コバンザメ
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?コバンザメ | |||||||||||||||||||||||||||
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クロコバン Remora brachyptera |
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分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Echeneidae | |||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||
コバンザメ | |||||||||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||||||||
Remora | |||||||||||||||||||||||||||
属・種 | |||||||||||||||||||||||||||
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コバンザメはスズキ目コバンザメ亜目、コバンザメ科に属す魚の総称。狭義には和名コバンザメ、学名 Echeneis naucrates と称される種を指す。コバンザメ亜目は「サメ」の名がついてはいるが、硬骨魚類(サメは軟骨魚類)で、サバやカジキなどが属すスズキ目に近い。
目次 |
[編集] 特徴
- 体が太い。
- 色は黒っぽい(白い種もいる)。
- 尾びれの幅は広い。
- 頭部の背面にコバン型の大きな吸盤があり、20本くらいの板状の横縞が存在する。
- カジキ類などに吸い付き、えさのおこぼれを食べて暮らす。
- 寄生魚に食べられてしまうこともあるらしい。
[編集] 分布
- 外洋性
- 全世界の暖かい海に生息。
[編集] 属・種
コバンザメ亜目には、4属8種が知られている。
- コバンザメ属 Echeneis
- コバンザメ Echeneis naucrates、英:Live sharksucker
- ホワイトフィンシャークサッカー Echeneis neucratoides、英:Whitefin sharksucker
- スジコバン属 Phtheirichthys
- スジコバン Phtheirichthys lineatus、英:Slender suckerfish
- ナガコバン属 Remora
- オオコバン Remora australis、英:Whalesucker
- クロコバン Remora brachyptera、英:Spearfish remora
- ヒシコバン Remora osteochir、英:Marlin sucker
- ナガコバン Remora remora、英:Common remora
- シロコバン属 Remorina
- シロコバン Remorina albescens、英:White suckerfish
[編集] コバンザメ漁
コバンザメはウミガメ漁に利用されている。生きたまま捕らえたコバンザメの尾にロープを結びつけ、ウミガメの近くで放つと、コバンザメは一直線にウミガメに向かっていき腹にくっつく。ロープを手繰ればコバンザメと一緒にウミガメも引き寄せられる。小型のものであれば直接捕獲し、大型のものであれば最終的に銛でしとめる。
この漁はインド洋全体、特にザンビアやモザンビーク周辺の東アフリカ沿岸や[1] 、ケープタウンやトレス海峡近くの北オーストラリアで記録されている[2][3]。
類似した漁法は日本やアメリカでも行われている。西洋の文献で最も初期に「漁する魚」が記述されたのは、クリストファー・コロンブスの2度目の航海記録である。一方、レオ・ウィーナーは、コロンブスがアメリカをインドと勘違いしていたことから、アメリカに関して書かれた記述は眉唾で、東インドについて書かれた記述からコロンブスが作り出したものであろうと考察している[4]。
[編集] 人間に対する蔑称
- 自らに比してより大きな者に吸着ないし身を寄せて外敵から自身を守り、しばしばその食べ残しにありつく、というコバンザメの習性を人間社会に当てはめ、人間界において勢力・人気のある者に擦り寄って、その威を借りたり、「おこぼれ」に預かったりすると看做される人物に対して、軽蔑の意を込めた比喩表現としても用いられる。
[編集] 参考文献
- ^ E. W. Gudger (1919). "On the Use of the Sucking-Fish for Catching Fish and Turtles: Studies in Echeneis or Remora, II., Part 1.". The American Naturalist 53 (627): 289-311.
- ^ E. W. Gudger (1919). "On the Use of the Sucking-Fish for Catching Fish and Turtles: Studies in Echeneis or Remora, II., Part 2". The American Naturalist 53 (628): 446-467.
- ^ Narrative of the Voyage of H.M.S. Rattlesnake, available freely at Project Gutenberg (Dr. Gudger's accounts are more authoritative, but this source is noted as an early account that Gudger appears to have missed.)
- ^ Leo Wiener (1921). "Once more the sucking-fish". The American Naturalist 55 (637): 165-174.
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