エルブルス山
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エルブルス山 | |
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標高 | 5,642 m |
位置 | 北緯43度21分18秒 東経42度26分21秒 |
所在地 | ロシア連邦 |
山系 | コーカサス山脈 |
種類 | 成層火山(休火山) |
初登頂 | 1874年 F. クロフォード・グローヴら(イギリス) |
エルブルス山(ロシア語で Эльбрус)はコーカサス山脈の最高峰。高さは5,642mで、ヨーロッパの最高峰でもある(地理的には大コーカサス山脈がヨーロッパとアジアの境界とされる)。大コーカサス山脈のすぐ北側を走るボコボイ山脈に連なる。エリブルス山とも。
ロシア連邦に属するカバルダ・バルカル共和国の南部に位置し、キスロヴォツクから南西に65km。グルジアとの国境から北に約12km。多くの氷河があり、それらはバクサン川やクバン川などの源流となっている。
2つの頂上のうち、より低い東峰(5,621m)は1868年にダグラス・フレッシュフィールド、A. W. ムーア、C. C. タッカーが登頂。西峰(5,642m)には、1874年にF. クロフォード・グローヴが率いるイギリスの探検隊が登頂した。西峰と東峰は約3km離れている。
ソビエト連邦では登山は非常に人気のあるスポーツとなり、多くの登山者が現れた。1936年には多くの若者が遭難する事故があった。
第二次世界大戦中の1942年、ブラウ作戦により南下してきたドイツ軍の山岳部隊が登頂した。登山の際、ソ連軍の山岳部隊と交戦している。ヒトラーはゲルマン神話に登場するエルブルス山にこだわっていたと言われる。ドイツ軍は1942年末にはこの地域から撤退していった。
1956年、カバルダ・バルカル共和国の地域のロシアへの併合から400周年を記念して、400人の登山隊が登頂した。
1959年から1976年にかけて、3,900mの地点までケーブルカーがつくられた。また、4,100mの地点には登山者のための宿泊施設もある。夏季には、この登頂路を通って、一日に100人を越える登山者が登頂を試みることも珍しくない。