近代化と効率化を押し進めた。
その後の十年間は少数精鋭主義の職業軍化を目指すとともに、核兵器開発にも力を入れた。1970年代後半に行われた第四次中東戦争以後は大規模な戦争を経験していないが、周辺諸国との対立により散発的な紛争を経験している。
[編集] 装備および軍事技術
現在イスラエル国防軍は世界でも有数の戦争遂行能力を保持していると評価されている。装備品にはM4カービン銃、F-15戦闘機、F-16戦闘機、AH-64 アパッチヘリコプターなどアメリカ合衆国から供与、購入した製品が多く使用される。イスラエルはアメリカ合衆国から毎年20億ドル相当の軍事援助を受けており、その多くはアメリカ製の軍事装備を購入することに費やされる。これらとは別にイスラエル独自に開発および製造した兵器も多く存在する。第3世代主力戦車のメルカヴァ、戦闘機クフィル、ガリルアサルトライフル、ウージー短機関銃などは輸出の上でも成功をおさめた。(※メルカバ戦車は輸出されていない。)また低強度紛争 (LIC = Low Intensity Conflict) に対する装甲車輌用の独自の装備として、OWS (Overhead Weapon Station) と呼ばれる、車内から遠隔操作できる市街戦向きの自動銃座がある。
[編集] 兵器開発
イスラエル軍が持つ兵器の中で有名なものは、小火器、戦車およびAPC、戦闘機などである。その他にはアメリカと共同で開発した対弾道ミサイル防衛システム、偵察衛星なども保有している。核兵器をはじめとする大量破壊兵器の開発および保有が報道されているが、政府が公式にこれを認めたことはない。
[編集] 武器体系
|
[編集] 核兵器
世界のメディアの多くはイスラエルが核兵器を保有していることを有力視している。核兵器は1960年代からネガフ核開発センターにおいて開発が開始され、最初の実戦配備は第三次中東戦争中に当時の首相レヴィ・エシュコルの命令により行われたと報道されている。1973年の第四次中東戦争においては、開戦当初の劣勢を懸念して13個の20キロトン級核爆弾が配備されたとされる。
現在イスラエル国防軍が保有する核兵器の種類およびその数については複数の説が存在する。FASでは100から200個の核弾頭が存在し、航空機(A-4スカイホーク、F-4ファントムII)および弾道ミサイル(ランス、ジェリコー・ミサイル)によって運用されるとしている。 ジェリコーIIミサイルは1,500から4,000 kmの射程を有しており、ロシアの一部、イラン、リビアを射程におさめている。
更にイスラエル海軍の保有する3隻の「ドルフィン」級潜水艦が、魚雷発射管から発射される方式の核装備巡航ミサイルを搭載しているとの憶測が飛び交った。このミサイルは1,500kmの射程を持つとされ、2000年5月にスリランカ沖で発射テストが行われたと言われている。これは同潜水艦が異常に大口径の魚雷発射管(既知の西側諸国のいかなる魚雷よりも大きい)を持つ事から生じた憶測であると思われるが、一部の軍事アナリストは潜水艦のロジックからしてそうした運用は不可能であると否定しており、前述の発射テストの具体的な証拠も示されていない。
イスラエル政府は核兵器保有疑惑に関して、肯定も否定もせず曖昧な態度を示していた。しかし1986年、同国の元核技術者モルデハイ・ヴァヌヌにより、イスラエルの核開発計画の詳細が英国にて公にされた。ヴァヌヌはその後モサドに拘束され、イスラエルで反逆罪の有罪判決を受け服役、2004年に釈放された後イスラエルで監視下にありながら生存している。
[編集] 関連項目
[編集] イスラエル国防軍が参加した戦争
[編集] 外部リンク
この「イスラエル国防軍」は、軍事に関連した書きかけ項目です。この項目を加筆・訂正などして下さる協力者を求めています。(関連: ウィキポータル 軍事/ウィキプロジェクト 軍事/ウィキプロジェクト 軍事史) |