ケイドロ
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ケイドロは、鬼ごっこの一種。 ドロケイとも言う。泥棒と警察ごっこの略が語源とみられる。一部地域ではドロジュン(泥棒と巡査)、ドロタン(泥棒と探偵)、悪漢探偵、タンテイとも呼ばれる。
泥棒役を、警察役(鬼)が追いかけて、牢屋(または刑務所)に捕まえる。
泥棒組と警察組に分けて、グループで遊ぶ。
グループ分けに「いろは歌」を用いることもある。
- いろはにほへとちりぬ→「盗人」
- るをわかよた→「探偵」
という風にして順番に指名していく。
又他にも京都の一部の地域では一匹・二匹・アヒルの子・盗って・逃げるは・泥棒の子・・・そ・れを・追・い・か・け・る・の・は・巡査の子と言って指名していく方法などもある。
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[編集] 開始条件
- 充分な人数(後述する)が確保できている事。
- メンバーの大多数が逃亡・追跡可能な体力・気力を備えている事。
- 充分な場所(後述する)が確保出来る事。ただ範囲だけではなく、安全性なども良く吟味する必要がある。
- 主に、たまたま遊んでいたメンバーの誰かがふと口にして始まる事が多い。
[編集] 基本ルール
- 基本的に、鬼ごっと等と同じく警察(鬼)が泥棒(逃げる者)を全員逮捕(捕まえる事)を目的とする。
- 警察は、泥棒をタッチする(触る)ことで「捕まえた」ことになる。
- 捕まえた泥棒を集めておく場所を、牢屋と呼ぶ。
牢屋は、後述する性質上、周りが壁に囲まれているような場所なら警察側に有利に、逆にまわりが完全にひらけていたり、見通しが悪いと泥棒側に有利に働く。牢屋決めは双方のチームの最初の駆け引きと言っても過言ではない。
- 泥棒は、仲間に助けられる(仲間が既に捕まっている者にタッチする)と再度逃げる事ができる。
泥棒が再度逃げる事ができるようになるためには2つのパターンがある。
---牢屋外での再逃亡--- 警察が泥棒にタッチすると捕まった事になるのは前述したが、牢屋へ連行している間に泥棒の仲間が捕まった泥棒にタッチすることによって再度復活する事ができる。それを防ぐために警察は捕まえた泥棒の服や手を握ったまま連行するなど、考慮が必要となる。
---牢屋内での再逃亡--- 捕まった泥棒はあらかじめ設定された牢屋まで連行され、そこでゲームの終了まで待機する事になる。 だが、捕まった泥棒にもまだチャンスが与えられている。仲間の、まだ捕まっていない泥棒のタッチをもらう事によって再逃亡が可能になるのだ。これは助ける側、助けてもらう側共に高度なテクニックを必要とする。この時に、前述した牢屋の仕様(場所や広さ、形)が重要になってくる。
注)ここで呼称している"牢屋"とは実際に格子のあるものではない。
- 一定の逃走許可範囲を設定しておく。これを怠ると、泥棒側が圧倒的有利になってしまい警察側は全員を捕まえる事が大変難しくなってしまう。通常は、ある範囲を囲むようにして大きな道、フェンス、壁などで設定する。小・中学生なら半径1キロほどが限度であろうが(ステージとする場所の高低差、住宅の有無、建物の密集具合などで変動はある)高校生や大人が行なうのなら町・街をステージとする事もしばしばある。
- 適当な人数は、その逃走許可範囲によって変動する。半径が1キロほどまでなら1チーム3~6人ほどで充分であるが、それ以上・街などがステージとなる場合は1チーム10~以上は必要だろう。まさにテレビ番組「THE・鉄腕DASH」のおにごっこのようになる。
- 時間設定も重要である。小規模なケイドロならば、1ゲームが20分~1時間ほどで自然に終了すると思われる。だが、泥棒側が相当なつわものを有していたりする場合がある。その場合、何時間たっても泥棒を捕まえられないという事態が発生する事になる。何時間逃げつづけても構わないのだが、徐々に双方の士気が下がる事は明白なので、ゲームをはじめる前に時間を設定しておくべきだろう。その設定時間以上泥棒が逃げ切ると泥棒側の勝利となる。
- 泥棒全員が捕まえられたら、泥棒の負けでゲームは終了となる。
[編集] ローカルルール
- 警察は任意の地点を牢屋と定めることが出来る。(警察に牢屋設定の優越権があるという事)
- 警察は、泥棒を捕まえるとき、身体または衣服の一部を掴んだ状態で1から10までを数えなければならない(もしくは、あるキーワードを言わなければならない。キーワードは地域によってまちまち。)。数え終わる前に振り切ることが出来れば、泥棒は逃走を継続することが出来る。その場合は警察側は再度捕まえても数えなおしとなる。数を数え終わった場合は、泥棒は一切抵抗しない。
- 最初に捕まった者は拘留を表すために、まず刑務所付近の樹木やポール、電信柱などに片手を当てておく。2人目は、1人目の者の手を繋ぐ。3人目は2人目の手を繋ぐ。こうして捕まるたびに手を繋いで列を伸ばしていく。拘留前には解放することは出来ない。
- 泥棒が捕まっている子供を助けるためには、捕まっている子供が繋いでいる手と手を払う必要がある。そうすることで分離された列のより最近に捕まった一団が解放される。より最初に捕まった一団は継続して拘留される。
- 宝をとるときは一気に攻めていってその泥棒を捕まえるために警官が離れた隙に取る
[編集] テクニック 警察
- 警察は、全員が散らばって誰構わず見つけた人を捕まえようという戦術は使用しない方が良い。ベストな戦術としては、誰か1人・1エリアを決めて人海戦術のように確実に潰していく事。無論、運動能力・ケイドロ経験に自信がある者は、特別部隊として個人行動もありうるだろう。
- 警察は、特に会話や物音に注意する必要がある。足音を立てないように移動し、運動量は多ければ多い方が泥棒と遭遇する可能性が高くなる。泥棒以上に警戒心、洞察力が求められる。
泥棒を発見したら、出来るだけたくさんの仲間に知らせた方が良い。そして、仲間が集まった所で包囲して捕まえるべき。1対1の追跡では、警察が泥棒よりも優れた走破能力・持久力を持っていないと捕まえることは難しい。
- 警察側は泥棒が牢屋に侵入しないよう,牢屋の周りを1人ないし2人で監視した方が良い。
この監視役は、足の速さなどを求められないために若干運動神経の劣る人物が担当する事が多い。だが、相当に重要なポジションである。 捜査・検挙役(実際に泥棒を捕まえるために探し回る者)が必死に捕まえた泥棒を、下手をすると一斉に逃がしてしまう可能性があるからだ。この一斉逃亡を許してしまうと警察の士気がとてつもなく下がるのは言うまでもない。慣れた者・チームなら、あえて運動神経に秀でたものを配置する事もある。
[編集] テクニック 泥棒
- 泥棒側は牢屋につかまったフリをして潜伏し仲間が捕まったらタッチし2人で逃走する。このテクニックは同じチームの者でもその潜伏行動がわかりにくく、また混乱を引き起こす事が多々あるのであまりお薦めはできない。できれば使用しない方が賢明である。
- 泥棒が捕まった時、意図的に「捕まったぁ!!!」などと周りの仲間に知らせる。これは捕まっていない泥棒が、味方の状況を把握しようと安易に牢屋周辺に近づいたりして捕まるのを防ぐ上でも効果的であるし、周りの仲間に知らせておけば、それ以降の救出も期待できる。
- あまり泥棒どうしで逃げる時に固まらない。どうしても人数が増えると無駄な会話や物音、協調性に乱れなどが生じるからだ。ベストはツーマンセル(2人組)、多くてもフォーマンセル(4人組)にとどめておくこと。
- 逃げる際は組ごとに四方に散らばって逃げる事。せっかく組を分けても、同じ方向に逃げていたのでは芋づる式に捕まるという最悪のシナリオを辿る事になる。
- 出来るだけ早く隠れる場所を固定する事。初心者にありがちなのはちょっとしたヒーロー気取りでいつまでもうろついている事だ。自分から警察と出会う機会を増やしているだけなので、どこか一ヶ所にじっとしておくべきである。
- トイレには必ずゲーム前に行っておく。何故か隠れ場所を見つけた途端に小便が出そうになるという摩訶不思議な出来事がケイドロでは頻発する。この原因としては隠れ場所を見つけたことで緊張が解けてしまうからなどが考えられる。
- 無謀なジャンプ(ありえない距離、高さなど)をしない事。痛みや転倒などで走れなくなって捕まってしまうばかりか、ケガをする事にもなりかねない。
- 靴は運動靴、慣れた靴が望ましい。服装は毛糸や皮製品などは脱いでおいたほうが賢明である。一心不乱に逃げている間にいつの間にか引っ掛けていたり、破れていたりする事があるからだ。同様の理由で高級品、装飾品を外しておくべき。
[編集] 近代化
- 昔は情報・意思伝達において個人の声、口笛、決めておいた音などが用いられる事が多かった。だが、現在のケイドロでは、プレイヤー(小・中・高校生が多い)の携帯電話所有率の向上と共に、いわゆる『電子戦』が行なわれる事がしばしばある。まさにケイドロの近代化と言えるだろう。
- ハイレベルな者になると個々の携帯のGPS情報を駆使し、位置を正確に突き止める、など。
- ただ、これにはフェアなゲーム進行において、警察と泥棒双方が同数または近い数の携帯電話を所有している必要がある。同数または近い数にならない場合、多い数の方の携帯電話を減らす、相手チームに貸す、少ないチームが誰かに借りる、そのまま進行してしまうなどのいずれかになる事になる。ただ、この近代版ケイドロにおいて情報収集能力がゲームの勝敗を分けると言っても過言ではないので、ハンディキャップのあるチームは相当な苦戦を強いられる事になる。
[編集] 終了条件
- 最も一般的な終了条件は「飽き」と「疲れ」である。
- 何度も交代を繰り返し、いい加減飽きた、という場合。
- これもまた、誰かの「もうやめようぜ」「疲れた」「飽きた」などの一言から一気に終結してしまう事が多い。